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アミノアシルヌクレオチド化合物の製造方法 新技術説明会

国内特許コード P160012731
整理番号 S2014-0638-N0
掲載日 2016年1月28日
出願番号 特願2014-048194
公開番号 特開2015-172013
出願日 平成26年3月11日(2014.3.11)
公開日 平成27年10月1日(2015.10.1)
発明者
  • 本家 孝一
  • 小槻 日吉三
  • 片岡 正典
  • 福井 千春
出願人
  • 国立大学法人高知大学
発明の名称 アミノアシルヌクレオチド化合物の製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】本発明は、特定のアミノアシルヌクレオチド化合物を効率良く製造するための方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るアミノアシルヌクレオチド化合物の製造方法は、トリアジン系縮合剤とオキシム系活性化剤の存在下、特定のヌクレオチド化合物とアミノ酸化合物とを縮合させる工程を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


糖タンパク質は、特定のアミノ酸の一部に糖鎖が結合しているタンパク質の総称であり、様々な機能を有し、生体内でも重要な役割を担っている。



例えば、細胞膜に存在するタンパク質や細胞から分泌されるタンパク質の多くは、その構造中に糖鎖を有する糖タンパク質であり、生体内に存在するタンパク質の60~70%程度は糖タンパク質であるといわれている。また、細胞表面に発現した糖タンパク質の糖鎖は、生体内の他の細胞との接着に関与するのみならず、細菌やウィルスが細胞に接着する際のリガンドとなったり、細胞間の情報伝達に重要な役割を果たす場合もある。さらに、糖鎖によりタンパク質が安定化したり、高親水性の糖鎖を有する糖タンパク質が組織を保護するといった作用も有する。また、がん化した細胞では、正常細胞に比べて糖タンパク質の糖鎖構造に違いが生じる。その他、生理活性を有する糖タンパク質では、糖鎖によりその活性が制御されている。例えば、赤血球の産生促進作用を有する糖タンパク質であるエリスロポエチンは、その糖鎖末端のシアル酸が欠如したのみで血中半減期が減少し、活性をほとんど示さなくなってしまう。



上記のとおり、様々な作用を有し、また、生体機能の解明や新薬開発の鍵となり得る糖タンパク質であるが、近年における遺伝子工学の目覚しい発展にもかかわらず、その研究は十分に進んでいないのが現状である。その理由として、糖タンパク質の活性などは、その糖鎖構造が僅かに異なるのみで影響を受ける一方で、糖タンパク質の人工的な合成が非常に難しいことが挙げられる。



例えば、ヒトのサイトカインや抗体などのタンパク質を製造する手段として、これらの遺伝子をチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に組み込む方法が知られている。しかし、この方法で得られる糖タンパク質の糖鎖構造は不均一であり、活性が十分でないのみならず、体内で免疫応答反応を引き起こす場合もある。



そこで、非特許文献1の方法では、有機合成により糖ペプチドを合成し、それらを連結して糖タンパク質を合成している。この方法により、生理活性を有するエリスロポエチンが合成されている。しかし、糖タンパク質を製造するに当たっては、特定のアミノ酸の側鎖に特定の糖鎖を結合させなければならないため、この方法には大変な手間や時間がかかるという問題がある。



そこで、非特許文献2のとおり、無細胞翻訳システムを用いることが考えられる。具体的には、当該システムでは、終止コドンの1つであるUAGコドンをはじめとする非コードコドンへ特異的に結合するものであり且つ非天然アミノ酸が結合したtRNAを調製する。また、当該非天然アミノ酸を導入したい位置に上記コドンを組み込んだmRNAを調製する。これらを用いてペプチド合成を行うことにより、所望の位置に非天然アミノ酸が導入されたペプチドを得ることができる。非特許文献2では、非天然アミノ酸として、β-水酸基を介してグルコースなどが導入されたセリンが、リボースの3’位に結合したリン酸-デオキシシトシン-リン酸-アデノシン(pdCpA)が合成されている。当該化合物が結合したtRNAを用い、無細胞翻訳システムでペプチドを合成すれば、所望の位置に特定の糖鎖を有する糖タンパク質が得られる可能性がある。



上記無細胞翻訳システムでは、糖タンパク質に限らず、リボースの2’位または3’位に所望のアミノ酸が結合した化合物が必要である。しかし、その原因は必ずしも明らかではないが、ヌクレオチドの2’位または3’位の水酸基とアミノ酸からアミノアシル化合物を得る反応の収率は非常に低く、当該化合物が非常に高価なものとなってしまっているという問題がある。



例えば非特許文献3には、グリシンのカルボキシ基をシアノメチル基により活性化してpdCpAに結合させた実験例が開示されているが、全体の収率は30%程度である。また、非特許文献4には、1,1’-カルボニルジイミダゾールを用いてpdCpAとアミノ酸を縮合した例が開示されているが、収率などは全く記載されておらず、また、pdCpAに対して約11倍モルものアミノ酸が用いられている。

産業上の利用分野


本発明は、特定のアミノアシルヌクレオチド化合物を効率良く製造するための方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I1)または(I2)で表されるアミノアシルヌクレオチド化合物を製造するための方法であって、
【化1】


[式中、
1~R3は、独立して水素原子またはリン酸基の保護基を示し;
4は、水素原子、水酸基、保護水酸基、C1-6アルコキシ基、2-(C1-6アルコキシ)エトキシ基またはハロゲン原子を示し;
1およびB2は、独立して下記式で表される何れかの核酸塩基基:
【化2】


[式中、R7~R13は、独立して水素原子またはアミノ基の保護基を示す]を示し;
5は下記式(II)で表されるアミノ酸基を示し且つR6は水素原子を示すか、或いは、R5は水素原子を示し且つR6は下記式(II)で表されるアミノ酸基を示す:
【化3】


[式中、
14は、水素原子またはアミノ基の保護基を示し;
15は、アミノ酸側鎖、または、水酸基もしくはアミノ基を介して糖が結合しているセリン側鎖、トレオニン側鎖、アスパラギン側鎖、チロシン側鎖もしくはグルタミン側鎖を示す]]
トリアジン系縮合剤とオキシム系活性化剤の存在下、下記式(III1)または(III2)で表されるヌクレオチド化合物と下記式(IV)で表されるアミノ酸化合物とを縮合させる工程を含むことを特徴とする方法。
【化4】


[式中の基は上記と同義を示す]

【請求項2】
上記トリアジン系縮合剤をヌクレオチド化合物(III1)または(III2)に対して2倍モル以上、10倍モル以下用いる請求項1に記載の方法。

【請求項3】
上記オキシム系活性化剤をヌクレオチド化合物(III1)または(III2)に対して0.5倍モル以上、5倍モル以下用いる請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
上記トリアジン系縮合剤として4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロライドを用いる請求項1~3のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
上記オキシム系活性化剤として1-ヒドロキシベンゾトリアゾールを用いる請求項1~4のいずれかに記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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