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キレート機能を有する新規化合物、その製造方法及び用途

国内特許コード P160012732
整理番号 S2014-0888-N0
掲載日 2016年1月28日
出願番号 特願2014-095406
公開番号 特開2015-212240
出願日 平成26年5月2日(2014.5.2)
公開日 平成27年11月26日(2015.11.26)
発明者
  • 永井 宏史
  • 北谷 龍樹
出願人
  • 国立大学法人東京海洋大学
発明の名称 キレート機能を有する新規化合物、その製造方法及び用途
発明の概要 【課題】天然物由来のキレート機能を有する新規化合物、該化合物の製造方法、及び、該化合物を活性成分とするキレート剤及び該キレート剤の飲食品、化粧品、医薬、及び洗剤への用途の提供。
【解決手段】刺胞動物の刺胞から分離取得したキレート機能を有するDDLL新規シクロテトラ-γ-グルタミン酸立体異性体化合物Cnidarin4A、及び、DLLL立体異性体Cnidarin4B。更に、該化合物を活性成分とするキレート剤及び該キレート剤の飲食品、化粧品、医薬、及び洗剤への用途。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


刺胞動物(Cnidarian)は、刺胞動物門に属する動物の総称であり、大部分が海産で、クラゲや、イソギンチャク、ウミトカサ、ウミエラ、サンゴなどが属する。刺胞動物は、「刺胞」と呼ばれる、毒液を注入する針(刺糸)を備えた細胞内小器官をもち、基本的に肉食性であり、触手に接触した動物を刺胞の毒で麻痺させたり、刺胞から出る粘着性の刺糸でからめとって、摂食している。従来より、刺胞動物については、該刺胞動物が分泌する毒素等についての研究報告や、該刺胞動物から採取した生理活性物質についての報告がなされている。



例えば、非特許文献1(Pharm. Biol., Vol.45 No.1, P.37-43, 2007.)には、カリブ海由来の刺胞動物から抽出した抽出物の毒性試験について、非特許文献2(Comp. Biochem. Physiol. A, Vol.151, No.1,P144-149, 2008.)には、刺胞動物ハチクラゲ(Pelagia noctiluca)から、ポリエチレングリコールで分離された毒素の溶血活性毒性試験について、非特許文献3(「日本化学会講演予稿集」、Vol.90,No.4,P1080,2010.)には、ウミトサカ(Dendronephthya sp.)からのメタノールによる抽出により炎症惹起作用を有する成分であるトリプタミンを単離したことについて、及び、非特許文献4(FEBS J., Vol.277, No.12,P2641-2653, 2010.)には、イソギンチャク(Urtina crassicornis)から単離した新規ホスホリパーゼA2の同定と、コブラ科神経毒のPLA2Sとの類似性について、報告されている。



また、刺胞動物から抽出した活性抽出物として、非特許文献5(「日本薬学会年会要旨集」Vol.,117,No.2,P125,1997.)には、刺胞動物イシワケイソギンチャクに含有される新規アセタールリン脂質について、非特許文献6(Comp. Biochem. Physiol. B. Biochem. Mol. Bio. , Vol. 122B No.4, P.397-407,1999.)には、刺胞動物イソギンチャクの極性溶媒で抽出された、細胞接着予防作用を有する多糖を有するポリペプチドについて、非特許文献7(Helv. Chim. Acta, Vol. 89, No. 4, P.813-820,2006.)には、刺胞動物ヤギ目群体動物Muricella flexuosa 及びMenella verrucosa Brundinから得られた3種類の新規ポリ酸素化ステロイドの単離について、非特許文献8(Comp. Biochem. Physiol. B. Biochem. Mol. Bio. , Vol. 148 No.1, P.65-73,2007.)には、刺胞動物ヤギ目サンゴLeptogorgia virgulataから単離した、抗微生物活性成分、先天性免疫反応の活性成分であるホマリン及びホマリン類似体について、非特許文献9(「月刊海洋」、Vol. 41, No. 5, P.275-283, 2009.)には、クラゲから抽出されるクニウムチンのようなムチンについて、非特許文献10(Steroids, Vol., 76, No.5,P.425-454,2011.)には、刺胞動物由来のステロイド系配糖体について、報告されている。



