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界面制御機構及び界面制御方法 コモンズ

国内特許コード P160012929
整理番号 FU561
掲載日 2016年4月19日
出願番号 特願2014-015314
公開番号 特開2015-141375
出願日 平成26年1月30日(2014.1.30)
公開日 平成27年8月3日(2015.8.3)
発明者
  • 青木 幸一
  • 陳 競鳶
  • 西海 豊彦
  • 于 潔
出願人
  • 国立大学法人福井大学
発明の名称 界面制御機構及び界面制御方法 コモンズ
発明の概要 【課題】本発明は、作用電極に接する2種類の液体の間の界面の形状を変化させる場合に作用電極に印加する電圧を低電圧にすることができるとともに高速で制御することができる界面制御機構及び界面制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】作用電極Eに接するように配置された第一液体W及び第一液体Wと不混和性を有する第二液体Oの間に形成された界面N3の形状を制御するため、第一液体Wに、第二液体Oに対して難溶性で作用電極Eの電極面に吸着して酸化還元される反応物質Cと、反応物質Cの支持電解質として機能するイオン性の界面活性剤Kとを溶解し、第二液体Oに、界面活性剤Kを溶解し、反応物質Cの酸化還元反応が可逆的に生じるように作用電極Eに電圧を印加して第二液体O内の界面活性剤Kが電極面に吸着又は脱離することで界面N3の形状を変化させる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


表示素子としては、液晶表示素子のように光源からの光を遮光することで表示を行うものや電気泳動方式の電子ペーパーのように分散媒体中の白色及び黒色の粒子を電界によって移動させて表示を行うものが開発されている。また、電気化学反応により物質を酸化還元反応させることで吸光度を変化させて明暗を表出することで表示を行うものや色素となる液滴を電極上の撥水性誘電膜に配置して電圧を加えることで液滴の粒径を変化させて表示を行うエレクトロウェッティング(Electrowetting)方式が提案されている。



図10は、エレクトロウェッティング方式の表示原理に関する説明図である。下部電極100の上面に誘電体膜101が形成されており、撥水性の誘電体膜101の上面に液滴102が配置されている(図10(a)参照)。そして、図示せぬ上部電極が液滴102と電気的に導通するように設定されており、上下の電極に電圧を印加すると、下部電極100と液滴102との間に形成されるキャパシタの静電エネルギー分だけ表面エネルギーが減少して液滴の接触角θが減少する(図10(b)参照)。図10では、固相である電極と気相である空気との間の界面エネルギーγSG、気相である空気と液相である液滴との間の界面エネルギーγLG及び固相である電極と液相である液滴との間の界面エネルギーγSLが三相界面において作用して接触角θが設定されており、電圧の印加により界面エネルギーγSLが減少することで、接触角θが減少するようになる。そのため、印加電圧の制御により液滴102の形状を変化させて下部電極100の上面を覆う面積が変化することで、表示素子として用いることができる。



こうしたエレクトロウェッティング方式を用いた表示素子としては、例えば、特許文献1では、不混和性の極性液体及び不極性液体を含む流体室を有する表示素子において、流体室に設けられた2つの電極に電圧を印加することで極性液体及び不極性液体の間の界面を制御するとともに液体に界面活性剤を添加して作動電圧を低下させる点が記載されている。また、特許文献2では、非水性極性溶媒及び着色剤を含む着色流体を用いて着色流体の形状を電圧を印加することで変化させて画素のディスプレイ状態を切り換える点が記載されている。



本発明者らは、これまでに三相界面反応について研究を進め、水溶液中においてフェロセン(ferrocene;Fc)を含むニトロベンゼン(NB)の油滴をグラッシィカーボンからなる電極面上に配置して形成された三相界面について電気化学的な反応に関する分析を行い、様々な知見を得ている(非特許文献1から3参照)。



