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メタン菌を用いた酸化鉄からのGreigite生産

国内特許コード P160012740
整理番号 S2014-0833-N0
掲載日 2016年1月28日
出願番号 特願2014-082107
公開番号 特開2015-202063
出願日 平成26年4月11日(2014.4.11)
公開日 平成27年11月16日(2015.11.16)
発明者
  • 桑原 朋彦
  • 五十嵐 健輔
  • 山村 泰久
  • 安達 卓也
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 メタン菌を用いた酸化鉄からのGreigite生産
発明の概要 【課題】安全に且つ大量にGreigiteを生産することができるGreigiteの製造方法を提供する。
【解決手段】イオウ還元能を有するメタン菌を、元素状イオウと酸化鉄との存在下で培養する工程を含む、Greigiteの製造方法。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


Greigite(Fe(III)2Fe(II)S4)は混合原子価硫化鉄であり、フェリ磁性を有する。Greigiteは、その結晶の1/4セル構造が(FeS2)2(Fe4S4)で表わされるように、その内部に生命にとって必須な[4Fe4S]クラスター様の構造を有し、地球生命の化学進化(非特許文献1)に深くかかわった鉱物の1つと認識されている(非特許文献2)。[4Fe4S]クラスターは電子伝達成分のみならず、酵素の活性中心として(非特許文献3)、あるいは翻訳制御因子(非特許文献4)、転写制御因子(非特許文献5)、あるいはラジカル利用タンパク質(非特許文献6及び7)の構成要素として重要な機能を担っている。



Greigiteは、代替医療の1つであるアーユルヴェーダセラピーに用いられる、インド黒塩の構成物としても知られる(http://encyclopedia.thefreedictionary.com/greigite)。現在、使用されている鉄剤・鉄サプリメントは可溶性であり、これらを過剰に摂取すると活性酸素を発生させる危険性が指摘されている。これに対し、Greigiteは結晶構造をもつゆえに難溶性で活性酸素を発生させにくく、また、上記のように薬効が期待されることから、大量生産法が開発されれば、将来、鉄剤・鉄サプリメントとして有用になる可能性を有している。



Greigiteは、多様な化学的方法により合成される(非特許文献8)。しかしながら、いずれの方法も、pHの異なる2液の混合(非特許文献9及び10)や硫化水素(猛毒ガス)の使用(非特許文献11)等、合成には極度の注意を要する。二価鉄溶液(酸性)とpolysulfide溶液(アルカリ性)を混合する方法(非特許文献9)においては、Greigiteは、Mackinawite(Fe(II)S)、Greigite、Pyrite(Fe(II)S2)をこの順で生じる、polysulfide pathwayの中間体として合成される。polysulfide pathwayでは、Mackinawiteが全てGreigiteに変換しないうちにPyriteが生成する(非特許文献12)。この事実はGreigiteのみの合成が困難であることを示唆している。合成産物からアモルファス硫化鉄や他鉱物を除いてGreigiteを精製しようとする試みは未だにない。



生物学的なGreigite合成に関しては、走磁性細菌による細胞内合成(非特許文献13)や硫酸還元菌による細胞外合成の報告がある(非特許文献14~17)。しかしながら、細胞内合成は大量生産には適さない。また、硫酸還元菌によってGreigiteは他鉱物の副産物として形成されるが、増殖が遅いため形成には2週間以上の時間を必要とする。



このように、安全に且つ大量にGreigiteを生産することができるGreigiteの製造方法は、従来において知られていなかった。

産業上の利用分野


本発明は、例えばイオウ還元能を有するメタン菌を利用して酸化鉄からGreigite(「グレイジャイト」又は「グライガイト」とも称される)を合成し、精製する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
イオウ還元能を有するメタン菌を、元素状イオウと酸化鉄との存在下で培養する工程を含む、Greigiteの製造方法。

【請求項2】
イオウ還元能を有するメタン菌がMethanocaldococcus jannaschiiに属する微生物である、請求項1記載の方法。

【請求項3】
酸化鉄がヘマタイト又はアモルファス酸化鉄である、請求項1又は2記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014082107thum.jpg
出願権利状態 公開
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