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好中球活性化に起因する疾患の治療薬、治療方法及び検査方法

国内特許コード P160012765
整理番号 (S2012-0798-N0)
掲載日 2016年2月10日
出願番号 特願2014-519933
登録番号 特許第5807937号
出願日 平成25年5月28日(2013.5.28)
登録日 平成27年9月18日(2015.9.18)
国際出願番号 JP2013064779
国際公開番号 WO2013183494
国際出願日 平成25年5月28日(2013.5.28)
国際公開日 平成25年12月12日(2013.12.12)
優先権データ
  • 特願2012-129232 (2012.6.6) JP
発明者
  • 西堀 正洋
  • 森 秀治
  • 和氣 秀徳
  • 高橋 英夫
  • 劉 克約
  • 勅使川原 匡
  • 阪口 政清
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 好中球活性化に起因する疾患の治療薬、治療方法及び検査方法
発明の概要 好中球活性化に起因する疾患の治療薬、治療方法及び検査方法を提供する。より詳しくはヒスチジンリッチ糖タンパク質(HRG)を有効成分とする好中球活性化調節剤に関し、好中球活性化調節剤を含む好中球活性化に起因する疾患の治療薬、好中球活性化に起因する疾患の治療方法、さらには好中球活性化に起因する疾患の検査方法を提供する。HRGを有効成分とする好中球活性化調節剤による。本発明は、本発明のHRGを有効成分とする好中球‐血管内皮細胞相互作用抑制剤や、好中球活性化に起因する疾患及び/又は好中球活性化を伴う炎症性疾患の治療方法にも及ぶ。本発明は血中HRG量を測定することによる好中球活性化を伴う炎症性疾患の検査方法にも及ぶ。
従来技術、競合技術の概要


血液中には、細胞性成分として赤血球、白血球、血小板が存在する。そのうち白血球は、顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、リンパ球、単球の5種類に分類される。好中球はヒトにおいては最も数の多い細胞種で、細菌感染や組織障害等の生体防御の最前線で機能することがよく知られている。好中球は、細菌菌体成分(例えば、Lipopolysaccharide:LPS)や細菌由来ペプチド、補体C5a、IL-8等によって活性化される。好中球は白血球における顆粒球の主要成分の1つで、細菌等の異物が生体内に侵入すると、その箇所に遊走し、細菌等の異物を貪食し、活性酸素を生じさせる。さらに、リゾチーム、デフェンシン等の殺菌タンパクを放出(脱顆粒)させ、それらの作用及び更に種々の酸性加水分解酵素の作用等により異物を排除する重要な役割を果たしている。しかし、この活性酸素や殺菌タンパクが過度に細胞外に放出されると組織障害をおこし、場合によっては異物の侵入により生じた急性炎症を更に悪化させる。また急性肺障害、急性呼吸窮迫症候群、その他好中球関与の炎症等の特定の疾患等の場合にはこの好中球の作用が疾患に対して悪影響を及ぼしていることが知られている。



好中球エラスターゼ(elastase)は、分子量が約3万の中性プロテアーゼであり、アズール顆粒(ライソゾーム)に存在する。好中球エラスターゼは、生理的状態では、好中球内で、貪食した細菌や異物を、消化、分解し、好中球外では、エラスチン、コラーゲン(III型、IV型)、フィブロネクチン、免疫グロブリン、血液凝固第XIII因子などを分解し、組織生合成を調節する。好中球エラスターゼは、過剰に放出されたり、α1-AT(α1-antitrypsin)などのインヒビターが欠乏していると、生体構成成分をも分解し、自己の組織障害を引き起こすおそれがある。炎症の際には、好中球が炎症巣に浸潤するが、エラスターゼのように、白血球が産生する物質により、却って、炎症が引き起こされる側面がある。近年特に臨床の場で、好中球エラスターゼの動態と各種疾患が注目されている。好中球エラスターゼは、強力かつ広範なタンパク質の分解能を有し、特に細胞外マトリクス成分であるコラーゲン、エラスチン、プロテオグリカンなどを分解することから、組織障害因子の一つとして考えられていた。そのため、好中球エラスターゼの阻害作用に着目した医薬品の開発が進んでいる。例えばH2受容体拮抗剤の塩酸ラニチジン(医薬品名:ザンタック)は、好中球の細胞内のCa2+濃度を低下させ、好中球エラスターゼの放出を、抑制することが報告されている。また、シベレスタットナトリウム(医薬品名:エラスポール)は、好中球から細胞外へ放出されたエラスターゼの特異的阻害剤であり、日本では呼吸切迫症候群や急性肺障害の適用が認められている治療薬である。これらの薬剤は、本質的には好中球の活性化を抑制する薬物ではなく、活性化された好中球が放出する因子の一つに対してだけ働きかけ、その酵素活性を阻害することによって、抗炎症作用が期待されるものである。



