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ロボティックウエアの神経振動子を用いた同調制御方法、同調制御用コンピュータプログラム、およびロボティックウエア UPDATE コモンズ

国内特許コード P160012860
整理番号 N15039
掲載日 2016年3月17日
出願番号 特願2015-173334
公開番号 特開2017-046977
出願日 平成27年9月2日(2015.9.2)
公開日 平成29年3月9日(2017.3.9)
発明者
  • 橋本 稔
  • 田中 浩仁
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 ロボティックウエアの神経振動子を用いた同調制御方法、同調制御用コンピュータプログラム、およびロボティックウエア UPDATE コモンズ
発明の概要 【課題】ヒト歩行時の下肢4関節に対して神経振動子を用いた同調制御を実現する、人体装着型のロボティックウエアを提供する。
【解決手段】下肢4関節制御システム1では、ヒトの膝関節は衝撃を吸収するために特徴的な運動軌道を描くことに着目し、それを1歩行周期の間に、1歩行運動を構成する立脚相および遊脚相からなる異なる振幅の2周期運動と捉えて膝関節の軌道制御を行う。膝関節神経振動子8出力の極小値間の信号に対して適切な振幅倍率とオフセット値を与えることによって、振幅の異なる立脚相1周期波形と遊脚相1周期波形とが滑らかに接続された2周期波形によって規定される膝関節制御軌道を生成する。下肢4関節すべてにおいてヒトの関節角軌跡とほぼ同一で、装着者に違和感を与えない制御軌道に沿って膝関節アクチュエータ3を駆動できる。
【選択図】図15
従来技術、競合技術の概要


高齢化社会にある日本において、リハビリや介護、歩行補助を目的とした人体装着型のロボットが盛んに研究開発されている。リハビリ支援と自立動作支援を目的としたロボットスーツHAL、高齢者の歩行機能改善を目的としたリズム歩行アシスト、対麻痺患者の歩行補助を目的とした藤田保険衛生大学のWPAL、人工膝関節置換術後のリハビリを目的とした歩行リハビリ支援システムKAI-Rなどが例として挙げられる。本発明者等も、軽量で装着性に優れた非外骨格型のロボティックウエアを開発してきた(特許文献1)。



一方、制御面においては、脊椎動物の中枢神経系をモデル化した神経振動子(松岡モデル)によって周期運動をおこなう2足あるいは4足歩行ロボットなどの研究が進められ、神経振動子モデル(非特許文献1)は、それらの多くの研究に用いられている。また、本発明者等は、先行研究で開発された人体装着型ロボティックスーツ、ロボティックウエアの制御においても、松岡モデルを採用し、ヒトとロボットの同調制御を実現している(非特許文献2、3、特許文献2、3)。

産業上の利用分野


本発明は、ヒトの歩行運動を補助するアシスト力を股関節および膝関節に与える人体装着型のロボティックウエアに関し、特に、下肢4関節の歩行動作支援を、神経振動子を用いた同調制御により適切に行うことのできる同調制御方法、同調制御用コンピュータプログラムおよびロボティックウエアに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヒトの歩行運動を補助するアシスト力を股関節および膝関節に伝える股関節アクチュエータおよび膝関節アクチュエータを備えた人体装着型のロボティックウエアの制御を、神経振動子を用いて行う同調制御方法であって、
ヒトの歩行時に股関節と股関節アクチュエータの間に生じる相互作用力に基づき、股関節神経振動子を用いた同調制御により、股関節アクチュエータを所定の股関節制御軌道を描くように駆動制御し、
前記歩行時に膝関節と膝関節アクチュエータの間に生じる相互作用力に基づき、膝関節神経振動子を用いた同調制御により、膝関節アクチュエータを所定の膝関節制御軌道を描くように駆動制御し、
前記股関節制御軌道の1周期をヒトの1歩行周期に対応するように設定し、
前記膝関節制御軌道を、前記股関節制御軌道の1周期を2周期とする2周期制御軌道に設定し、
前記股関節制御軌道の各1周期分の軌道波形に対応する前記膝関節制御軌道の2周期分の軌道波形が、ヒトの1歩行運動の立脚相および遊脚相の動きに対応するように、一方の立脚相軌道波形の振幅を、他方の遊脚相軌道波形の振幅に比べて小さくなるように設定することを特徴とするロボティックウエアの神経振動子を用いた同調制御方法。

