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ハイドロゲル繊維の製造方法及び当該製造方法により製造されたハイドロゲル繊維 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P160012948
整理番号 FU622
掲載日 2016年4月19日
出願番号 特願2015-104696
公開番号 特開2016-216861
出願日 平成27年5月22日(2015.5.22)
公開日 平成28年12月22日(2016.12.22)
発明者
  • 藤田 聡
  • 西本 昇平
出願人
  • 国立大学法人福井大学
発明の名称 ハイドロゲル繊維の製造方法及び当該製造方法により製造されたハイドロゲル繊維 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】コラーゲン等のハイドロゲル前駆体の高次構造を変性させることなく、安全性の高いハイドロゲル繊維を製造することが可能なハイドロゲル繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】静電紡糸法による紡糸が可能な水溶性ポリマーを溶媒に溶解させた溶液を鞘材溶液とし、ハイドロゲル前駆体をフッ素系有機溶剤非含有の溶媒に溶解させた溶液を芯材溶液として、前記水溶性ポリマーが繊維化された鞘材繊維からなる鞘部と、前記芯材溶液からなる芯部と、を有する芯鞘構造の芯鞘繊維を静電紡糸法により生成する芯鞘繊維生成工程(P2)と、生成した芯鞘繊維の鞘材繊維を除去し、前記芯材溶液をゲル化させてハイドロゲルの繊維を製造する芯材ゲル化工程(P3)と、を含む。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要


コラーゲンのハイドロゲルやアルギン酸のハイドロゲル等の天然のハイドロゲルは、生体親和性が高いこと、生分解性であること、毒性がなく、安全であること、免疫抗原性が低いこと、生体吸収性がよいこと等の多くの優れた特性を有することから、医療用材料、化粧品材料、細胞培養基材等の材料に広く利用されている。
さらに、最近では、上記の各種の材料の機能性をより向上させるために、マイクロ、ナノオーダーの極細の繊維径からなる上記材料が求められている。例えば、再生医療の分野では、細胞の足場(scaffold)などとなる足場材料は、骨髄や結合組織などの細胞が生育する生体内組織の環境を模倣することが可能なものであることが重要である。そして、上記生体内組織は、ナノオーダーの繊維状の構造であるため、人工皮膚等の医療用材料の生成に用いる足場材料もマイクロ、ナノオーダーの極細繊維状の構造体にすることが好ましく、このような極細繊維状の構造体とすることにより、従来の足場材料に比べて比表面積を格段に大きなものとし、組織再生における細胞接着効率を顕著に高めることが可能となる。



一方、上記のような天然のハイドロゲルは、機械的強度が弱く、単純にハイドロゲルを延伸することによりマイクロ、ナノオーダーの大きさに紡糸することは困難であるが、近年では、静電紡糸法(エレクトロスピニング)を用いてハイドロゲルの極細繊維を製造する方法が報告されている(特許文献1)。
上記方法は、紡糸対象となるハイドロゲル前駆体(コラーゲン)を、フッ素系有機溶剤(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールや2,2,2-トリフルオロエタノールなど)を添加した溶媒に溶解させた後、高電圧下で帯電させてコラーゲン分子間に静電気的な反発力を生じさせ、この反発力を利用して極細繊維を紡糸する方法である。特許文献1には、コラーゲンを水とフッ素系有機溶剤との混合溶液に溶解して、静電紡糸法を用いてハイドロゲル繊維(コラーゲン繊維)を製造する方法が記載されている。



コラーゲン水溶液は、粘度が高いため、上記フッ素系有機溶剤を無添加の状態では、静電紡糸法により、コラーゲン繊維を製造することはできないが、上記フッ素系有機溶剤を溶媒としてコラーゲンを溶解させることにより、粘度が低下し、静電紡糸法によるコラーゲン繊維の製造が可能となる。
上記静電紡糸法を用いたコラーゲン繊維の製造方法では、コラーゲンを水と上記フッ素系有機溶剤との重量比が8:2~5:5の混合溶液に溶解させることにより、繊維径がマイクロオーダーの極細繊維が得られている。又、上記製造方法において、静電紡糸に用いるコラーゲン溶液中のコラーゲン濃度を低くすることにより、ナノオーダーの極細繊維の製造も可能と考えられる。

産業上の利用分野


本発明は、医療用材料、化粧品材料、細胞培養基材等に広く用いられているハイドロゲルの紡糸技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
静電紡糸法による紡糸が可能な水溶性ポリマーを溶媒に溶解させた溶液を鞘材溶液とし、ハイドロゲル前駆体をフッ素系有機溶剤非含有の溶媒に溶解させた溶液を芯材溶液として、前記水溶性ポリマーが繊維化された鞘材繊維からなる鞘部と、前記芯材溶液からなる芯部と、を有する芯鞘構造の芯鞘繊維を静電紡糸法により生成する芯鞘繊維生成工程と、
生成した芯鞘繊維の鞘材繊維を除去し、前記芯材溶液をゲル化させてハイドロゲルの繊維を製造する芯材ゲル化工程と、
を含むことを特徴とするハイドロゲル繊維の製造方法。

【請求項2】
前記芯材ゲル化工程において、前記鞘材繊維の除去と前記芯材溶液のゲル化は並行して行われる
ことを特徴とする請求項1に記載のハイドロゲル繊維の製造方法。

【請求項3】
前記ゲル化は、非共有結合により架橋された架橋構造を有する物理ゲルを形成することにより行われる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のハイドロゲル繊維の製造方法。

【請求項4】
前記ハイドロゲル前駆体は、天然のコラーゲン又は天然のアルギン酸である
ことを特徴とする請求項3に記載のハイドロゲル繊維の製造方法。

【請求項5】
前記ハイドロゲル前駆体を天然のコラーゲンとする請求項4に記載のハイドロゲル繊維の製造方法により製造されたハイドロゲル繊維であって、
繊維径がナノオーダーで、円二色性スペクトルにおいて、波長210~230nmの範囲のいずれかの波長でヘリックス構造に由来する正のコットン効果を示す
ことを特徴とするハイドロゲル繊維。

【請求項6】
前記ハイドロゲル前駆体を天然のアルギン酸とする請求項4に記載のハイドロゲル繊維の製造方法により製造されたハイドロゲル繊維であって、
繊維径がマイクロないしナノオーダーである
ことを特徴とするハイドロゲル繊維。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015104696thum.jpg
出願権利状態 公開
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