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改質された表面を具えた細胞培養用デバイス

国内特許コード P160012752
整理番号 S2014-0947-N0
掲載日 2016年2月5日
出願番号 特願2014-096825
公開番号 特開2015-213446
出願日 平成26年5月8日(2014.5.8)
公開日 平成27年12月3日(2015.12.3)
発明者
  • 長崎 幸夫
  • 池田 豊
  • 吉成 友貴
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 改質された表面を具えた細胞培養用デバイス
発明の概要 【課題】動物細胞の形態変化を伴う事なく効果的に培養できる細胞培養デバイスの提供。
【解決手段】アミノ基(又はイミノ基)含有高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物。



[式中Aは非置換又は置換C-C12アルコキシ,Lはm個とn個の反復単位のセグメントを連結するリンカー(m=2~1,000の整数,n=独立して1~1,000の整数),Lは-C1~6アルキレン-NH-(C1~6アルキレン)-(q=0又は1),Rは独立して環状ニトロキシドラジカル化合物の残基を表す。]表面にカルボキシル基を有する培養機材の表面へ共有結合を介して固定された、培養中の動物細胞の形態の変化を抑制するための細胞培養デバイス。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


本発明者らは、生体または生体に由来する物質、特に血液と接触する表面の生体適合性を、高分子化環状ニトロキシドラジカルを使用して高めることにより、材料に血液が接触することで生じる、例えば血小板や白血球の減少を抑制することができることも見出し、当該使用について提案した(特許文献1参照)。



ところで、近年、iPS細胞やES細胞等の再生医療が注目されているが、これらの細胞を未分化の状態を維持したまま培養することは品質管理の観点から非常に重要である。また、薬剤スクリーニング等において用いられる培養細胞は一般的に細胞の継代数を重ねるごとに細胞の形態が変化することが知られている。これらの例に見られるように、培養細胞は通常の培養環境においてはその形態が変化する傾向にある。細胞の形態を変化させる原因としては様々なものが知れているが、培養液中に発生する活性酸素種(ROS)もその一つである。このROSが細胞を刺激し、細胞の形態を変化させる。特に、ミトコンドリアの還元電位を乱すことで、細胞の形態維持に深く関与しているミトコンドリア内のROSレベルを変化させているのであろうと報告されている(非特許文献1)。これまで、一般的に、ROSを消去する物質としてビタミン等種々の抗酸化剤が用いられてきた。しかしながらこれらの小分子の抗酸化剤はROSを消去する一方で、それ自体が細胞の形態変化を誘発するという側面を持ち合わせる。したがって、これら小分子の抗酸化剤(ROS消去剤)に代わる材料設計が将来的には非常に重要となってくるであろう。



本発明者らは、このような観点から、特許文献1で表面処理に使用されている2-メトキシメチルアクリレート/クロロメチルスチレンのランダムコポリマーのスチレン反復単位部分に環状ニトロキドラジカル部分(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO))を担持させたポリマーに代え、PEG-b-PMNT〔ポリ(エチレングリコール)-b-ポリ(p-4-(2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジン-1-オキシル)アミノメチルスチレン:当該ポリマーの製造等については、必要があれば特許文献2参照〕で培養機材表面をコートすることにより高等動物細胞を未分化の状態を維持したまま培養できることを報告した(非特許文献2)。

産業上の利用分野


本発明は、表面に高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物が共有結合を介して固定された細胞培養用デバイスを関する。特に、培養中の動物細胞の形態変化を抑制するための細胞培養デバイスに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I)で表されるアミノ基(またはイミノ基)含有高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物が、表面にカルボキシル基を有する培養機材の表面へ共有結合を介して固定された、培養中の動物細胞の形態の変化を抑制するための細胞培養デバイス。
【化1】


上式中、
Aは、非置換または置換C1-C12アルコキシを表し、置換されている場合の置換基は、ホルミル基、式R12CH-(ここで、R1及びR2は独立して、C1-C4アルコキシまたはR1とR2は一緒になって-OCH2CH2O-、-O(CH23O-もしくは-O(CH24O-を表す。)の基を表し、
1は、m個の反復単位のセグメントとn個の反復単位のセグメントを連結するリンカーを表し、
2は、-C1-6アルキレン-NH-(C1-6アルキレン)q-であり、ここでqは整数0または1であり、そして
Rは、独立して、Rの総数nの少なくとも50%が2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル-4-イル、2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-オキシル-3-イル、2,2,5,5-テトラメチルピロリン-1-オキシル-3-イル、2,4,4-トリメチル-1,3-オキサゾリジン-3-オキシル-2-イル、2,4,4-トリメチル-1,3-チアゾリジン-3-オキシル-2-イル及び2,4,4-トリメチル-イミダゾリンジン-3-オキシル-2-イルからなる群より選ばれる環状ニトロキシドラジカル化合物の残基を表し、存在する場合には、残りのRが水素原子、ハロゲン原子またはヒドロキシ基であり、
mは、2~1,000の整数であり、そして
nは、独立して、1~1,000の整数である。

【請求項2】
1が、単結合、-(CH2cS-、-CO(CH2cS-、からなる群より選ばれ、ここでcは1~12の整数である、請求項1に記載の細胞培養デバイス。

【請求項3】
Rが、独立して、Rの総数nの、少なくとも70%である、請求項1に記載の細胞培養デバイス。

【請求項4】
Rが、次式
【化2】


式中、R’はメチル基である、
で表される基から選ばれる、請求項1に記載の細胞培養デバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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