上述の如く、活性化された好中球が放出する因子に対して働きかけ、その活性を阻害する物質については報告があるものの、好中球の抑制機構についてはほとんど知られていない。特に、循環血中における好中球の暴走的活性化を防止するために、好中球が非活性化状態に維持されている必要がある。しかしながら、好中球を非活性化状態に維持・制御しうる因子についての報告はない。



HRG(Histidine-rich glycoprotein)は、1972年にHeimburger et al (1972)によって同定された分子量約80kDaの血漿タンパク質である。合計507個のアミノ酸より構成され、そのうちヒスチジンが66存在する高ヒスチジン含有タンパク質であり、主として肝臓で合成され、約100~150μg/mlという非常に高いと考えられる濃度でヒト血漿中に存在する。HRGは、凝固線溶系の調節や血管新生の制御に関与していることが知られている(非特許文献1)。さらに、HRGポリペプチドを投与することによる血管形成を阻害する方法、HRGポリペプチド、HRGポリペプチドに結合する抗体及び受容体、HRG欠乏性血漿及びポリヌクレオチド、HRGポリペプチドをコードするベクター及び宿主細胞を含む、製薬的組成物及び製品が開示されている(特許文献1)。また、血管新生の分野に関し、HRGの中央領域に由来するサブフラグメントを含む抗血管新生活性のある実質的に純粋な連続ポリペプチドの使用に関する開示がある(特許文献2)。



しかしながら、HRGによる好中球の制御に及ぼす影響については、報告されていない。

産業上の利用分野


本発明は、好中球活性化に起因する疾患の治療薬、治療方法及び検査方法に関する。より詳しくはヒスチジンリッチ糖タンパク質(Histidine-rich glycoprotein:以下、単に「HRG」という場合がある。)を有効成分とする好中球活性化調節剤に関し、好中球活性化調節剤を含む好中球活性化に起因する疾患の治療薬、好中球活性化に起因する疾患の治療方法、さらにはHRGを測定する好中球活性化に起因する疾患の検査方法に関する。



本出願は、参照によりここに援用されるところの日本出願、特願2012-129232号優先権を請求する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヒスチジンリッチ糖タンパク質を有効成分として含有する好中球‐血管内皮細胞接着抑制剤

【請求項2】
ヒスチジンリッチ糖タンパク質が、遺伝子組換えの手法により産生され、配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列を含むアミノ酸配列からなるヒスチジンリッチ糖タンパク質である、請求項1に記載の好中球‐血管内皮細胞接着抑制剤

【請求項3】
ヒスチジンリッチ糖タンパク質を有効成分として含有する好中球活性化阻害剤であって、好中球活性化阻害作用が、好中球を球状に維持することによる好中球活性化阻害剤。

【請求項4】
ヒスチジンリッチ糖タンパク質が、遺伝子組換えの手法により産生され、配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列を含むアミノ酸配列からなるヒスチジンリッチ糖タンパク質である、請求項3に記載の好中球活性化阻害剤。

【請求項5】
ヒスチジンリッチ糖タンパク質をin vitroの好中球に作用させることによる、好中球の球状維持方法。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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