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FePt系合金における強磁性-常磁性相変化を利用した磁気記録媒体

国内特許コード P160012819
整理番号 (S2012-0381-N0)
掲載日 2016年3月3日
出願番号 特願2014-521245
出願日 平成25年5月27日(2013.5.27)
国際出願番号 JP2013064634
国際公開番号 WO2013187217
国際出願日 平成25年5月27日(2013.5.27)
国際公開日 平成25年12月19日(2013.12.19)
優先権データ
  • 特願2012-135220 (2012.6.14) JP
発明者
  • 長谷川 崇
  • 石尾 俊二
出願人
  • 国立大学法人秋田大学
発明の名称 FePt系合金における強磁性-常磁性相変化を利用した磁気記録媒体
発明の概要 所定の規則に従って配列された強磁性部及び常磁性部を備えた磁気記録層を備えており、強磁性部は飽和磁化が0.37[Wb/m]以上1.38[Wb/m]以下の強磁性を有する合金を含み、常磁性部は飽和磁化が0[Wb/m]以上0.88[Wb/m]以下の常磁性を有する合金を含み、強磁性部に含まれる合金および常磁性部に含まれる合金は組成が略同一であり、且つ当該組成は下記(1)式又は(2)式で表わされ、強磁性部に含まれる合金はL1規則構造を有し、常磁性部に含まれる合金はA1不規則構造を有する、磁気記録媒体とすることにより、容易に製造でき、且つ記録密度を高めることができる磁気記録媒体を提供する。
(Fe1-x)Pt (1)
(MはMn又はNbである。)
Fe(Pt1-y) (2)
(MはRu、Rh、Os、又はIrのいずれかである。)
従来技術、競合技術の概要


磁気記録装置であるハードディスクドライブは、データを記録可能な磁気記録媒体として円盤状のハードディスクを備えている。また、ハードディスクドライブはハードディスクを高速回転させる回転軸やモーターなどの駆動装置も備えている。この駆動装置によってハードディスクを高速回転させ、そのハードディスク上で磁気ヘッドを移動させることにより、ハードディスクに備えられた磁気記録層に情報を記録したり、磁気記録層から情報を読み出したりすることができる。



上記のような磁気記録媒体の記憶容量を増大させるには、磁気記録層の面記録密度を高くすることが考えられる。また、磁気記録層の面記録密度を向上させるには、磁気記録層に備えられた記録ビットを微細化することが考えられる。しかしながら、記録ビットの微細化を進めると、熱エネルギーにより記録ビットを構成する強磁性体の磁化方向が変化し、記録ビットに記録されていた情報が失われてしまう、いわゆる「熱揺らぎ」が問題となる。このような熱揺らぎの影響を抑えるには、熱揺らぎに強い特性を有する材料、すなわち垂直磁気異方性が高い強磁性体材料で記録ビットを構成することが考えられる。



面記録密度が数テラビット/平方インチの超高密度磁気記録媒体を実現可能な材料としては、L1規則構造を有するFePt合金が期待されている。L1規則構造を有するFePt合金は熱揺らぎに強い特性を有することから、これを用いて記録ビットを構成した超高密度磁気記録媒体の実現が期待されている。なお、「L1規則構造」とは、fct構造で二種の原子が交互に積層し、且つ該二種の原子の組成比が1:1である構造である。



L1規則構造を有するFePt合金による薄膜の作製方法としては、例えば、下記非特許文献1に記載されたものがある。非特許文献1に記載された技術によれば、FePt合金の薄膜にSiOを所定量添加して急速加熱することにより、高[001]配向性と高L1規則度とを有するFePt合金薄膜を得られる。



また、FePt合金のFe又はPtの一部を他の元素に置換したFePt系合金(FePt合金、及び、FePt合金のFe又はPtの一部を他の元素に置換した合金を「FePt系合金」という。以下同じ。)についての研究も進められている。下記非特許文献2、3には、FePt合金のFe原子サイトをMnで置換したFeMnPt合金のバルクに関する技術が記載されており、下記非特許文献4にはFeMnPt合金の多結晶薄膜に関する技術が記載されている。



一方、超高密度磁気記録媒体を実現するための記録方式としては、ビットパターンドメディア(以下、「BPM」と略記する場合がある。)が注目されている。BPMとは、ナノスケールの強磁性体(ドット)が非磁性体中に所定の規則に従って2次元的に配置された構造を有する磁気記録媒体である。



このようなBPMの作製方法としては、いわゆるトップダウン方式が一般的である。すなわち、まず基板上に強磁性体の薄膜を形成し、該薄膜上にマスクを配置して非磁性体を配置させる予定の部分のみ該薄膜をミリングし、マスクを除去してからミリングした箇所に非磁性体を成膜して埋め戻し、その後表面を研磨する方法である。この方法では、ミリングや表面研磨によって強磁性体が受けたダメージを回復する必要があるため、最終的に熱処理を行う必要がある。



また、BPMの他の作製方法としては、下記特許文献1に記載されているように、強磁性体又は反強磁性体のいずれか一方によって基板上に薄膜を形成した後、イオン打ち込みや添加元素の拡散によって組成調整することにより、形成された薄膜の所定の領域を強磁性体又は反強磁性体の他方に改質する方法も考えられる。なお、磁性体を改質させる方法としては、下記非特許文献5、6に記載されているように、イオンを照射することによって結晶構造を変化させる方法もある。イオン照射によるBPM作製の試みについては下記非特許文献7~10に記載されている(非特許文献7はCo/Pd多層膜、非特許文献8はCrPt規則合金薄膜、非特許文献9はMnBiCu薄膜、非特許文献10はMnAl薄膜について記載されている。)。