こうした知見によれば、図11に示すように、塩を含む水溶液202中において、電極200の電極面上にFcを含むNBがドーム状の油滴201が形成されている場合、固相である電極200と水相である水溶液202との間の界面N1では、水溶液202に含まれる塩により電気二重層が形成される。また、固相である電極200と油相である油滴201との間の界面N2では、電極200に対する電圧の印加によりFcの酸化還元反応が生じるが、支持電解質である塩が水溶液202中のみに存在している場合には、界面N2において酸化還元反応は抑制される。そのため、電極200、油滴201及び水溶液202が接するリング状の界面N3において、Fcの酸化が生じて水溶液202中に拡散するようになる。こうしたFcの移動に伴い、油滴201内に対流203が生じるとともに、水溶液202中のFcが油相内に浸透することで水相及び油相の界面に沿ってエマルション204が生じるようになる。このように、三相界面では複雑な電気化学的な反応が生じている。

産業上の利用分野


本発明は、作用電極に接する2種類の液体の間の界面の形状を制御する界面制御機構及び界面制御方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
作用電極が配置されるとともに当該作用電極の電極面に接するように第一液体及び当該第一液体と不混和性を有する第二液体が配置された液体収容部を備え、前記第一液体及び前記第二液体の間に形成される界面の形状を制御する界面制御機構であって、前記第一液体には、前記第二液体に対して難溶性であるとともに電極反応により前記作用電極の電極面に対して吸着して酸化還元される反応物質及び当該反応物質の支持電解質として機能するイオン性の界面活性剤が溶解しており、前記第二液体には、前記界面活性剤が溶解しており、前記反応物質の酸化還元反応が可逆的に生じるように前記作用電極に電圧を印加する電圧印加部を備えており、電圧印加により前記第二液体が接する前記作用電極の電極面に吸着した前記反応物質の可逆的な酸化還元反応に基づいて前記第二液体内の前記界面活性剤が電極面に吸着又は脱離することで前記界面の形状を変化させる界面制御機構。

【請求項2】
前記電圧印加部は、前記反応物質の酸化還元電位に基づいて設定された電圧範囲において印加電圧を変動させることで、前記反応物質の酸化還元反応を可逆的に生じさせる請求項1に記載の界面制御機構。

【請求項3】
前記界面活性剤は、4級アンモニウム塩を含む請求項1又は2に記載の界面制御機構。

【請求項4】
前記作用電極は複数設けられており、それぞれの前記作用電極の電極面に独立して第二液体が配置されている請求項1から3のいずれかに記載の界面制御機構。

【請求項5】
前記作用電極は複数設けられており、少なくとも2つの前記作用電極の電極面と重なるように前記第二液体が配置されている請求項1から3のいずれかに記載の界面制御機構。

【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の界面制御機構を備えている表示装置であって、前記界面の形状の変化に基づいて表示を行う表示装置。

【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の界面制御機構を備えている光学装置であって、前記界面の形状の変化に基づいて光学特性を変化させる光学装置。

【請求項8】
請求項1から5のいずれかに記載の界面制御機構を備えている濃度検知装置であって、前記界面の形状の変化に基づいて前記第二液体中に含まれる前記界面活性剤の濃度変化を検知する濃度検知装置。

【請求項9】
作用電極の電極面に接するように配置された第一液体及び当該第一液体と不混和性を有する第二液体の間に形成された界面の形状を制御する界面制御方法であって、前記第二液体に対して難溶性であるとともに電極反応により前記作用電極の電極面に対して吸着して酸化還元される反応物質及び当該反応物質の支持電解質として機能するイオン性の界面活性剤が前記第一液体に溶解した状態に設定し、前記界面活性剤が前記第二液体に溶解した状態に設定し、前記反応物質の酸化還元反応が可逆的に生じるように前記作用電極に電圧を印加し、電圧印加により前記第二液体が接する前記作用電極の電極面に前記反応物質を吸着させて前記反応物質の可逆的な酸化還元反応に基づいて前記第二液体内の前記界面活性剤が電極面に吸着又は脱離することで前記界面の形状を変化させる界面制御方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014015314thum.jpg
出願権利状態 公開
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