【請求項2】
請求項1において、
前記股関節神経振動子の自励振動を規定する股関節基本波形を設定し、
前記膝関節神経振動子の自励振動を規定する膝関節基本波形を、前記股関節基本波形の周期の1/2の周期を有するように設定し、
前記膝関節神経振動子の出力信号における前記立脚相に対応する立脚相波形部分および遊脚相波形部分に対して、予め設定されている振幅倍率とオフセット値をそれぞれ与えて、前記立脚相軌道波形および前記遊脚相軌道波形を備えた膝関節制御軌道を規定する制御信号波形を生成するロボティックウエアの神経振動子を用いた同調制御方法。

【請求項3】
請求項2において、
前記膝関節神経振動子の出力信号の極小点を判別し、
前記極小点のそれぞれについて、対応する時点における前記股関節神経振動子の出力信号の振幅値を判別し、
前記振幅値に基づき、前記膝関節神経振動子の出力信号の各極小点間が前記立脚相波形部分および前記遊脚相波形部分のいずれであるかを判別するロボティックウエアの神経振動子を用いた同調制御方法。

【請求項4】
請求項2において、
前記制御信号波形における前記立脚相波形部分と前記遊脚相波形部分との間の継ぎ目部分が一致していない場合に、当該継ぎ目部分が滑らかに連続する継ぎ目部分となるように、波形修正を施すロボティックウエアの神経振動子を用いた同調制御方法。

【請求項5】
請求項1において、
前記ロボティックウエアは、前記股関節アクチュエータとしてヒトの左右の股関節にアシスト力を与える左股関節アクチュエータおよび右股関節アクチュエータと、前記膝関節アクチュエータとしてヒトの左右の膝関節にアシスト力を与える左膝関節アクチュエータおよび右膝関節アクチュエータとを備えており、
前記左股関節アクチュエータおよび前記右股関節アクチュエータを、相互に逆位相の前記股関節制御軌道を描くように駆動制御し、
前記左膝関節アクチュエータおよび前記右膝関節アクチュエータを、相互に1周期分位相がずれた状態で前記膝関節制御軌道を描くように駆動制御するロボティックウエアの神
経振動子を用いた同調制御方法。

【請求項6】
請求項1において、
前記股関節神経振動子および前記膝関節神経振動子は、以下の三式で示す非線形1階連立微分方程式で表され、


ここで、
xi:i番目の神経素子の内部状態を示す係数
g(xi):i番目の神経素子の出力
fi:i番目の神経素子の疲労状態を表す係数
Si:i番目の神経素子への定常入力
bi:i番目の神経素子の疲労係数
aij:i番目の神経素子からj番目の神経素子への結合係数
Ta,Tr:時定数
Input:外部入力
であり、
前記相互作用力を相互作用トルクτ_mutualとし、前記同調制御における同調性を調整するゲインを同調ゲインCとすると、前記外部入力Inputは、前記相互作用トルクτ_mutualと前記同調ゲインCを用いて、
Input=C*τ_mutual
で表されるロボティックウエアの神経振動子を用いた同調制御方法。

【請求項7】
請求項1に記載の方法を用いて、ロボティックウエアの股関節アクチュエータおよび膝関節アクチュエータの駆動を制御するロボティックウエアの同調制御用コンピュータプログラムであって、
ヒトの歩行時に股関節と股関節アクチュエータの間に生じる相互作用力に基づき、股関節神経振動子を用いた同調制御により、股関節アクチュエータを所定の股関節制御軌道を描くように駆動制御する機能、
前記歩行時に膝関節と膝関節アクチュエータの間に生じる相互作用力に基づき、膝関節神経振動子を用いた同調制御により、膝関節アクチュエータを所定の膝関節制御軌道を描くように駆動制御する機能、
前記股関節制御軌道の1周期をヒトの1歩行周期に対応するように設定する機能、
前記膝関節制御軌道を、前記股関節制御軌道の1周期を2周期とする2周期制御軌道に設定する機能、および、
前記股関節制御軌道の各1周期分の軌道波形に対応する前記膝関節制御軌道の2周期分の軌道波形が、ヒトの1歩行運動の立脚相および遊脚相の動きに対応するように、一方の立脚相軌道波形の振幅を、他方の遊脚相軌道波形の振幅に比べて小さくなるように設定する機能
をコンピュータに実行させることを特徴とするロボティックウエアの同調制御用コンピュータプログラム。

