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脂質平面膜を形成するための貫通孔を有するガラス基板、およびその製造方法と用途 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P160012923
整理番号 FU537
掲載日 2016年4月19日
出願番号 特願2013-155692
公開番号 特開2015-024936
登録番号 特許第6128554号
出願日 平成25年7月26日(2013.7.26)
公開日 平成27年2月5日(2015.2.5)
登録日 平成29年4月21日(2017.4.21)
発明者
  • 老木 成稔
  • 岩本 真幸
出願人
  • 国立大学法人福井大学
発明の名称 脂質平面膜を形成するための貫通孔を有するガラス基板、およびその製造方法と用途 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】長時間安定で、高電位負荷に対する高い耐性を有し、かつ小面積の脂質平面膜を誰にでも確実に形成できる脂質平面膜形成用のガラス基板を提供する。
【解決手段】ガラス基板1の一方の主面1aに、該面を覆う耐ブラスト性のレジスト層2を設け、該レジスト層2には、ガラス基板素材に形成すべき貫通孔1hの位置に開口部2hが設けられ、ガラス基板1に対して、レジスト層2の上から投射材を吹き付けるショットブラストを行い、該ガラス基板1に対して該レジスト層2の開口部2hの位置に脂質平面膜形成用の貫通孔1hを形成し、かつ好ましくはショットブラスト工程よりも後に、該貫通孔1hの開口の周囲に対して高電圧パルス放電処理を施し、それにより、ショットブラストに起因して該貫通孔の開口の周囲に生じていたバリを除去し、バリを除去する工程よりも後に、ガラス基板1の該貫通孔1hの開口の周囲を疎水性材料で被覆する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


脂質平面膜法は膜蛋白質の機能測定に不可欠な方法であるが、膜蛋白質を膜に再構成するには安定な脂質平面膜(人工膜)を形成する必要がある。例えば、非特許文献1には、ガラス板に金イオンビームを照射して微細孔を形成し、形成された微細孔領域に脂質平面膜を形成する方法が開示されている。また、非特許文献2には、シャープな先端部を有する直径50μm程度のステンレス棒の先端部を加熱し、それをテフロンやポリスチレン等の種々の素材の基板に突き刺して基板を陥入させ、更に陥入部分を基板の反対面に沿って剃刀等により切断することで穴を形成する方法が開示されている。



しかし、安定な脂質平面膜の形成は技術的に決して誰にでもできるような容易なものではなかった。特に、低ノイズ記録の前提となる小面積の脂質平面膜を再現性よく形成することは世界中でも限られた研究室でしか実現できなかった。また、たとえ膜が形成されても長時間の実験に耐えられず、大きな膜電位を負荷すると破れる、というように安定な膜の形成は極めて困難であった。
本発明者らの研究によれば、安定な脂質平面膜の形成が技術的に困難である理由は、脂質平面膜を保持するための理想的な形状の微細孔を再現性よく形成させることが困難である点に起因する。
小面積の脂質平面膜を再現性よく形成するような上記研究室では、この問題を試行錯誤を繰り返して微細孔作成技術を確立し、それを研究室の伝統の手技として代々の構成員が継承することによって克服しているが、そのような克服方法には、微細孔の形成に熟練した研究者と多くの時間を要するという問題が付帯する。

産業上の利用分野


本発明は、脂質平面膜を形成するために用いられる貫通孔を持ったガラス基板の製造方法、該製造方法により得られる脂質平面膜形成用のガラス基板、および該基板の用途である膜蛋白質の機能解析方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
脂質平面膜を形成するための貫通孔を有するガラス基板の製造方法であって、
ガラス基板素材の一方の主面である第1面に、該面を覆う耐ブラスト性のレジスト層を設けるレジスト層配置工程を有し、該レジスト層には、ガラス基板素材に形成すべき貫通孔の位置に開口部が設けられ、該開口部内にはガラス基板素材の第1面が露出しており、
前記ガラス基板素材に対して、前記レジスト層の上から投射材を吹き付けるショットブラストを行い、該ガラス基板素材に対して該レジスト層の開口部の位置に脂質平面膜形成用の貫通孔を形成するショットブラスト工程を有し、かつ、
該貫通孔の開口の周囲に対して高電圧パルス放電処理を施し、それにより、上記ショットブラストに起因して該貫通孔の開口の周囲に生じていたバリを除去する工程を有する、
前記ガラス基板の製造方法。

【請求項2】
前記のバリを除去する工程よりも後に、前記ガラス基板素材の該貫通孔の開口の周囲を疎水性材料で被覆する工程を更に有する、請求項に記載の製造方法。

【請求項3】
前記ショットブラスト工程で形成される貫通孔の両端の開口のうち、前記レジスト層の上からのショットブラストの適用に起因して、前記ガラス基板素材の他方の主面である第2面側の開口の形状が、前記第1面側の開口の形状よりも小さい形状となっている、請求項1または2に記載の製造方法。

【請求項4】
前記ガラス基板素材の厚さが150~250μmであり、貫通孔の第1面側の開口の形状が直径100~200μmの円形であり、貫通孔の第2面側の開口の形状が、第1面側の開口の直径の20~60%の直径を持った円形である、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項5】
貫通孔の数が複数である、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項6】
請求項1および3のいずれか1項に記載の製造方法によって得られた、脂質平面膜を形成するための貫通孔を有するガラス基板。

【請求項7】
該貫通孔の開口の周囲が疎水性材料で被覆されている、請求項6に記載のガラス基板。

【請求項8】
請求項6または記載の貫通孔を有するガラス基板を用いて膜蛋白質の機能を解析する方法であって、
(i)前記ガラス基板の貫通孔に、膜蛋白質が組み込まれた脂質平面膜を形成する工程、
(ii)該脂質平面膜に組み込まれた状態の該膜蛋白質に、予め定められた刺激を与える工程、および
(iii)前記で与えた前記刺激に対する応答を該脂質平面膜から出力として受け取り、該出力に基いて膜蛋白質の機能を解析する工程
を有する、膜蛋白質の機能解析方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2013155692thum.jpg
出願権利状態 登録
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