TOP > 国内特許検索 > 組織片の機能を発現・維持する方法および組織片培養デバイス

組織片の機能を発現・維持する方法および組織片培養デバイス

国内特許コード P160012746
整理番号 S2014-1082-N0
掲載日 2016年2月5日
出願番号 特願2014-119858
公開番号 特開2015-231354
出願日 平成26年6月10日(2014.6.10)
公開日 平成27年12月24日(2015.12.24)
発明者
  • 藤井 輝夫
  • 木村 啓志
  • 小川 毅彦
  • 古目谷 暢
出願人
  • 一般財団法人生産技術研究奨励会
  • 学校法人東海大学
  • 公立大学法人横浜市立大学
発明の名称 組織片の機能を発現・維持する方法および組織片培養デバイス
発明の概要 【課題】培養条件下で組織片の機能を長期間維持できる方法および組織片培養デバイスを提供する。
【解決手段】器官の機能を発現し得る組織片の前記機能を発現させ維持する方法であって、前記組織片を培養室に収容し、前記培養室と隔離材を介して接する流路に培養液を流通させる工程を有し、前記隔離材が、多孔質膜、または相互に間隔をあけて配置された複数の壁材から構成されるスリット部であり、前記培養室が、前記隔離材から400μm以下の領域内に設けられていることを特徴とする方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


従来、生体から取り出した組織片を器官培養法により培養することが行われている。例えば器官培養法によるin vitro精子形成の試みは、器官培養法の草創期からなされており、1937年には新生仔マウス精巣組織片を凝血塊上で培養して、減数分裂パキテン期までの分化が進行したとの報告がある。
器官培養法としては主に、気層液層境界部培養法(Gas-liquid interphase法)と旋回培養法の2つが知られている。これらの方法は、1950~1960年代に開発され、応用されてきた。
しかし、従来の器官培養法は、生体から切り出した組織片の形態や機能を維持できる期間が短く、数日からせいぜい2~3週間である。また、組織片の機能の発現も充分とはいえない。例えば前記のような新生仔マウス精巣組織片の培養を気層液層境界部培養法で行った場合、精子形成の進行はやはりパキテン期までであった。



非特許文献1には、気層液層境界部培養法を応用したin vitroでの精子形成の促進に有効な方法として、培養液に半分程度浸漬したアガロースゲルの台の上に新生仔マウス精巣組織片を載せて培養すること、その際、培養液に、従来頻用されている牛胎仔血清(FBS)の代わりにKnockOut(登録商標) Serum Replacement(KSR)を添加すること、が提案されている。この方法によれば、新生仔マウス精巣組織片から精子を産生させ、顕微授精で産仔を得ることに成功したことが報告されている。また、精子形成を1~2か月維持できたことも報告されている。



一方、1990年代からMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いてマイクロ流体デバイスという流路系をもった培養システムが工学分野において開発されている。
非特許文献2や特許文献1では、マイクロメーターオーダーの微細な流路を作製し、該流路上に細胞を培養する空間を設け、該流路と該空間との間に細胞の足場となる多孔質膜を配置したデバイスが提案されている。該流路に2種以上の培養液を多層流として流通させると、各培養液が多孔質膜を介して流路上の空間内に供給され、該空間内の物質分布を時間的にも空間的にも制御し、細胞の分化等を制御できるとされている。しかし、組織片の培養については検討されていない。

産業上の利用分野


本発明は、器官の機能を発現し得る組織片の機能を発現させ維持する方法、および該方法に用いられる組織片培養デバイスに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
器官の機能を発現し得る組織片の前記機能を発現させ維持する方法であって、
前記組織片を培養室に収容し、前記培養室と隔離材を介して接する流路に培養液を流通させる工程を有し、
前記隔離材が、多孔質膜、または相互に間隔をあけて配置された複数の壁材から構成されるスリット部であり、
前記培養室が、前記隔離材から400μm以下の領域内に設けられていることを特徴とする方法。

【請求項2】
請求項1に記載の方法に用いられる組織片培養デバイスであって、
器官の機能を発現し得る組織片を収容する培養室と、
培養液を流通させる流路と、
隔離材と、
を備え、
前記隔離材が、多孔質膜、または相互に間隔をあけて配置された複数の壁材から構成されるスリット部であり、
前記培養室と前記流路とが、前記隔離材を介して接しており、
前記培養室が、前記隔離材から400μm以下の領域内に設けられている組織片培養デバイス。

【請求項3】
透明基板と、培養室形成用の切欠き部が設けられた第一の層と、前記多孔質膜と、流路形成用の溝が設けられた第二の層とがこの順で積層したデバイス本体を備え、
前記多孔質膜は、前記切欠き部と前記溝とを区画するように配置され、
前記透明基板と前記切欠き部と前記多孔質膜とで囲まれた空間が前記培養室とされ、前記多孔質膜または前記第二の層と前記溝とによって囲まれた空間が前記流路とされている、請求項2に記載の組織片培養デバイス。

【請求項4】
前記デバイス本体は、前記透明基板側を下側にして配置され、
前記第二の層に、前記流路に培養液を供給する培養液導入路と、前記流路から培養液を排出する培養液排出路とが形成され、
前記培養液導入路および前記培養液排出路がそれぞれ前記デバイス本体の上面に開口し、
前記培養液導入路の開口に、培養液を収容するタンクが取り付けられ、前記培養液排出路の開口に吸引ポンプが接続されている、請求項3に記載の組織片培養デバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close