【請求項8】
請求項7において、
前記股関節神経振動子の自励振動を規定する股関節基本波形を設定する機能、
前記膝関節神経振動子の自励振動を規定する膝関節基本波形を、前記股関節基本波形の周期の1/2の周期を有するように設定する機能、
前記膝関節神経振動子の出力信号における前記立脚相に対応する立脚相波形部分および遊脚相波形部分に対して、予め設定されている振幅倍率とオフセット値をそれぞれ与えて、前記立脚相軌道波形および前記遊脚相軌道波形を備えた膝関節制御軌道を規定する制御信号波形を生成する機能
をコンピュータに実行させるロボティックウエアの同調制御用コンピュータプログラム。

【請求項9】
請求項8において、
前記膝関節神経振動子の出力信号の極小点を判別する機能、
前記極小点のそれぞれについて、対応する時点における前記股関節神経振動子の出力信号の振幅値を判別する機能、
前記振幅値に基づき、前記膝関節神経振動子の出力信号の各極小点間が前記立脚相波形部分および前記遊脚相波形部分のいずれであるかを判別する機能
をコンピュータに実行させるロボティックウエアの同調制御用コンピュータプログラム。

【請求項10】
請求項8において、
前記制御信号波形における前記立脚相波形部分と前記遊脚相波形部分との間の継ぎ目部分が一致していない場合に、当該継ぎ目部分が滑らかに連続する継ぎ目部分となるように、波形修正を施す機能をコンピュータに実行させるロボティックウエアの同調制御用コンピュータプログラム。

【請求項11】
請求項7において、
前記ロボティックウエアは、前記股関節アクチュエータとしてヒトの左右の股関節にアシスト力を与える左股関節アクチュエータおよび右股関節アクチュエータと、前記膝関節アクチュエータとしてヒトの左右の膝関節にアシスト力を与える左膝関節アクチュエータおよび右膝関節アクチュエータとを備えており、
前記左股関節アクチュエータおよび前記右股関節アクチュエータを、相互に逆位相の前記股関節制御軌道を描くように駆動制御する機能、および、
前記左膝関節アクチュエータおよび前記右膝関節アクチュエータを、相互に1周期分位相がずれた状態で前記膝関節制御軌道を描くように駆動制御する機能を
コンピュータに実行させるロボティックウエアの同調制御用コンピュータプログラム。

【請求項12】
請求項7において、
前記股関節神経振動子および前記膝関節神経振動子を、以下の三式で示す非線形1階連立微分方程式で規定し、


ここで、
xi:i番目の神経素子の内部状態を示す係数
g(xi):i番目の神経素子の出力
fi:i番目の神経素子の疲労状態を表す係数
Si:i番目の神経素子への定常入力
bi:i番目の神経素子の疲労係数
aij:i番目の神経素子からj番目の神経素子への結合係数
Ta,Tr:時定数
Input:外部入力
であり、
前記相互作用力を相互作用トルクτ_mutualとし、前記同調制御における同調性を調整するゲインを同調ゲインCとすると、前記外部入力Inputを、前記相互作用トルクτ_mutualと前記同調ゲインCを用いて、
Input=C*τ_mutual
で規定する機能を
コンピュータに実行させるロボティックウエアの同調制御用コンピュータプログラム。