産業上の利用分野


本発明は、強磁性体と非磁性体とが所定の規則によって配列された磁気記録層を有する磁気記録媒体、該磁気記録媒体の製造方法、及び該磁気記録媒体を備えた磁気記録装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基材層、及び該基材層上に形成された磁気記録層を有し、
前記磁気記録層は所定の規則に従って配列された強磁性部及び常磁性部を備えており、
前記強磁性部は、飽和磁化が0.37[Wb/m]以上1.38[Wb/m]以下の強磁性を有する合金を含んでおり、
前記常磁性部は、飽和磁化が0[Wb/m]以上0.88[Wb/m]以下の常磁性を有する合金を含んでおり、
前記強磁性部に含まれる前記合金の飽和磁化と、前記常磁性部に含まれる前記合金の飽和磁化との差が0.10[Wb/m]以上であり、
前記強磁性部に含まれる前記合金、及び前記常磁性部に含まれる前記合金は、組成が略同一であり、且つ当該組成は下記(1)式又は(2)式で表わされ、
前記強磁性部に含まれる前記合金はL1規則構造を有し、前記常磁性部に含まれる前記合金はA1不規則構造を有する、磁気記録媒体。
(Fe1-x)Pt (1)
(ただし、上記(1)式において、MはMn又はNbであり、xは、L1規則構造での飽和磁化が0.37[Wb/m]以上1.38[Wb/m]以下となり、A1不規則構造での飽和磁化が0[Wb/m]以上0.88[Wb/m]以下となり、両者の飽和磁化の差が0.10[Wb/m]以上となる値である。)
Fe(Pt1-y) (2)
(ただし、上記(2)式において、MはRu、Rh、Os、又はIrのいずれかであり、yは、L1規則構造での飽和磁化が0.37[Wb/m]以上1.38[Wb/m]以下となり、A1不規則構造での飽和磁化が0[Wb/m]以上0.88[Wb/m]以下となり、両者の飽和磁化の差が0.10[Wb/m]以上となる値である。)

【請求項2】
前記強磁性部に含まれる前記合金、及び前記常磁性部に含まれる前記合金の組成が(Fe1-xMn)Ptであり、0.3<x<0.54である、請求項1に記載の磁気記録媒体。

【請求項3】
前記磁気記録層が金属酸化物を含む、請求項1または2に記載の磁気記録媒体。

【請求項4】
前記強磁性部に含まれる前記合金を構成する結晶の(001)面が、前記磁気記録層の表面に対して平行であり、[001]方向が、前記磁気記録層の表面に対して垂直方向に向いている、請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気記録媒体。

【請求項5】
基材層、及び該基材層上に形成された磁気記録層を有し、該磁気記録層が、所定の規則に従って配列された強磁性部及び常磁性部を備えた磁気記録媒体の製造方法であって、
前記基材層上に、L1規則構造を有するとともに組成が下記(1)式又は(2)式で表わされ、且つ飽和磁化が0.37[Wb/m]以上1.38[Wb/m]以下の強磁性を有する合金を含む薄膜を形成する、薄膜形成工程と、
前記薄膜の一部に任意のイオンを照射することによって、前記L1規則構造をA1不規則構造へと変態させるとともに飽和磁化を0[Wb/m]以上0.88[Wb/m]以下にするイオン照射工程と、を有し、
前記薄膜形成工程で形成された薄膜のうち、前記イオン照射工程でイオンを照射された部分が前記常磁性部となり、前記イオンを照射されない部分が前記強磁性部となる、磁気記録媒体の製造方法。
(Fe1-x)Pt (1)
(ただし、上記(1)式において、MはMn又はNbであり、xは、L1規則構造での飽和磁化が0.37[Wb/m]以上1.38[Wb/m]以下となり、A1不規則構造での飽和磁化が0[Wb/m]以上0.88[Wb/m]以下となり、両者の飽和磁化の差が0.10[Wb/m]以上となる値である。)
Fe(Pt1-y) (2)
(ただし、上記(2)式において、MはRu、Rh、Os、又はIrのいずれかであり、yは、L1規則構造での飽和磁化が0.37[Wb/m]以上1.38[Wb/m]以下となり、A1不規則構造での飽和磁化が0[Wb/m]以上0.88[Wb/m]以下となり、両者の飽和磁化の差が0.10[Wb/m]以上となる値である。)

【請求項6】
前記薄膜形成工程で形成する薄膜に含まれる前記合金の組成が(Fe1-xMn)Ptであり、0.3<x<0.54である、請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方法。

【請求項7】
前記イオン照射工程において用いる前記イオンがMnイオンであり、該Mnイオンの照射量が前記常磁性部となる部分の0.10at%以上2.0at%以下である、請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法。

【請求項8】
前記薄膜形成工程が、前記(1)式又は(2)式で表わされる組成の合金と、金属酸化物と、を含む薄膜を形成した後、該薄膜を加熱する工程を含む、請求項5乃至7のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。

【請求項9】
請求項1乃至4のいずれかに記載された磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を回転させる回転軸及びモーターと、前記磁気記録層に対して情報を記録する、及び/又は前記磁気記録層から情報を読み出す、磁気ヘッドと、を備える、磁気記録装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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