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光学活性アミノニトリル化合物の製造方法 コモンズ

国内特許コード P160012952
整理番号 FU637
掲載日 2016年4月19日
出願番号 特願2015-116332
公開番号 特開2017-001981
出願日 平成27年6月9日(2015.6.9)
公開日 平成29年1月5日(2017.1.5)
発明者
  • 川▲崎▼ 常臣
  • 徳永 雄次
出願人
  • 国立大学法人福井大学
発明の名称 光学活性アミノニトリル化合物の製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】光学活性アミノ酸等を製造するのに好適な光学活性アミノニトリル化合物の製造方法を提供を提供する
【解決手段】ベンズヒドリルアミン等の第1級アミン化合物、パラトルアルデヒド等のアルデヒド化合物およびシアン化水素またはその塩を塩基(DBU等)の存在下に溶媒中で反応させて、鏡像体過剰率が絶対配置におけるS体およびR体のいずれか一方に偏ったアミノニトリル化合物を析出させる。得られた光学活性アミノニトリル化合物を加水分解すると光学活性なアミノ酸が得られる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


光学活性アミノニトリル化合物は、加水分解によって容易に対応する光学活性アミノ酸へと変換可能であるため、アミノ酸製造の前駆体として重要な化合物である。アミノ酸は、医農薬をはじめとし、食品分野や化成品原料としても広く利用されている。グリシンを除くほとんどのアミノ酸は、L型およびD型のエナンチオマーが存在する。生体は主にL型アミノ酸を利用しており、そのためL型およびD型の一方のエナンチオマーを選択的に得る不斉合成法は、極めて重要な技術である。現在までのところ、L型アミノ酸を得る方法として発酵法が広く用いられているが、同方法では原理的にD型アミノ酸を得るのは容易ではない。化学合成によって得られるL型およびD型アミノ酸の等量混合物からエナンチオマーを分離する方法が研究されている。また、不斉触媒を利用したエナンチオ選択的なL型およびD型アミノ酸合成法が研究されている。しかし、この方法では、不斉源として光学活性化合物を必要とし、不斉源の価格や反応終了後の生成物との分離操作などの面から、低いコストでL型またはD型のアミノ酸を選択的に効率よく得ることは困難である。



一方、特許文献1には、エナンチオマー混合物から一方のエナンチオマーを簡易に効率よく分離できる光学分割法が記載されている。この光学分割法は、自然に優先晶出可能なキラリティーを有するアスパラギンなどの化合物(A)と、分割対象化合物(B)のエナンチオマー混合物とを含む溶液を晶析操作に付し、前記化合物(A)の晶出に随伴して、分割対象化合物(B)の一方のエナンチオマーを優先的に晶出させるものである。



しかし、この光学分割法は、分割対象化合物(B)を晶析させるために、自然に優先晶出可能なキラリティーを有する化合物(A)を必要とし、さらに分割対象化合物(B)の一方のエナンチオマーを優先晶出させた後は化合物(A)から目的化合物を分離する操作を必要とするため、工業的な生産には不利である。また、L型とD型との間に相互変換(異性化)の機構が存在しないことから原理的に50%の収率を超えない。



非特許文献1には、ラセミ体のアミノ酸(o‐ヒドロキシフェニルグリシン)の溶液から高光学純度の種結晶を用いて光学純度の高いアミノ酸を得る光学分割法が記載されている。この光学分割法は、あらかじめ光学純度の高い種結晶を必要とし、さらに自然分晶を誘導するo-トルエンスルホン酸を化学量論量必要とするため、コストの面から工業的な生産には不利である。



非特許文献2には、鏡像体過剰率に偏りを持ったアミノ酸(アスパラギン酸)の結晶を用いて光学純度の高いアミノ酸を得る光学分割法が記載されている。この光学分割法は、最初から鏡像体過剰率に偏りを持ったアミノ酸を必要とし、また光学純度が上昇するのに長時間(10日~20日)を要するため、コストや時間の面から工業的な生産には不利である。

産業上の利用分野


本発明は、光学活性アミノ酸の前駆体であり、自発的なキラル結晶化により得られる光学活性アミノニトリル化合物の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1級アミン化合物、アルデヒド化合物およびシアン化水素またはその塩を塩基存在下に溶媒中で反応させて、鏡像体過剰率が絶対配置におけるS体およびR体のいずれか一方に偏ったアミノニトリル化合物を析出させることを特徴とする、光学活性アミノニトリル化合物の製造方法。

【請求項2】
下記一般式(1)で表される第1級アミン化合物、下記一般式(2)で表されるアルデヒド化合物およびシアン化水素またはその塩を塩基存在下に反応させる請求項1に記載の光学活性アミノニトリル化合物の製造方法。
【化6】



(式中、R1およびR2は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示す。但し、但し、R1、R2およびR3のうち少なくとも2つは同一官能基である。)
【化7】



(式中、R4は、水素原子またはアルキル基を示す。nは1~3の整数である。)

【請求項3】
第1級アミン化合物がベンズヒドリルアミンであり、アルデヒド化合物がパラトルアルデヒドである請求項1または2に記載の光学活性アミノニトリル化合物の製造方法。

【請求項4】
塩基が、ジアザビシクロウンデセンである請求項1~3のいずれかに記載の光学活性アミノニトリル化合物の製造方法。

【請求項5】
アミノニトリル化合物を析出させた後、このアミノニトリル化合物を含む懸濁液を撹拌・粉砕処理する請求項1~4のいずれかに記載の光学活性アミノニトリル化合物の製造方法。

【請求項6】
シアン化水素またはその塩および塩基を加え、さらにアミノニトリル化合物のラセミ混合物を飽和させた溶液に、S体およびR体のいずれか一方のアミノニトリル化合物の結晶を懸濁させ、撹拌・粉砕処理することを特徴とする、光学活性アミノニトリル化合物の製造方法。

【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の光学活性アミノニトリル化合物の製造方法によって得られた光学活性アミノニトリル化合物を加水分解して、光学活性なアミノ酸を得ることを特徴とする、光学活性アミノ酸の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015116332thum.jpg
出願権利状態 公開
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