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脊髄におけるシナプス形成ニューロンを誘導する中枢神経系前駆細胞 コモンズ 実績あり

国内特許コード P02P000485
整理番号 A011P35
掲載日 2007年12月28日
出願番号 特願2001-093881
公開番号 特開2002-281962
登録番号 特許第3763749号
出願日 平成13年3月28日(2001.3.28)
公開日 平成14年10月2日(2002.10.2)
登録日 平成18年1月27日(2006.1.27)
発明者
  • 岡野 栄之
  • 小川 祐人
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 脊髄におけるシナプス形成ニューロンを誘導する中枢神経系前駆細胞 コモンズ 実績あり
発明の概要 【課題】 損傷又は機能が失われた脊髄に移植することにより、シナプス形成能を有するニューロン、オリゴデンドロサイト、アストロサイト等を誘導することができる中枢神経系前駆細胞や、その調製方法や、かかる中枢神経系前駆細胞等を用いた、シナプス形成促進・抑制物質のスクリーニング方法又は神経損傷若しくは神経機能改善治療薬等を提供すること。
【解決手段】 サイトカインの存在下に培養した脊髄由来の神経幹細胞からなる中枢神経系神経前駆細胞を脊髄損傷後一定期間をおいた後に損傷部に移植する。これにより、損傷部にシナプス形成能を有するニューロン、オリゴデンドロサイト、アストロサイトを誘導することができ、誘導されたニューロンとホストのニューロンとの間にシナプス形成が生じさせ、障害脊髄機能の改善を図る。
従来技術、競合技術の概要


脊髄損傷は外傷により脊髄組織が損傷され、脊髄機能が障害される疾患である。この疾患に対する治療法は現在のところ、外傷を受けた直後に生じる化学的な二次的損傷を最小限とどめることを目的としたステロイド大量投与療法と、残存機能を最大限に活用することを目的としたリハビリテーション療法や筋移行術等の手術療法などが行われている。ステロイド剤の中ではメチルプレドニゾロンの大量投与が脊髄損傷に伴う神経症状の改善に有効であると報告されている(J.Spinal Disord. 5(1), 125-131, 1992)が、ステロイド剤の大量投与は全身的副作用も強く発現し、コントロールが難しいことに加えて、感染症を伴う脊髄損傷では感染防御機能低下をきたすという問題点がある。また、さらに現在ステロイド大量投与療法の有効性についてさえ議論されている。現在、脊髄損傷に対する治療法は、急性期の組織傷害を最小限にとどめるための治療法と残存機能を最大限に活用する治療法が行われているが、傷害により失われたニューロンの再生や断列した軸索の再伸長を認めない成人脊髄においては、損傷脊髄の再生を目的とした治療法は未だ確立されていない。



その他、脊髄損傷の治療方法として報告されているものは、インビトロで炎症関連サイトカインにより前処理された神経膠星状細胞を中枢神経系(CNS)中の損傷部位に、治療上有効な量を移植する方法(特表2000-503983号公報)や、同種の単核貪食細胞(単球、マクロファージ等)を、損傷または疾患部位に、あるいはその近傍の中枢神経系(CNS)に投与することにより、哺乳動物CNSにおける神経軸索再生を促進する方法(J. Mol. Med. 77, 713-717, 1999、J. Neurosci. 19(5), 1708-16, 1999、Neurosurgery 44(5), 1041-5, 1999、Trends. Neurosci 22(7), 295-9, 1999)(特表平11-513370号公報)などがある。また、明確な機序は不明であるが、spinal cord homogenateによるvaccinationや髄鞘蛋白質であるmyelin basic proteinに特異的なT細胞を投与することにより、脊髄損傷後の運動維持の回復を促進させたという報告もなされている(Neuron 24, 639-647, 1999、Lancet 354, 286-287, 2000)。



