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インフルエンザウイルスのヘマグルチニンに対する抗体酵素

国内特許コード P160012834
掲載日 2016年3月10日
出願番号 特願2005-174161
公開番号 特開2006-347922
登録番号 特許第4758148号
出願日 平成17年6月14日(2005.6.14)
公開日 平成18年12月28日(2006.12.28)
登録日 平成23年6月10日(2011.6.10)
発明者
  • 宇田 泰三
  • 一二三 恵美
  • 高尾 信一
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 インフルエンザウイルスのヘマグルチニンに対する抗体酵素
発明の概要 【課題】 インフルエンザウイルスの連続変異や不連続変異に関わらず、表面糖蛋白ヘマグルチニンを認識するとともに、該ヘマグルチニンを切断および/または分解することができる抗体酵素を提供する。
【解決手段】 ヘマグルチニンHA1の高度保存領域に存在するアミノ酸配列、および/またはヘマグルチニンHA2の高度保存領域に存在するアミノ酸配列を含む抗原ペプチドを抗原として作製された抗体またはその断片は、表面糖蛋白ヘマグルチニンを認識するとともに、該ヘマグルチニンを切断および/または分解することができる抗体酵素である。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


インフルエンザウイルスはコア蛋白質(核蛋白(NP蛋白)および膜蛋白(M1蛋白))の抗原性に基づき分類される。1940年にインフルエンザウイルスではあるが、それまでのウイルスとは抗原的に全く異なったウイルスが分離され、それまでのウイルスをA型とし、新しいウイルスをB型とした。以後さらに新しいウイルスが分類された場合には、C、D、E・・・型とすることになった。1949年にTaylorによってC型インフルエンザウイルスが発見され、現在では、インフルエンザA、BおよびCの3つの型があることが明らかになっている。



A型インフルエンザウイルスは、さらに、ウイルス粒子の2種類の表面糖蛋白であるヘマグルチニン(Hemagglutinin(HA)、以下、適宜HAと略記する。)とノイラミニダーゼ(Neuraminidase(NA)、以下、適宜NAと略記する。)との抗原性に基づいて、HAでH1~H15、NAでN1~N9の亜型に分類される。HAは、ヒト等の細胞に吸着・侵入する際に細胞表面にあるシアル酸と結合して、インフルエンザウイルス粒子が細胞内に取り込まれるときの重要な役割を果たしている。一方、NAは、ウイルス粒子が感染後期に細胞表面から離れる際にシアル酸を切断する働きを有し、感染性を獲得するのに役だっている。HAについては、1993年以降ヒトで3種類、ブタで2種類、ウマで2種類、水禽で15種類の亜型が同定されてきた。B型インフルエンザウイルスはA型インフルエンザウイルスと同様の表面糖蛋白を持つが1つの亜型しかない。また、C型インフルエンザウイルスはヘマグルチニンエステラーゼ(HE)のみを持っている。B型インフルエンザウイルスはヒトのみに、C型インフルエンザウイルスはヒトとブタのみに流行してきた。



A型インフルエンザおよびB型インフルエンザのウイルスは、規模に大小はあるが、ほとんど毎年流行をくり返している。その抗原構造は多少とも異なっており、この抗原構造のずれが流行の原因になっている。抗原変異は、ウイルス粒子の表面蛋白質であるヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)でみられ、不連続変異(antigenic shift)と連続変異(antigenic drift)の2種類がある。不連続変異とは、2種類の異なった系統によって感染した細胞が、RNAゲノム成分の各種組換えによって新しい血清型を突如出現する機構のことをいい、A型インフルエンザウイルスのみでみられる。不連続変異はしばしば大流行の原因となっている。これまでにヒトでは1918年にスペイン風邪(H1N1)、1957年にアジア風邪(H2N2)、1968年にホンコン風邪(H3N2)、1977年にロシア風邪(H1N1)と世界的に大流行を繰り返している。連続変異とは、A、B、C型インフルエンザウイルスに観測されているもので、ゲノムRNA分節の交換ではなく、同じゲノムを維持しているが、HA、NA遺伝子の突然変異の結果起こる機構である。A型ウイルスの起源は単一であり、そこから不連続変異、連続変異により新型ウイルスが発生・流行し、他の株にとって代わるという単一系統様式を示す。ところがC型ウイルスはいろいろなウイルス株が同時に流行すると言う多系統様式を示す。B型はA型とC型の中間の様式を示す。



このような、ヘマグルチニン(HA)やノイラミニダーゼ(NA)の変異のため、現在使われているHAワクチンでは、抗原型に適合したワクチンの生産が難しく、予防効果が問題となっている。



かかる問題を解決する技術として、HA分子のサブタイプに共通で、抗原変異の生じ難い抗原部位を認識する抗体についての報告がなされている(例えば、特許文献1等参照。)。特許文献1では、インフルエンザウイルスH1N1やH2N2を抗原として作製された抗体であって、ヘマグルチニン分子中のポリペプチド配列TGLRNとGITNKVNSVIEKとを認識する抗体が開示されている。
【特許文献1】
特開平6-100594号公報(平成6年4月12日公開)

産業上の利用分野


本発明は、インフルエンザウイルスのヘマグルチニンに対する抗体酵素に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヘマグルチニンを有するインフルエンザウイルスに対する抗体の重鎖からなる抗体酵素の断片であって、
ヘマグルチニンを認識し、且つ、当該ヘマグルチニンを分解する活性を有し、
上記重鎖の可変領域が、配列番号4に示すアミノ酸配列または配列番号6に示すアミノ酸配列からなることを特徴とする抗体酵素の断片

【請求項2】
ヘマグルチニンHA1の高度保存領域に存在する配列番号1に示すアミノ酸配列、および/またはヘマグルチニンHA2の高度保存領域に存在する配列番号2に示すアミノ酸配列を認識することを特徴とする請求項1に記載の抗体酵素の断片

【請求項3】
ヘマグルチニンHA1の高度保存領域に存在する配列番号1に示すアミノ酸配列、および/またはヘマグルチニンHA2の高度保存領域に存在する配列番号2に示すアミノ酸配列を含む抗原ペプチドを抗原として作製されたことを特徴とする請求項1または2に記載の抗体酵素の断片

【請求項4】
抗原として用いられる上記抗原ペプチドは、配列番号3に示すアミノ酸配列からなるペプチドをタンパク質と共有結合させてなることを特徴とする請求項3に記載の抗体酵素の断片
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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