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強酸性ジルコニウム粒子の製造方法、プロトン伝導性材料、プロトン伝導性膜の製造方法、プロトン伝導性膜、燃料電池用電極、膜-電極接合体、燃料電池 UPDATE 新技術説明会

国内特許コード P160012833
掲載日 2016年3月10日
出願番号 特願2011-526695
登録番号 特許第5645166号
出願日 平成22年3月25日(2010.3.25)
登録日 平成26年11月14日(2014.11.14)
国際出願番号 JP2010055242
国際公開番号 WO2011018908
国際出願日 平成22年3月25日(2010.3.25)
国際公開日 平成23年2月17日(2011.2.17)
優先権データ
  • PCT/JP2010/052852 (2010.2.24) JP
  • 特願2009-187729 (2009.8.13) JP
  • 特願2009-272239 (2009.11.30) JP
発明者
  • 山口 猛央
  • 菊地 佑磨
  • 李 柱明
  • 大橋 秀伯
  • 田巻 孝敬
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 強酸性ジルコニウム粒子の製造方法、プロトン伝導性材料、プロトン伝導性膜の製造方法、プロトン伝導性膜、燃料電池用電極、膜-電極接合体、燃料電池 UPDATE 新技術説明会
発明の概要 ジルコニウムアルコキシドと、キレート剤としてのジルコニウムブトキシドと、触媒としての硝酸を溶媒であるイソプロピルアルコール中で反応させて得られる強酸性ジルコニウム粒子の前駆体としてのジルコニウムナノ粒子に、スルホフェニルホスホン酸又は硫酸を加えて反応させることにより、プロトン伝導性材料として高性能な材料であって触媒活性の高いスルホフェニルホスホン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、又は、硫酸ジルコニアを低温で製造することが可能となる。
従来技術、競合技術の概要


固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)は出力密度が高く、自動車への応用が期待されている。固体高分子形燃料電池は、自動車用として用いられる場合、-30℃での起動及び常温から120℃までの幅広い温度領域、及び、相対湿度20%から100%までの湿度領域でプロトン伝導を発現させる必要がある。例えば、プロトン伝導性材料として、スルホン酸基をもつフッ素系ポリマー(Nafion(登録商標)等)が用いられているが、高温、低湿度でプロトン伝導性が不足しており、代替材料の新規開発が求められている。しかし、固体高分子形燃料電池用のプロトン伝導性材料は、単独素材だけで開発するのは難しく、有機無機複合材料での開発が望ましい。ここで、有機無機複合材料とは、ポリマーと無機系材料との複合材料のことをいう。
有機無機複合材料を構成する無機系材料の候補として、スルホフェニルホスホン酸ジルコニウム(Zirconium sulphophenyl phosphonic acid (以下、ZrSPPとする。))、及び、硫酸ジルコニウム(以下、Zr(SOという。)や硫酸ジルコニア(以下、SZrOという。)等の硫酸ジルコニウム化合物が挙げられる。これらの材料は、ハメットの酸性度数Hが、Zr(SOについてはH=-13、ZrSPPについてはH=-5、SZrOについてはH=-16であり、酸性が強く、高いプロトン供給能力を有すると考えられるため、PEFC用の触媒、プロトン伝導性材料として利用できると考えられる。
ZrSPPは、ジルコニウム化合物であるZrClOを出発原料として、SPP(m-sulphophenyl phosphonic acid)とリン酸とを還流することで得られる(非特許文献1を参照)。また、SZrOは、ZrOCl・8HOをNH水溶液(pH=10)に入れてZrO・nHOとし、このZrO・nHOに硫酸を加えて焼成することで得られる(非特許文献2を参照)。
しかしながら、プロトン伝導性材料としてZrSPPや硫酸ジルコニウム化合物を用いる場合には、プロトン伝導性材料としての性能の向上等の観点から、有機無機複合材料を作ることが望ましい。従来の製造方法は、製造過程において有機無機複合材料を構成するポリマーの耐熱温度を超える高温で処理する必要がある。例えば、ZrSPPは、200℃以上の高温で処理する必要があり、SZrOは、520℃以上の高温で処理する必要がある。その結果、ZrSPP及び硫酸ジルコニウム化合物は、凝集して大きな粒子となってしまうため、プロトン伝導性材料としての性能を持続させるのが難しく、有機無機複合材料を構成する無機系材料として用いるには適当ではなかった。