一方、培養細胞を用いた脊髄損傷に対する移植実験としては、マウスES細胞より分化させた中枢神経系前駆細胞(CNS-NPC)を脊髄損傷モデルラットに移植し機能改善が得られたとの報告がある(Nat. Med. 5, 1410-1412, 1999)。しかし、この方法はES細胞を用いている点で倫理的な問題があり、またCNS-NPCへのES細胞からの分化誘導についても未だ充分には確立されているとはいえず移植部位での奇形種の発生が危惧されている。また、脊髄再生を目的とし胎児脊髄を移植する実験はラットや猫の脊髄損傷モデルを用いて行われており、移植による損傷脊髄機能の改善が報告されている(J. Neurosci. 18, 763-778, 1998、Brain Pathol. 5, 451-457, 1995他)が、臨床応用へは至ってはいない。この原因の一つとして、一度の移植に対し複数の胎児からの脊髄が必要となるためにドナーとなる胎児脊髄の確保が困難であることが挙げられる。

産業上の利用分野


本発明は、脊髄内で、シナプス形成能を有するニューロン等を誘導することができる中枢神経系前駆細胞(CNS-NPC)や、かかる中枢神経系前駆細胞の調製方法や、かかる中枢神経系前駆細胞等を用いたシナプス形成促進物質又は抑制物質のスクリーニング方法などに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヒト胎児の脊髄組織から得られた細胞をFGF-2、EGF及び白血病阻害因子を添加した培地中で浮遊培養することにより得られるニューロスフィアに由来する中枢神経系前駆細胞であって、かつ、脊髄内で、シナプス形成能を有するニューロンを誘導することができる中枢神経系前駆細胞。

【請求項2】
ヒト胎児の脊髄組織から得られた細胞をFGF-2、EGF及び白血病阻害因子を添加した培地中で浮遊培養することにより得られるニューロスフィアに由来する中枢神経系前駆細胞であって、かつ、脊髄内で、シナプス形成能を有するニューロンの他に、オリゴデンドロサイト及び/又はアストロサイトを誘導することができる中枢神経系前駆細胞。

【請求項3】
脊髄が、損傷脊髄であることを特徴とする請求項1又は2記載の中枢神経系前駆細胞。

【請求項4】
脊髄が、ヒト脊髄であることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載の中枢神経系前駆細胞。

【請求項5】
ヒト胎児の脊髄組織から得られた細胞をFGF-2、EGF及び白血病阻害因子を添加した培地中で浮遊培養することによりニューロスフィアを得ることを特徴とする、脊髄内で、シナプス形成能を有するニューロンを誘導することができる中枢神経系前駆細胞の調製方法。

【請求項6】
ヒト胎児の脊髄組織から得られた細胞をFGF-2、EGF及び白血病阻害因子を添加した培地中で浮遊培養することによりニューロスフィアを得ることを特徴とする、脊髄内で、シナプス形成能を有するニューロンの他に、オリゴデンドロサイト及び/又はアストロサイトを誘導することができる中枢神経系前駆細胞の調製方法。

【請求項7】
損傷脊髄内で誘導することができる請求項5又は6記載の中枢神経系前駆細胞の調製方法。

【請求項8】
ヒト脊髄内で誘導することができる請求項5~7のいずれか記載の中枢神経系前駆細胞の調製方法。

【請求項9】
少なくとも脊髄内で、請求項1~4のいずれか記載の中枢神経系前駆細胞又は該細胞から誘導されるニューロンと、被検物質とを接触させ、前記中枢神経系前駆細胞から誘導されたニューロンにおけるシナプス形成の程度を評価することを特徴とするシナプス形成促進物質又は抑制物質のスクリーニング方法

【請求項10】
請求項1~4のいずれか記載の中枢神経系前駆細胞を有効成分とすることを特徴とする神経損傷又は神経機能改善治療薬

【請求項11】
脊髄内に導入して用いることを特徴とする、請求項10に記載の神経損傷又は神経機能改善治療薬

【請求項12】
請求項1~4のいずれか記載の中枢神経系前駆細胞を脊髄に移植して用いることを特徴とする、請求項10に記載の神経損傷又は神経機能改善治療薬

【請求項13】
請求項1~4のいずれか記載の中枢神経系前駆細胞を有効成分とすることを特徴とする、ニューロン、オリゴデンドロサイト又はアストロサイトのいずれかの脊髄内誘導剤
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 脳を知る(脳の機能 東京) 領域
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