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炎症性疾患治療用医薬組成物

国内特許コード P160012775
整理番号 (S2012-0754-N0)
掲載日 2016年2月10日
出願番号 特願2014-516851
出願日 平成25年5月23日(2013.5.23)
国際出願番号 JP2013064384
国際公開番号 WO2013176223
国際出願日 平成25年5月23日(2013.5.23)
国際公開日 平成25年11月28日(2013.11.28)
優先権データ
  • 特願2012-117077 (2012.5.23) JP
発明者
  • 南野 哲男
  • 小室 一成
  • 松崎 高志
  • 奥 直人
  • 浅井 知浩
  • 富 海英
出願人
  • 国立大学法人大阪大学
  • 静岡県公立大学法人
発明の名称 炎症性疾患治療用医薬組成物
発明の概要 FK506、FTY720、シクロスポリンA等の免疫抑制剤封入リポソームを有効成分として含有する医薬組成物は、心筋梗塞、心筋炎、血管炎症候群等の循環器系炎症性疾患の治療に有効であり、免疫抑制剤単独より低用量における作用が増強すると共に、副作用を低減することができる。
従来技術、競合技術の概要


循環器領域における炎症性疾患として、心筋炎、血管炎症候群、心筋梗塞などが挙げられる。心筋炎は心筋を主座とした炎症性疾患である。心筋炎の多くは細菌やウイルスなどの感染によって発症する。病原体として、ウイルス、細菌、リケッチア、クラミジア、スピロヘータ、マイコプラズマ、真菌、原虫、寄生虫などが知られている。これら感染症以外にも、薬物、放射線、熱などの物理刺激、あるいは代謝障害、免疫異常、妊娠なども原因となる。組織学的特徴から、心筋炎はリンパ球性心筋炎、巨細胞性心筋炎、好酸球性心筋炎、肉芽腫性心筋炎に分類される。病因的には、リンパ球性心筋炎はウイルス感染によるものが多く、巨細胞性心筋炎、好酸球性心筋炎、肉芽腫性心筋炎は心毒性物質・薬物アレルギー・自己免疫・全身性疾患などの合併症としてみなされることが多い。発病初期に心筋生検を行えば組織診断に基づいた治療計画を立てることができるが、発病初期には心筋生検が困難である症例や正確な組織診断が難しい症例もある。一方、発症様式により、心筋炎は急性心筋炎と慢性心筋炎に分けられる。急性心筋炎は症状発現日を発症日として特定できる。急性心筋炎の中で発病初期に心肺危機に陥るものを劇症型心筋炎(fulminant myocarditis)と呼ぶ。



多くの急性心筋炎患者ではかぜ様症状(悪寒、発熱、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感)や食思不振、悪心、嘔吐、下痢などの消化器症状が先行する。その後、数時間から数日の経過で心症状が出現する。単なるかぜ症状や消化器症状のあと極めて短期間で心肺危機に陥る劇症型心筋炎の場合、致死的経過を取る場合が多い。しかしながら、未だ劇症型心筋炎に対する有効な治療法はなく、新たな治療法の開発が求められている。血管炎症候群では「血管」の「炎症」のために、多臓器の虚血や出血による症状とともに炎症所見を呈する。



巨細胞性心筋炎は、多数の多核巨細胞が出現する致死的心筋炎であり、劇症型心筋炎の臨床病型をとることが多い。巨細胞性心筋炎の治療法としては、非特許文献1に各種免疫抑制剤の有効性が示されている。また、非特許文献2には、実験的に免疫抑制剤FK506(タクロリムス)劇症型心筋炎に有効であること、非特許文献3には、実験的にFTY720(フィンゴリモド)が劇症型心筋炎に有効であることが報告されている。



血管炎症候群は大動脈を主座とした炎症性疾患である。血管炎症候群の多くは希少性で原因不明の難治性疾患であり、厚生労働省特定疾患として難治性血管炎調査研究班の研究対象疾患になっている。中でも患者数が比較的多く治療が困難な疾患は、治療研究対象疾患として治療費の一部が公費で負担され、認定された患者には医療受給者証が交付される。血管炎症候群に対する治療法としては、非特許文献4に各種免疫抑制剤の有効性が示されており、非特許文献5には血管炎症候群の1つである高安動脈炎でFK506の有効性を示した症例が報告されている。



心筋梗塞は、血栓などにより冠動脈が閉塞し、その支配下の心筋への血流が途絶することにより心筋壊死に至る疾患であり、感染症、喫煙、糖尿病、高血圧などに起因する血管の炎症が原因となることが知られている。また、閉塞した冠動脈を再開通させて血流を回復させると、活性酸素などのフリーラジカルや血管内皮細胞の傷害、好中球の活性化などによる炎症反応が起こり、その結果、心筋に対して新たなダメージを引き起こす結果となることが知られている。非特許文献6には、シクロスポリンAが急性心筋梗塞サイズを縮小することが報告されている。

産業上の利用分野


本発明は、炎症性疾患治療用医薬組成物に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
免疫抑制剤封入リポソームを有効成分として含有する循環器系炎症性疾患治療用医薬組成物。

【請求項2】
循環器系の炎症性疾患が、心筋炎、血管炎症候群、心筋梗塞または慢性心不全である請求項1に記載の医薬組成物。

【請求項3】
免疫抑制剤が、ステロイド製剤、カルシニューリン阻害薬またはスフィンゴシン-1-リン酸受容体調節薬である請求項1または2に記載の医薬組成物。

【請求項4】
免疫抑制剤が、FK506、FTY720またはシクロスポリンAである請求項3に記載の医薬組成物。

【請求項5】
静脈内投与用または皮下投与用である請求項1~4のいずれかに記載の医薬組成物。

【請求項6】
末梢静脈内投与用である請求項5に記載の医薬組成物。

【請求項7】
心筋梗塞を発症しているヒトに対するシクロスポリンA封入リポソームの1回あたりの静脈内投与量が2.0mg/kg体重以下である請求項4に記載の医薬組成物。

【請求項8】
心筋炎を発症しているヒトに対するシクロスポリンA封入リポソームの1回あたりの静脈内投与量が2.0mg/kg体重以下である請求項4に記載の医薬組成物。

【請求項9】
心筋炎を発症しているヒトに対するFK506封入リポソームの1回あたりの静脈内投与量が0.2mg/kg体重以下である請求項4に記載の医薬組成物。

【請求項10】
水難溶性物質とリン脂質と水混和性有機溶媒とを含み、ステロール類を含まない混合物において、水難溶性物質の濃度がリン脂質1.0mgあたり0.05mg以上となるように混合物を調製後加熱し、溶解物を調製する工程と、
前記溶解物に糖水溶液を添加して混合および加熱し、溶解物を調製する工程と、
得られた溶解物を加熱する工程と、
加熱後の溶解物を冷却する工程を含む製造方法により製造され、リポソーム内にリン脂質1.0mgあたり0.05mg以上の水難溶性物質を含むことを特徴とする水難溶性物質封入リポソーム。

【請求項11】
リポソーム内にリン脂質1.0mgあたり0.05mg以上の水難溶性物質を含む水難溶性物質封入リポソームの製造方法であって、
水難溶性物質とリン脂質と水混和性有機溶媒とを含み、ステロール類を含まない混合物において、水難溶性物質の濃度がリン脂質1.0mgあたり0.05mg以上となるように混合物を調製後加熱し、溶解物を調製する工程と、
前記溶解物に糖水溶液を添加して混合および加熱し、溶解物を調製する工程と、
得られた溶解物を加熱する工程と、
加熱後の溶解物を冷却する工程を含むことを特徴とする製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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