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物質判別に用いる近赤外画像撮像用の波長決定方法および近赤外画像を用いた物質判別方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P160012903
整理番号 GI-H27-20
掲載日 2016年4月15日
出願番号 特願2015-177230
公開番号 特開2017-053699
出願日 平成27年9月9日(2015.9.9)
公開日 平成29年3月16日(2017.3.16)
発明者
  • 加藤 邦人
  • 服部 哲也
出願人
  • 国立大学法人岐阜大学
発明の名称 物質判別に用いる近赤外画像撮像用の波長決定方法および近赤外画像を用いた物質判別方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】検出対象物質と検出対象以外の物質とを正確に判別するための撮像用の近赤外線の波長を決定する方法を提供する。また、複数の種類の検出対象物を含む画像から、各検出対象物質が撮像されている領域と検出対象物質以外が撮像されている領域とを正確に判別する方法を提供する。
【解決手段】検出対象物質と検出対象以外の物質にそれぞれラベル値とを決定し、複数の近赤外線画像から検出対象物に属する画素と検出対象以外の物質に属する一群の画素を抽出してそれぞれのラベル付けを行い、検出対象物質の画素値と検出対象以外の物質の画素値とを説明変数とし、それぞれに設定したラベル値を目的変数として回帰分析を行い、回帰分析の結果から識別器の識別性能への寄与度の高い波長を複数選択して撮像用の光の波長とする。複数の検出対象物質のそれぞれについて識別器で2クラス分類を行い、得られた結果を組み合わせて多クラス分類を行い、画像に含まれる検出対象物質を判別する。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


従来から、可視光または赤外線を用いて撮像された画像に含まれる検出対象物を判別するための画像処理技術が知られている。たとえば、特許文献1が開示する人的障害物検出装置は、赤外画像に撮像された人を検出するために、人体の露出部の温度をしきい値として二値化処理し、処理後の画像から検出を行う技術を開示している。しかしながら、赤外線装置によって撮像される画像の中には、自動車のヘッドライトや排気管など、人体の露出部と温度がほぼ同じ物体が存在する可能性があり、誤検出が発生する可能性が排除できない。またたとえば、特許文献2に開示される顔面内部位認識方法は、遠赤外光画像と可視光画像とを一組として、遠赤外画像から特定の温度の領域を抽出し、可視光画像から肌色の領域を抽出して人の顔を精度高く認識しようとしている。しかしながら可視光の利用は、光を検出対象の人に照射することで相手に不快感をあたえる可能性があり、また撮影時の時刻や天候の影響を受けて光のスペクトル分布が変動しやすく、対象物の色を正確に検出して抽出することが困難となる場合がある。



そこで近年、近赤外線(波長800nm~2500nm)の反射量に対応して輝度を定義した近赤外画像を使用して、物質を判別しようとする試みがなされている。一般的な物質は、近赤外領域の複数の波長で反射率が低下する固有のパターンを持つ。近赤外線に対応する画像では、反射率の低下を画素値の低下として数値化することができる。



特許文献3の物体識別装置は、近赤外光及び可視光の複数の波長帯の光の各々の受光強度で示される画像データを取得して、得られた画像を複数の領域に分割し、各々の領域毎に各波長帯毎の情報を示し、波長数に応じた次元数の情報で示される領域情報を抽出し、抽出された領域情報の次元を圧縮して、予め用意しておいたサンプルデータに基づき、物体を識別している。特許文献3の物体識別装置では、使用する近赤外光の具体的な波長の選択方法は記載されておらず、また撮像を行う具体的な波長は記載されていない。特許文献4は、物体識別装置及びプログラムを開示している。特許文献4の物体識別装置は、近赤外光波長領域の異なる3つの波長帯の3枚の撮影画像を取得し、取得した画像の各々について、識別対象領域内の画素値を平均し、抽出する。そして、抽出された画素値をHSV色空間の特徴量H、S、Vに変換し、予め学習しておいた分布状況と照合することで、物質を識別している。特許文献4の物体識別装置は、撮像に使用する近赤外線の第一波長帯、第二波長帯、第三波長帯の波長は具体的に記載されておらず、また波長を選択する具体的な方法は開示されていない。特許文献5の機器は、生体内の血管を1100~1350nmの波長の近赤外線で走査し、血管壁の病変の分析を行う機器を開示している。

産業上の利用分野


本発明は、画像に撮像されている検出対象物質を判別するための方法に関する。特に、近赤外線を用いて検出対象物を含む画像を撮像して画像中の検出対象物を高い精度で判別するための、撮像に使用する近赤外線の波長を決定する方法と、近赤外光を用いた画像から複数の検出対象物質を判別する物質判別方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
近赤外線に対応して撮像された近赤外画像の中の検出対象物質と検出対象以外の物質とを判別するために、検出対象物質に対応した撮像用の光の波長を決定する方法であって、
近赤外領域の複数の波長を用いて、検出対象物質と検出対象以外の物質とを含む複数の画像を撮像する工程と、
検出対象物質に用いる第一のラベル値と、検出対象以外の物質に用いる第二のラベル値とを決定する工程と、
複数の前記画像から、検出対象物質に属する一群の画素を抽出し、各々の画素値を撮像に用いた光の波長および第一のラベル値と関連づけを行う工程と、
複数の前記画像から、検出対象以外の物質に属する一群の画素を抽出し、各々の画素値を撮像に用いた光の波長および第二のラベル値と関連づけを行う工程と、
前記検出対象物質に属する一群の画素の画素値及び前記検出対象以外の物質に属する一群の画素の画素値を説明変数とし、第一のラベル値及び第二のラベル値を目的変数として回帰分析を行い、当該回帰分析の結果から検出対象物質の二クラス分類を行うための識別器を生成する工程と、
前記回帰分析の結果から、前記識別器の識別性能への寄与度の高い波長を複数選択して撮像用の光の波長とする工程と、
を備えていることを特徴とする近赤外画像の撮像用の波長決定方法。

