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膵臓ホルモン産生細胞の生産方法及び膵臓ホルモン産生細胞、並びに分化誘導促進剤

国内特許コード P160012770
整理番号 (S2012-0753-N0)
掲載日 2016年2月10日
出願番号 特願2014-516862
登録番号 特許第6161603号
出願日 平成25年5月24日(2013.5.24)
登録日 平成29年6月23日(2017.6.23)
国際出願番号 JP2013064469
国際公開番号 WO2013176249
国際出願日 平成25年5月24日(2013.5.24)
国際公開日 平成25年11月28日(2013.11.28)
優先権データ
  • 特願2012-120281 (2012.5.25) JP
発明者
  • 豊島 秀男
  • 岡崎 康司
  • 横尾 友隆
  • 菅原 泉
出願人
  • 学校法人 埼玉医科大学
発明の名称 膵臓ホルモン産生細胞の生産方法及び膵臓ホルモン産生細胞、並びに分化誘導促進剤
発明の概要 多能性幹細胞又は膵臓組織幹/前駆細胞から膵臓ホルモン産生細胞へと高効率に分化誘導することが可能な膵臓ホルモン産生細胞の生産方法(分化誘導方法)及び生産された膵臓ホルモン産生細胞、並びにその生産方法に用いられる分化誘導促進剤を提供する。
本発明に係る膵臓ホルモン産生細胞の生産方法は、多能性幹細胞又は膵臓組織幹/前駆細胞から膵臓ホルモン産生細胞への分化誘導過程で、特定の分化誘導促進剤を培地中に添加することを特徴とする。分化誘導促進剤としては、配列番号1に記載の塩基配列からなるDNAによりコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドやその改変体、あるいは配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA、又はこのDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを外来遺伝子として組み込んだ細胞の培養上清が用いられる。
従来技術、競合技術の概要


膵臓は内分泌細胞と外分泌細胞とを有し、内分泌及び外分泌の両方で重要な役割を担っている器官である。内分泌細胞は膵臓ホルモンを産生・分泌する役割を果たし、α細胞からはグルカゴンが、β細胞からはインスリンが、δ細胞からはソマトスタチンが、PP細胞からは膵ポリペプチドがそれぞれ分泌されることが知られている。特にインスリンは血糖値低下作用を有し、血糖を正しい濃度に保つ重要な役割を果たす。



近年、多能性幹細胞や膵臓組織幹/前駆細胞から膵臓ホルモン産生細胞へと分化誘導する方法が数多く報告されている(非特許文献1~4、特許文献1~6等を参照)。このような分化誘導方法によって効率的に膵臓ホルモン産生細胞を得ることができれば、膵島移植の代替となる糖尿病の治療方法に繋がると期待される。さらに、患者本人由来の多能性幹細胞又は膵臓組織幹/前駆細胞から膵臓ホルモン産生細胞を得ることにより、拒絶反応の問題も解消し得ると考えられる。



しかし、これまで報告されている分化誘導方法は、いずれも膵臓ホルモン産生細胞への分化誘導効率が十分ではなかった。例えば、非特許文献1におけるインスリン産生細胞への分化誘導効率は12%程度である。このため、多能性幹細胞又は膵臓組織幹/前駆細胞から膵臓ホルモン産生細胞へと高効率に分化誘導することが可能な分化誘導方法が望まれている。また、非特許文献3では、マウスES細胞にpdx1遺伝子を導入して培養することによってインスリン産生細胞へと分化誘導しているが、安全性の観点からは、遺伝子導入を伴わない分化誘導方法であることが好ましい。

産業上の利用分野


本発明は、誘導多能性幹細胞(以下、「iPS細胞」ともいう。)や胚性幹細胞(以下、「ES細胞」ともいう。)等の多能性幹細胞、あるいは膵臓組織幹/前駆細胞から膵臓ホルモン産生細胞を生産する膵臓ホルモン産生細胞の生産方法及び生産された膵臓ホルモン産生細胞、並びにその生産方法に用いられる分化誘導促進剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
多能性幹細胞又は膵臓組織幹/前駆細胞から膵臓ホルモン産生細胞を生産する膵臓ホルモン産生細胞の生産方法であって、
多能性幹細胞又は膵臓組織幹/前駆細胞から膵臓ホルモン産生細胞への分化誘導過程で、分化誘導因子による分化効率を高めるために、下記(1)~(3)から選ばれる少なくとも1種の分化誘導促進剤を培地中に添加することを特徴とする膵臓ホルモン産生細胞の生産方法、
(1)配列番号1に記載の塩基配列からなるDNAによりコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチド、
(2)配列番号1に記載の塩基配列からなるDNAによりコードされるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、膵臓ホルモン産生細胞への分化誘導促進作用を持つポリペプチド、
(3)配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA、又はこのDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとの相同性が90%以上であり、前記相補的な塩基配列からなる前記DNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、膵臓ホルモン産生細胞への分化誘導促進作用を持つポリペプチドをコードするDNAを外来遺伝子として組み込んだ細胞の培養上清。