産業上の利用分野


本発明は、プロトン伝導性材料として高性能な材料であって触媒活性の高い強酸性ジルコニウム粒子の製造方法及びこの製造方法により得られた強酸性ジルコニウム粒子を用いたプロトン伝導性材料、高性能なプロトン伝導性膜の製造方法、この製造方法により得られたプロトン伝導性膜、燃料電池用電極、膜-電極接合体及び燃料電池に関する。
本出願は、日本国において2009年8月13日に出願された日本特許出願番号2009-187729、日本国において2009年11月30日に出願された日本特許出願番号2009-272239及び2010年2月24日に出願された国際特許出願第PCT/JP2010/52852号を基礎として優先権を主張するものであり、これらの出願を参照することにより、本出願に援用される。

特許請求の範囲 【請求項1】
ジルコニウムアルコキシドとキレート剤と触媒とを溶媒中で反応させて得られるジルコニウムナノ粒子に、スルホフェニルホスホン酸を加えて反応させることで強酸性ジルコニウム粒子を得る強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項2】
上記ジルコニウムアルコキシドが、ジルコニウムブトキシドである請求項1記載の強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項3】
上記キレート剤が、アセチルアセトンである請求項1又は請求項2記載の強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項4】
上記溶媒が、イソプロピルアルコールである請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項5】
上記ジルコニウムナノ粒子は、動的光散乱法により測定した体積平均粒径が2nmである請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項6】
プロトン伝導性ポリマーを、第1の極性有機溶媒に溶解してポリマー溶液を得るポリマー溶液調製工程と、
第2の極性有機溶媒に、ジルコニウムアルコキシドとキレート剤と触媒とを溶媒中で反応させて得られるジルコニウムナノ粒子を分散させて、ジルコニウムナノ粒子分散体を得る第1の分散工程と、
上記ポリマー溶液を上記ジルコニウムナノ粒子分散体に注いで、上記極性有機溶媒と、プロトン伝導性ポリマー及び上記ジルコニウムナノ粒子を有するプロトン伝導性複合材料との分散体を得る第2の分散工程と、
上記第2の分散工程で得られた分散体から、上記第1の極性有機溶媒及び上記第2の極性有機溶媒を除去して上記プロトン伝導性複合材料を得るプロトン伝導性複合材料調製工程と、
上記プロトン伝導性複合材料調製工程で得たプロトン伝導性複合材料に、スルホフェニルホスホン酸を加えて反応させることで強酸性ジルコニウム粒子を得る反応工程と
を有する強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項7】
請求項6記載の強酸性ジルコニウム粒子の製造方法により得られた強酸性ジルコニウム粒子を用いたプロトン伝導性材料。

【請求項8】
請求項7記載のプロトン伝導性材料を含む触媒層を有する燃料電池用電極。

【請求項9】
プロトン伝導性ポリマーを、第1の極性有機溶媒に溶解してポリマー溶液を得るポリマー溶液調製工程と、
第2の極性有機溶媒に、ジルコニウムアルコキシドとキレート剤と触媒とを溶媒中で反応させて得られるジルコニウムナノ粒子を分散させて、ジルコニウムナノ粒子分散体を得る第1の分散工程と、
上記ポリマー溶液と上記ジルコニウムナノ粒子分散体とを混合して、上記極性有機溶媒と、プロトン伝導性ポリマー及び上記ジルコニウムナノ粒子を有するプロトン伝導性複合材料との複合材料分散体を得る第2の分散工程と、
上記第2の分散工程で得られた複合材料分散体を多孔性ポリマー基材の孔に含浸する含浸工程と、
上記複合材料分散体が含浸された多孔性ポリマー基材とスルホフェニルホスホン酸とを反応させることで、上記多孔性ポリマー基材に、上記ジルコニウムナノ粒子と上記スルホフェニルホスホン酸とから生成された強酸性ジルコニウム化合物と、上記プロトン伝導性ポリマーとが固定されたプロトン伝導性膜を得る反応工程と
を有するプロトン伝導性膜の製造方法。