【請求項2】
前記回帰分析がPLS回帰分析であり、
前記PLS回帰分析の結果から、前記識別器の識別性能への寄与度の高い波長を複数選択して撮像用の光の波長とする工程が、次式、すなわち、
【数1】



Kは全次元数であり、iは1~K次元を表し、W,u,tは計算パラメータである式によって表されるVIPの値を波長ごとに計算し、当該VIPの値に基づいて、前記識別器の識別性能への寄与度が高い波長を特定することを特徴とする請求項1記載の近赤外画像撮像用の波長決定方法。

【請求項3】
前記回帰分析がPLS回帰分析であり、
当該PLS回帰分析によって求められた回帰係数の値を用いて、前記識別器の識別性能への寄与度が高い波長を特定することを特徴とする請求項1または2記載の近赤外画像撮像用の波長決定方法。

【請求項4】
近赤外線に対応して撮像された近赤外画像の中に含まれる複数の検出対象物質と検出対象以外の物質とを判別する方法であって、
近赤外領域の複数の波長を用いて、複数の前記検出対象物質と検出対象以外の物質とが撮像された複数のサンプル画像を得る撮像工程と、
複数の前記検出対象物質および検出対象以外の物質のそれぞれについてラベル値を設定するラベル値設定工程と、
複数の前記サンプル画像から、複数の前記検出対象物質の中の一つの検出対象物質について、前記検出対象物質に属する一群の画素を抽出し、画素値と、撮像した光の波長と、設定した前記ラベル値との関連づけを行う第一の画素値抽出工程と、
複数の前記サンプル画像から、検出対象以外の物質に属する一群の画素を抽出し、画素値と、撮像した光の波長と、設定したラベル値との関連づけを行う第二の画素値抽出工程と、
前記検出対象物質に属する一群の画素の画素値及び前記検出対象以外の物質に属する一群の画素の画素値を説明変数とし、各々のラベル値を目的変数として回帰分析を行い、当該回帰分析の結果から前記検出対象物質を識別する識別器を生成する第一の識別器生成工程と、
各々の前記検出対象物質ごとに、前記第一の画素値抽出工程、前記第二の画素値抽出工程、前記第一の識別器生成工程を繰り返して行い、個々の前記検出対象物質に対応する識別器をそれぞれ生成する工程と、
を備えており、
複数の近赤外線画像から画素を抽出し、当該画素の画素値を各々の前記検出対象物質に対応する前記識別器の説明変数に入力して各々の前記識別器から推定値を出力し、得られた複数の推定値の結果を組み合わせることによって、前記画素がいずれかの検出対象物質に属しているか否かを判別する多クラス分類を行うことを特徴とする、複数の検出対象物質と検出対象以外の物質とを判別する方法。

【請求項5】
各々の前記検出対象物質について、前記回帰分析の結果から、前記検出対象物質ごとの前記識別器の識別性能への寄与度の高い波長を複数選択して識別に適した光の波長を選択する波長選択工程と、
前記波長選択工程で選択された波長の近赤外画像のみを用いて、前記検出対象物質に属する一群の画素の画素値及び前記検出対象以外の物質に属する一群の画素の画素値を説明変数とし、各々のラベル値を目的変数として回帰分析を行い、当該回帰分析の結果から前記検出対象物質を識別するための物質検出用識別器を生成する第二の識別器生成工程と、
前記検出対象物質の全てに対して、前記第一の画素値抽出工程、前記第二の画素値抽出工程、および前記第一の識別器生成工程に加えて、前記波長選択工程、および前記第二の識別器生成工程を各々の検出対象物質に対して繰り返して行い、各々の前記検出対象物質の識別に適した光の波長を複数決定して各々の前記検出対象物質に対応する物質検出用識別器をそれぞれ生成する工程と、
を備えており、
各々の検出対象物質の識別に適した前記波長で撮像した複数の近赤外線画像から画素を抽出し、当該画素の画素値を各々の前記検出対象物質に対応する物質検出用識別器の説明変数に入力して各々の物質検出用識別器から推定値を出力し、得られた複数の推定値の結果を組み合わせることによって、前記画素がいずれかの検出対象物質に属しているか否かを判別する多クラス分類を行うことを特徴とする、請求項4記載の複数の検出対象物質と検出対象以外の物質とを判別する方法。

【請求項6】
前記多クラス分類が、前記推定値の符号の組み合わせから判別する方法、前記推定値に閾値を設定して組み合わせる方法、前記推定値を特徴量としてNN法もしくはk-NN法を適用する方法、および識別関数に対する推定値の値で判別する方法のいずれかで行われることを特徴とする請求項4又は5記載の複数の検出対象物質と検出対象以外の物質とを判別する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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岐阜大学産官学連携推進本部では、岐阜大学における知的財産の創出・管理・活用のマネジメントをしています。上記の特許・技術に関心のある方は、下記問い合わせ先に整理番号とともにご相談下さい。


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