【請求項2】
(A1)TGF-β(トランスフォーミング増殖因子β)スーパーファミリーに属する増殖因子の存在下で多能性幹細胞を培養する工程、
(B1)前記工程(A1)で得られた細胞をFGF(線維芽細胞増殖因子)の存在下で培養する工程、
(C1)前記工程(B1)で得られた細胞をレチノイドの存在下で培養する工程、
(D1)前記工程(C1)で得られた細胞をγ-セクレターゼ阻害剤の存在下で培養する工程、及び
(E1)前記工程(D1)で得られた細胞を、エキセンジン-4、HGF(肝細胞増殖因子)、IGF-1(インスリン様増殖因子-1)、及びニコチンアミドからなる群から選択される少なくとも1種の因子の存在下で培養する工程、を含み、
前記工程(A1)~(E1)の少なくとも1つの工程で前記分化誘導促進剤を培地中に添加する請求項1記載の膵臓ホルモン産生細胞の生産方法。

【請求項3】
(A2)TGF-β(トランスフォーミング増殖因子β)スーパーファミリーに属する増殖因子と、Wnt(ウィングレス型MMTV組み込み部位)ファミリーに属する増殖因子及びGSK-3(グリコーゲン合成酵素キナーゼ-3)阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種の因子との存在下で多能性幹細胞を培養する工程、
(B2)前記工程(A2)で得られた細胞をTGF-βスーパーファミリーに属する増殖因子の存在下で培養する工程、
(C2)前記工程(B2)で得られた細胞をレチノイドの存在下で培養する工程、
(D2)前記工程(C2)で得られた細胞を、cAMP(環状アデノシン一リン酸)増加剤、デキサメタゾン、TGF-β1型受容体阻害剤、及びニコチンアミドからなる群から選択される少なくとも1種の因子の存在下で培養する工程、を含み、
前記工程(A2)~(D2)の少なくとも1つの工程で前記分化誘導促進剤を培地中に添加する請求項1記載の膵臓ホルモン産生細胞の生産方法。

【請求項4】
(A3)TGF-β(トランスフォーミング増殖因子β)スーパーファミリーに属する増殖因子、レチノイド、FGF(線維芽細胞増殖因子)、及びニコチンアミドの非存在下で膵臓組織幹/前駆細胞を培養する工程、
(B3)前記工程(A3)で得られた細胞をTGF-βスーパーファミリーに属する増殖因子の存在下で培養する工程、
(C3)前記工程(B3)で得られた細胞をレチノイドの存在下で培養する工程、
(D3)前記工程(C3)で得られた細胞をFGFの存在下で培養する工程、及び
(E3)前記工程(D3)で得られた細胞をニコチンアミドの存在下で培養する工程
を含み、
前記工程(A3)~(E3)の少なくとも1つの工程で前記分化誘導促進剤を培地中に添加する請求項1記載の膵臓ホルモン産生細胞の生産方法。

【請求項5】
次の(1)~(3)の少なくとも1種を含み、多能性幹細胞又は膵臓組織幹/前駆細胞から膵臓ホルモン産生細胞への分化を誘導する過程で、分化誘導因子による分化効率を高めるための、分化誘導促進剤;
(1)配列番号1に記載の塩基配列からなるDNAによりコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチド、
(2)配列番号1に記載の塩基配列からなるDNAによりコードされるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、膵臓ホルモン産生細胞への分化誘導促進作用を持つポリペプチド、
(3)配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA、又はこのDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとの相同性が90%以上であり、前記相補的な塩基配列からなる前記DNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、膵臓ホルモン産生細胞への分化誘導促進作用を持つポリペプチドをコードするDNAを外来遺伝子として組み込んだ細胞の培養上清。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014516862thum.jpg
出願権利状態 登録


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