【請求項10】
請求項9記載のプロトン伝導性膜の製造方法により得られたプロトン伝導性膜。

【請求項11】
請求項7記載のプロトン伝導性材料を含む触媒層を有する電極と、請求項10記載のプロトン伝導性膜とを用いた膜-電極接合体。

【請求項12】
請求項11記載の膜-電極接合体を用いた燃料電池。

【請求項13】
ジルコニウムアルコキシドとキレート剤と触媒とを溶媒中で反応させて得られるジルコニウムナノ粒子に、硫酸を加えて反応させることで強酸性ジルコニウム粒子を得る強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項14】
上記ジルコニウムアルコキシドが、ジルコニウムブトキシドである請求項13記載の強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項15】
上記キレート剤が、アセチルアセトンである請求項13又は14記載の強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項16】
上記溶媒が、イソプロピルアルコールである請求項13乃至15のうちいずれか1項記載の強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項17】
上記ジルコニウムナノ粒子は、動的光散乱法により測定した体積平均粒径が2nmである請求項13乃至16のうちいずれか1項記載の強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項18】
プロトン伝導性ポリマーを、第1の極性有機溶媒に溶解してポリマー溶液を得るポリマー溶液調製工程と、
第2の極性有機溶媒に、ジルコニウムアルコキシドとキレート剤と触媒とを溶媒中で反応させて得られるジルコニウムナノ粒子を分散させて、ジルコニウムナノ粒子分散体を得る第1の分散工程と、
上記ポリマー溶液を上記ジルコニウムナノ粒子分散体に注いで、上記極性有機溶媒と、プロトン伝導性ポリマー及び上記ジルコニウムナノ粒子を有するプロトン伝導性複合材料との分散体を得る第2の分散工程と、
上記第2の分散工程で得られた分散体から、上記第1の極性有機溶媒及び上記第2の極性有機溶媒を除去して上記プロトン伝導性複合材料を得るプロトン伝導性複合材料調製工程と、
上記プロトン伝導性複合材料調製工程で得たプロトン伝導性複合材料に、硫酸を加えて反応させることで強酸性ジルコニウム粒子を得る反応工程と
を有する強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項19】
請求項18記載の強酸性ジルコニウム粒子の製造方法により得られた強酸性ジルコニウム粒子を用いたプロトン伝導性材料。

【請求項20】
請求項19記載のプロトン伝導性材料を含む触媒層を有する燃料電池用電極。

【請求項21】
プロトン伝導性ポリマーを、第1の極性有機溶媒に溶解してポリマー溶液を得るポリマー溶液調製工程と、
第2の極性有機溶媒に、ジルコニウムアルコキシドとキレート剤と触媒とを溶媒中で反応させて得られるジルコニウムナノ粒子を分散させて、ジルコニウムナノ粒子分散体を得る第1の分散工程と、
上記ポリマー溶液と上記ジルコニウムナノ粒子分散体とを混合して、上記極性有機溶媒と、プロトン伝導性ポリマー及び上記ジルコニウムナノ粒子を有するプロトン伝導性複合材料との複合材料分散体を得る第2の分散工程と、
上記第2の分散工程で得られた複合材料分散体を多孔性ポリマー基材の孔に含浸する含浸工程と、
上記複合材料分散体が含浸された多孔性ポリマー基材と硫酸とを反応させることで、上記多孔性ポリマー基材に、上記ジルコニウムナノ粒子と上記硫酸とから生成された強酸性ジルコニウム化合物と、上記プロトン伝導性ポリマーとが固定されたプロトン伝導性膜を得る反応工程と
を有するプロトン伝導性膜の製造方法。

