TOP > 国内特許検索 > バイオマスナノ繊維の製造方法およびバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体の製造方法

バイオマスナノ繊維の製造方法およびバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体の製造方法

国内特許コード P160012759
整理番号 S2014-1005-N0
掲載日 2016年2月5日
出願番号 特願2014-105821
登録番号 特許第5660513号
出願日 平成26年5月22日(2014.5.22)
登録日 平成26年12月12日(2014.12.12)
発明者
  • 附木 貴行
  • 西田 治男
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
  • 合同会社テイクプラス
発明の名称 バイオマスナノ繊維の製造方法およびバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体の製造方法
発明の概要 【課題】バイオマスナノ繊維の製造方法およびバイオマスナノ繊維を用いた高分子樹脂複合体の製造方法を提供する。
【解決手段】バイオマスナノ繊維の製造方法は、竹、エリアンサス、アブラヤシおよび麦わらから選ばれる1または2以上のバイオマスを過熱水蒸気で加熱処理してバイオマス繊維を得る工程と、多軸押出機を用い、バイオマス繊維にポリビニルアルコール水溶液、無水マレイン酸変性ポリプロピレンまたは低分子量ポリカプロラクトンを配合して混練しながら押出してバイオマスナノ繊維を得る工程と、を有する。バイオマスナノ繊維に高分子樹脂を配合して多軸押出成形機で押出成形し、バイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体を得る。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年、化石資源から再生可能な資源への転換が注目されており、特にバイオマス資源への注目度は高く、広く利用されてきている。



現在、日本は一次資源のほとんどを輸入に頼っているが、身近なところにも一次資源はあり、その代表的なものとして竹や麦わら等が挙げられる。
日本は世界でも有数の森林面積比率を有しているが、価格の安い海外のバイオマスに取って代わられたことに伴う国内生産の激減により、森林・竹林の多くは手入れが行われず、竹に関しては「放置竹林」や「竹公害」が拡大の一歩をたどる。
しかし、竹を工業資源という観点からみると、竹は西日本を中心に広く分布しており、その賦存量は膨大であり、しかも成長が早いという特徴を持っている。また、材料の観点からも非常に優れており、プラスチックとの複合材料の研究が盛んに行われ、コンポジット特性の向上も多数報告されている。つまり、工業資源としての利用は竹林の問題に対する有効な解決策となると同時に化石燃料の代替資源としても非常に有効である。



CO2固定化の目的でバイオマスファイバーを基に高物性材料の研究開発が行われている。その中でセルロース系ナノコンポジットの開発が急速に進んできている。その基本要素として、高強度、高弾性、低熱膨張のナノ構造繊維に注目が集まっている。このナノ構造繊維では、いかにしてナノ構造繊維の形状として簡便に得ることができ、その機能を失わずかつ大きく発揮しうるものにするか、特に有機高分子との複合化など工業的に加工しやすいものにするか、それら複合化などの加工中にナノ構造繊維としての形態を失わずかつ分散性の高いことを実証することなどを着眼として開発することが求められている。



その中でも、竹、木材パルプ、ケナフなど植物系繊維材料からのセルロース単体とリグノセルロースについてのナノ繊維の製造および有機高分子との複合材料化については、各種の技術が公表されている。



パルプなどの植物繊維を解繊して、ミクロフィブリル化を図ることができる。そして、得られるミクロフィブリルを有する繊維と有機高分子を複合化する技術が検討されている。



従来の複合化技術では、グラインダー、ミキサーなどを用いて繊維をナノサイズまで解繊すること、ナノサイズの繊維表面を化学薬品により処理したものと汎用樹脂PP、PEなどの汎用樹脂を混合して相溶性向上を図ること、および成形時に繊維の再凝集を防ぐために表面改質を行うこと、の3段階の工程を必要とする。



例えば、次亜塩素酸系の酸化剤を用いることで、ナノ繊維の反発を制御して、分散性の高い繊維を得る技術や(特許文献1)、ミクロフィブリル表面に導入された負の電荷を有するカルボキシル基の存在により、ミクロフィブリル間の反発力を誘引し、分散体中で安定して分散する技術(特許文献2)等が開示されている。



しかし、これらの技術は、いずれも上記した3段階の工程を簡略化するものではない。また、得られるミクロフィブリルを有するナノ繊維を高分子樹脂中に高分散して成形することは難しい。



これに対して、本発明者らは、アブラヤシ由来の原料を過熱水蒸気で処理してバイオマス粉末を得、さらに、バイオマス粉末に熱可塑性樹脂等のプレポリマーを配合して溶融成形してバイオマス複合成形体を得る技術を開示している(特許文献3)。このとき、50質量%以上が長径1~500μmの範囲にあるバイオマス粉末が得られる。

産業上の利用分野


本発明は、バイオマスナノ繊維の製造方法およびバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
竹、エリアンサス、アブラヤシおよび麦わらから選ばれる1または2以上のバイオマスを過熱水蒸気で加熱処理してバイオマス繊維を得る工程と、
多軸押出機を用い、バイオマス繊維にポリビニルアルコール水溶液、無水マレイン酸変性ポリプロピレンまたは低分子量ポリカプロラクトンを配合して混練しながら押出してバイオマスナノ繊維を得る工程と、
を有することを特徴とするバイオマスナノ繊維の製造方法。

【請求項2】
180~230℃の温度の過熱水蒸気で1~5時間時間加熱処理することを特徴とする請求項1記載のバイオマスナノ繊維の製造方法。

【請求項3】
前記バイオマス100質量部に対して前記ポリビニルアルコール水溶液、無水マレイン酸変性ポリプロピレンまたは低分子量ポリカプロラクトンを50~200質量部配合することを特徴とする請求項1または2に記載のバイオマスナノ繊維の製造方法。

【請求項4】
前記多軸押出機として二軸押出機を用いることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のバイオマスナノ繊維の製造方法。

【請求項5】
前記多軸押出機での処理温度が10~120℃、軸回転速度が50~150rpmであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のバイオマスナノ繊維の製造方法。

【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のバイオマスナノ繊維の製造方法により得られるバイオマスナノ繊維に高分子樹脂を配合して多軸押出成形機で押出成形し、バイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体を得る工程を有することを特徴とするバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体の製造方法。

【請求項7】
前記高分子樹脂が、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項6記載のバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体の製造方法。

【請求項8】
前記バイオマスナノ繊維100質量部に対して前記高分子樹脂を400~3500質量部配合することを特徴とする請求項6または7に記載のバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体の製造方法。

【請求項9】
前記多軸押出成形機として二軸押出成形機を用いることを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載のバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体の製造方法。

【請求項10】
前記多軸押出成形機での処理温度が80~220℃、処理圧力が50MPa以下、軸回転速度が15~50rpmであることを特徴とする請求項6~9のいずれか1項に記載のバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体の製造方法。

【請求項11】
バイオマスナノ繊維の製造方法における多軸押出機およびバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体を得る工程における多軸押出成形機として、共通する1つのまたは複数が連結された多軸押出成形機を用い、1つの多軸押出成形機の上流側でまたは複数の連結された多軸押出成形機のうちの上流側に位置する多軸押出成形機で、バイオマスナノ繊維を得る工程を、および1つの多軸押出成形機の下流側でまたは複数の連結された多軸押出成形機のうちの下流側に位置する多軸押出成形機で、バイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体を得る工程を、連続的に行うことを特徴とする請求項6~10のいずれか1項に記載のバイオマスナノ繊維・高分子樹脂複合体の製造方法。
産業区分
  • その他有機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
詳細は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close