TOP > 国内特許検索 > 含硫黄ポリマー

含硫黄ポリマー

国内特許コード P160012737
整理番号 (S2014-0824-N0)
掲載日 2016年1月28日
出願番号 特願2015-037714
公開番号 特開2015-227438
出願日 平成27年2月27日(2015.2.27)
公開日 平成27年12月17日(2015.12.17)
優先権データ
  • 特願2014-095144 (2014.5.2) JP
発明者
  • 堤 宏守
  • 吉本 信子
  • 山吹 一大
  • 金 仁泰
  • 板岡 加成恵
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 含硫黄ポリマー
発明の概要 【課題】弾性や溶解性のある新規有機硫黄材料を得るために、硫黄含有量の高い優れた有機溶媒への溶解性及び均一性を有する含硫黄ポリマーの提供。
【解決手段】



(式中、n1及びn3は、それぞれ独立して、0~19のいずれかの整数であり、n2は、1~10のいずれかの整数である。)で表されるジアリル化合物と、分子状硫黄(S)とを混合して加熱することにより得られる含硫黄ポリマー。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


石油精製時に回収される余剰な硫黄の用途としては硫酸等の工業薬品やゴム等の添加剤や肥料等その用途は多岐に渡る。しかし、これらの用途では硫黄を主成分に用いないため、硫黄の消費量は生産量に追いついておらず、余剰の硫黄の保管のために多額の経費がかかることが問題となっている。そのため、ここ10年間で固体硫黄Sの用途拡大を図るために化学的修飾による物性変化についての技術がいくつか報告されている。



特許文献1には、電池材料として利用するために、ポリアクリロニトリルと固体硫黄を反応させて、硫黄変性ポリアクリロニトリルを製造する方法が記載されている。しかし、前記硫黄変性ポリアクリロニトリルの製造方法では、有害な硫化水素ガスが発生すること、また、原料のポリアクリロニトリルの品質により、製造される硫黄変性ポリアクリロニトリルの品質が大きく異なるという問題点を有している。



特許文献2には、二次電池材料として利用するための、ポリイソプレンと固体硫黄のラジカル重合によって硫黄含有量の多い有機硫黄ポリマーの合成が報告されている。しかし、前記有機硫黄ポリマーの製造方法においても、有害な硫化水素ガスが発生すること、ポリイソプレンに対して過剰量の硫黄を用いる必要があり、有機硫黄ポリマーの合成後に残存する過剰量の硫黄を除去する必要があるという問題点を有している。



特許文献3には、二次電池材料の正極材料として利用するための、ヘキサクロロブタジエン等のハロゲン化不飽和炭化水素と硫黄との反応からなるポリ硫化カーボン及びその製造方法が記載されている。しかし、前記製造方法では、硫黄を硫化ナトリウム等のアルカリ金属の硫化物と反応させる必要がある他、ポリ硫化カーボンの製造には、多段階のステップが必要という問題点がある。また、前記ポリ硫化カーボンは有機溶媒への溶解性がないか又は非常に小さく、材料のハンドリングに関して、課題を残している。



また、建築材料や舗装材料としての利用のために、エチリデンノルボルネン等の二重結合と固体硫黄のラジカル重合によって硫黄含有量の多い有機硫黄ポリマーの合成が特許文献4に報告されている。しかしながら、これら二重結合を有する修飾剤の構造は限定されており物性の多様化を図ることができていない。また、有機溶媒に対する溶解性も乏しいため、材料のハンドリングに関して、課題を残している。



さらに、非特許文献1には、1,3-ジイソプロペニルベンゼンやα-メチルスチレン等の活性ビニル化合物と硫黄(S)との共重合体が記載されている。しかしながら、この活性ビニル化合物はラジカル重合性が非常に高いため硫黄との反応以外にも自己重合も起こしてしまい、前記共重合体は均一性を損なっている。また、少量の活性ビニル化合物を用いた場合、前記共重合体の有機溶媒に対する溶解性を付与することができていない。



特許文献5には、非特許文献1の著者と同じグループによる特許文献であり、硫黄と1又は2以上のエチレン系の不飽和モノマー、エポキシドモノマー、若しくはチイランモノマー、又はそれらの組み合わせとの共重合体が記載されている。前記共重合体は、電気化学セルや光学材料として利用可能であることが記載されている。しかし、エチレン系の不飽和モノマーはラジカル重合性が非常に高いため硫黄との反応以外にも自己重合も起こしてしまい、前記共重合体は均一性を損なっている。また、エポキシドモノマー又はチイランモノマーは反応の際に重合後は不要となる塩化テトラフェニルホスフィン等のオニウム塩を用いる必要があるという問題を有する。

産業上の利用分野


本発明は、固体硫黄(S)とアリル化合物とを反応させた新規ネットワークポリマーである含硫黄ポリマーに関し、また、前記含硫黄ポリマーを含有するエラストマー、さらに前記含硫黄ポリマーを含有する電池材料に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式(I)
【化1】


[式中、R及びRは、それぞれ独立して、
-COO-,-OCO-,-CONH-,-NHCO-,又は-O-で表される連結基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1~20のアルキレン基、並びに、連結基として-COO-,-OCO-,-CONH-,-NHCO-,及び-O-からなる群より選ばれるいずれか一つ又は二つを有する置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1~19のアルキレン基、からなる群より選ばれるいずれか一つを表し、
は、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2~20のアルキレン基、
主鎖中に-O-を1以上有する置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2~20のアルキレン基、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換の炭素数3~7のシクロアルキレン基、及び次式
【化2】


(式中、n及びnは、それぞれ独立して、1~4のいずれかの整数であり、
破線の結合はベンゼン環の3位又は4位に結合することを表す)で表される基
からなる群より選ばれるいずれか一つを表す]で表されるジアリル化合物又は
式(II)
【化3】


(式中、Rは、置換又は非置換の直鎖又は分枝の炭素数5~20のアルキル基を表す)で表されるモノアリル化合物と、
分子状硫黄(S)とを混合して加熱することにより得られる、含硫黄ポリマー。

【請求項2】
式(I)で表されるジアリル化合物が、以下の式(III)
【化4】


(式中、n及びnは、それぞれ独立して、0~19のいずれかの整数であり、
は、1~10のいずれかの整数である。)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の含硫黄ポリマー。

【請求項3】
式(I)で表されるジアリル化合物が、以下の式(V)
【化5】


(式中、n及びnは、それぞれ独立して、0~19のいずれかの整数であり、
及びnは、それぞれ独立して、1~4のいずれかの整数であり、
破線の結合はベンゼン環の3位又は4位に結合することを表す)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の含硫黄ポリマー。

【請求項4】
加熱が、155~170℃であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の含硫黄ポリマー。

【請求項5】
硫黄と式(I)又は式(II)で表される化合物とのモル比が1:0.01~1:100であることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の含硫黄ポリマー。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の含硫黄ポリマーを含有する電池材料。

【請求項7】
一次電池又は多価カチオン電池を含む二次電池の正極に使用されることを特徴とする、請求項6に記載の電池材料。

【請求項8】
二次電池の負極が、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、及びナトリウムから選ばれるいずれか一つであること特徴とする、請求項7に記載の電池材料。

【請求項9】
二次電池がマグネシウム二次電池であることを特徴とする、請求項7に記載の電池材料。

【請求項10】
請求項9に記載の電池材料を含むことを特徴とする、マグネシウム二次電池。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close