【請求項22】
請求項21記載のプロトン伝導性膜の製造方法により得られたプロトン伝導性膜。

【請求項23】
請求項19記載のプロトン伝導性材料を含む触媒層を有する電極と、請求項22記載のプロトン伝導性膜とを用いた膜-電極接合体。

【請求項24】
請求項23記載の膜-電極接合体を用いた燃料電池。

【請求項25】
ジルコニウムアルコキシドとキレート剤と触媒とを溶媒中で反応させて得られるジルコニウムナノ粒子に、アルカリによりpH調整した硫酸溶液を反応させることで強酸性ジルコニウム粒子を得る強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項26】
プロトン伝導性ポリマーを、第1の極性有機溶媒に溶解してポリマー溶液を得るポリマー溶液調製工程と、
第2の極性有機溶媒に、ジルコニウムアルコキシドとキレート剤と触媒とを溶媒中で反応させて得られるジルコニウムナノ粒子を分散させて、ジルコニウムナノ粒子分散体を得る第1の分散工程と、
上記ポリマー溶液を上記ジルコニウムナノ粒子分散体に注いで、上記極性有機溶媒と、プロトン伝導性ポリマー及び上記ジルコニウムナノ粒子を有するプロトン伝導性複合材料との分散体を得る第2の分散工程と、
上記第2の分散工程で得られた分散体から、上記第1の極性有機溶媒及び上記第2の極性有機溶媒を除去して上記プロトン伝導性複合材料を得るプロトン伝導性複合材料調製工程と、
上記プロトン伝導性複合材料調製工程で得たプロトン伝導性複合材料に、アルカリによりpH調整した硫酸溶液を加えて反応させることで強酸性ジルコニウム粒子を得る反応工程と
を有する強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。

【請求項27】
請求項26記載の強酸性ジルコニウム粒子の製造方法により得られた強酸性ジルコニウム粒子を用いたプロトン伝導性材料。

【請求項28】
請求項27記載のプロトン伝導性材料を含む触媒層を有する燃料電池用電極。

【請求項29】
プロトン伝導性ポリマーを、第1の極性有機溶媒に溶解してポリマー溶液を得るポリマー溶液調製工程と、
第2の極性有機溶媒に、ジルコニウムアルコキシドとキレート剤と触媒とを溶媒中で反応させて得られるジルコニウムナノ粒子を分散させて、ジルコニウムナノ粒子分散体を得る第1の分散工程と、
上記ポリマー溶液と上記ジルコニウムナノ粒子分散体とを混合して、上記極性有機溶媒と、プロトン伝導性ポリマー及び上記ジルコニウムナノ粒子を有するプロトン伝導性複合材料との複合材料分散体を得る第2の分散工程と、
上記第2の分散工程で得られた複合材料分散体を多孔性ポリマー基材の孔に含浸する含浸工程と、
上記複合材料分散体が含浸された多孔性ポリマー基材とアルカリによりpH調整した硫酸溶液とを反応させることで、上記多孔性ポリマー基材に、上記ジルコニウムナノ粒子と上記アルカリによりpH調整した硫酸溶液とから生成された強酸性ジルコニウム化合物と、上記プロトン伝導性ポリマーとが固定されたプロトン伝導性膜を得る反応工程と
を有するプロトン伝導性膜の製造方法。

【請求項30】
請求項29記載のプロトン伝導性膜の製造方法により得られたプロトン伝導性膜。

【請求項31】
請求項27記載のプロトン伝導性材料を含む触媒層を有する電極と請求項30項記載のプロトン伝導性膜とを用いた膜-電極接合体。

【請求項32】
請求項31記載の膜-電極接合体を用いた燃料電池。

【請求項33】
ジルコニウムアルコキシドとキレート剤と触媒とを溶媒中で反応させて得られるジルコニウムナノ粒子に、スルホン酸を加えて反応させることで強酸性ジルコニウム粒子を得る強酸性ジルコニウム粒子の製造方法。
国際特許分類(IPC)
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