【請求項13】
ヒトの歩行運動を補助するアシスト力を股関節に与える股関節アクチュエータと、
ヒトの歩行運動を補助するアシスト力を膝関節に伝える膝関節アクチュエータと、
前記股関節アクチュエータおよび前記膝関節アクチュエータを制御する同調制御装置と、
を有しており、
前記同調制御装置は、
ヒトの歩行時に股関節と股関節アクチュエータの間に生じる相互作用力に基づき、股関節神経振動子を用いた同調制御により、股関節アクチュエータを所定の股関節制御軌道を描くように駆動制御する股関節制御部と、
前記歩行時に膝関節と膝関節アクチュエータの間に生じる相互作用力に基づき、膝関節神経振動子を用いた同調制御により、膝関節アクチュエータを所定の膝関節制御軌道を描くように駆動制御する膝関節制御部と、
を備えており、
前記股関節制御軌道の1周期をヒトの1歩行周期に対応するように設定されており、
前記膝関節制御軌道を、前記股関節制御軌道の1周期を2周期とする2周期制御軌道に設定されており、
前記股関節制御軌道の各1周期分の軌道波形に対応する前記膝関節制御軌道の2周期分の軌道波形が、ヒトの1歩行運動の立脚相および遊脚相の動きに対応するように、一方の立脚相軌道波形の振幅を、他方の遊脚相軌道波形の振幅に比べて小さくなるように設定されていることを特徴とするロボティックウエア。

【請求項14】
請求項13において、
前記股関節神経振動子の自励振動を規定する基本波形を股関節基本波形とすると、前記膝関節神経振動子の自励振動を規定する膝関節基本波形は、前記股関節基本波形の周期の1/2の周期を有するように設定されており、
前記股関節制御部は、
前記膝関節神経振動子の出力信号における前記立脚相に対応する立脚相波形部分および遊脚相波形部分に対して、予め設定されている振幅倍率とオフセット値をそれぞれ与えて、前記立脚相軌道波形および前記遊脚相軌道波形を備えた膝関節制御軌道を規定する制御信号波形を生成する信号処理部を備えているロボティックウエア。

【請求項15】
請求項14において、
前記信号処理部は、
前記膝関節神経振動子の出力信号の極小点を判別する極小点判別部と、
前記極小点のそれぞれについて、対応する時点における前記股関節神経振動子の出力信号の振幅値を判別する値判別部と、
前記振幅値に基づき、前記膝関節神経振動子の出力信号の各極小点間が前記立脚相波形
部分および前記遊脚相波形部分のいずれであるかを判別する相判別部と、
を備えているロボティックウエア。

【請求項16】
請求項14において、
前記信号処理部は、
前記制御信号波形における前記立脚相波形部分と前記遊脚相波形部分との間の継ぎ目部分が一致していない場合に、当該継ぎ目部分が滑らかに連続する継ぎ目部分となるように、波形修正を施す波形修正部を備えているロボティックウエア。

【請求項17】
請求項13において、
前記股関節アクチュエータとして、ヒトの左右の股関節にアシスト力を与える左股関節アクチュエータおよび右股関節アクチュエータとを備え、
前記膝関節アクチュエータとして、ヒトの左右の膝関節にアシスト力を与える左膝関節アクチュエータおよび右膝関節アクチュエータとを備え、
前記股関節制御部は、前記左股関節アクチュエータおよび前記右股関節アクチュエータを、相互に逆位相の前記股関節制御軌道を描くように駆動制御し、
前記膝関節制御部は、前記左膝関節アクチュエータおよび前記右膝関節アクチュエータを、相互に1周期分位相がずれた状態で前記膝関節制御軌道を描くように駆動制御するロボティックウエア。

【請求項18】
請求項13において、
前記股関節アクチュエータによって規定されるロボット股関節と前記膝関節アクチュエータによって規定されるロボット膝関節との間を連結するリンク機構が備わっていない非外骨格型であるロボティックウエア。

【請求項19】
請求項13において、
前記股関節神経振動子および前記膝関節神経振動子は、以下の三式で示す非線形1階連立微分方程式で表され、


ここで、
xi:i番目の神経素子の内部状態を示す係数
g(xi):i番目の神経素子の出力
fi:i番目の神経素子の疲労状態を表す係数
Si:i番目の神経素子への定常入力
bi:i番目の神経素子の疲労係数
aij:i番目の神経素子からj番目の神経素子への結合係数
Ta,Tr:時定数
Input:外部入力
であり、
前記相互作用力を相互作用トルクτ_mutualとし、前記同調制御における同調性を調整するゲインを同調ゲインCとすると、前記外部入力Inputは、前記相互作用トルクτ_mutualと前記同調ゲインCを用いて、
Input=C*τ_mutual
で表されるロボティックウエア。
国際特許分類(IPC)
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