更に、特許文献1(特開平10-298007号公報)には、ヨロイイソギンチャク等の刺胞動物から抽出分離した、水生生物付着防止作用を有するカルボニルアンヒドラーゼについて、特許文献2(特開2008-266204号公報)には、刺胞動物スナギンチャクに共生するAspergillus funmigatusから単離した、骨粗鬆症モデルマウスの骨強度及び骨重量を増加する作用を持つ、ノルゾアンタミンについて、特許文献3(特開2012-105589号公報)、特許文献4(特開2014-60947号公報)には、刺胞動物ウミサボテン科生物由来の蛍光蛋白質について、及び、特許文献5(特表2010-540431号公報)には、刺胞動物イソギンチャクの極性溶媒で抽出された、細胞接着予防作用を有する多糖を有するポリペプチドについて、開示されている。



上記のとおり、刺胞動物については、従来より、該刺胞動物から分離された各種化合物成分についての研究報告や、該刺胞動物から採取した生理活性物質についての報告がなされている。しかしながら、今までに、刺胞動物から、シクロポリグルタミン酸のような成分を分離した報告はなされておらず、又、該刺胞動物から、キレート活性を有する化合物成分を単離した報告もない。



一方で、化合物シクロポリグルタミン酸に関する報告としては、バクテリアのポリグルタミン酸の構造の研究のために、異なるシリーズのγ-オリゴグルタミン酸及びそのエステルを合成し、調査する過程において、シクロ-γ-オリゴグルタミン酸を合成したことが報告されている(非特許文献11:Acta. Chim. (Budapest),73(2),PP. 247-254,1972.)。該報告には、シクロ-γ-テトラグルタミン酸についての報告がなされているが、該合成されたシクロ-γ-テトラグルタミン酸は、すべてL体の立体異性体(stereoisomer)であり、また、該報告には、該化合物のキレート活性のような活性についての報告は何もなされていない。

産業上の利用分野


本発明は、刺胞動物の刺胞から抽出、分離されるキレート機能を有する新規シクロテトラ-γ-グルタミン酸立体異性体(stereoisomer)化合物、該化合物の製造方法、及び、該化合物をキレート活性成分とするキレート剤及びその用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式(I)
【化1】



(I)
で表わされるDDLL立体異性体シクロテトラ-γ-グルタミン酸構造を有する新規化合物Cnidarin4A、又は、
式(II)
【化2】



(II)
で表わされるDLLL立体異性体シクロテトラ-γ-グルタミン酸構造を有する新規
化合物Cnidarin4B、又は、その製剤上許容される塩。

【請求項2】
刺胞動物の刺胞を水性溶媒で抽出処理し、該抽出物からCnidarin4A、又は、Cnidarin4Bを精製、分離取得することを特徴とする新規化合物Cnidarin4A、又は、Cnidarin4Bの製造方法。

【請求項3】
刺胞動物が、アナサンゴモドキ又はカツオノエボシからなるヒドロ虫綱刺胞動物、ハブク ラゲ又はアンドクラゲからなる箱虫綱刺胞動物、ミズクラゲ、アカクラゲ、エチゼンクラゲ、又はイラモからなる鉢虫綱刺胞動物、或いは、ウンバチイソギンチャクからなる花虫綱刺胞動物であることを特徴とする請求項2に記載の新規化合物Cnidarin4A、又は、Cnidarin4Bの製造方法。

【請求項4】
Cnidarin4A、又は、Cnidarin4Bの精製、分離取得が、水性溶媒で抽出処理物からのHPLC-逆相クロマトグラフィーを用いた精製、分離取得であることを特徴とする請求項2又は3に記載の新規化合物Cnidarin4A、又は、Cnidarin4Bの製造方法。

【請求項5】
請求項1に記載の式(I)で表される化合物Cnidarin4A、又は、式(II)で表される化合物Cnidarin4B、又はその製剤上許容される塩を活性成分とする、キレート剤。

【請求項6】
キレート剤が、飲食品用、化粧品用、医薬用又は洗剤用であることを特徴とする請求項5に記載のキレート剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


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