TOP > 国内特許検索 > キラルな金属化合物構造体の製造方法、及び金属化合物構造体

キラルな金属化合物構造体の製造方法、及び金属化合物構造体 コモンズ

国内特許コード P160012964
整理番号 P2014-137892
掲載日 2016年4月28日
出願番号 特願2014-159932
公開番号 特開2016-037405
出願日 平成26年8月5日(2014.8.5)
公開日 平成28年3月22日(2016.3.22)
発明者
  • 金 仁華
出願人
  • 学校法人神奈川大学
発明の名称 キラルな金属化合物構造体の製造方法、及び金属化合物構造体 コモンズ
発明の概要 【課題】キラルな性質を備え、触媒活性や蛍光発光性を備えた金属元素を有する新規な金属酸化物構造体を提供すること。
【解決手段】直鎖状ポリエチレンイミン骨格を備えたポリマー及びキラルなジカルボン酸化合物を反応させて酸塩基型錯体のキラル超分子結晶を得る結晶生成工程と、上記キラル超分子結晶に加水分解性の金属化合物を作用させて第一の金属の化合物を含むコート層を形成させるゾルゲル工程と、上記ゾルゲル工程を経たキラル超分子結晶に第二の金属の塩を作用させて、上記ポリエチレンイミン骨格及び上記ジカルボン酸化合物と上記第二の金属との間で反応物を形成させる反応物形成工程と、上記反応物形成工程を経たキラル超分子結晶を焼成することで、上記コート層及び上記第二の金属又はその酸化物からなる構造体を得る焼成工程と、を備えたキラルな金属化合物構造体の製造方法を用いる。
【選択図】図8
従来技術、競合技術の概要


近年、分子間相互作用により有機化合物を平衡又は非平衡状態で自己組織化させて得られる、特定の空間形状やナノメートルオーダーの規則的構造等を備えたナノ構造体が盛んに提案されている。これらのナノ構造体は、様々な組成の有機/無機複合ナノ材料を構築するための基盤として用いることができるばかりでなく、各種の材質からなるナノ構造体を形成するための鋳型としても用いることができることから、学際的分野や産業的分野等から関心を寄せられている。



このようなナノ構造物の例として、例えば特許文献1には、特定の化学構造を備えた界面活性剤を溶液中で自己組織化させ、その周囲でシリカ源となる化合物をゾルゲル反応させてメソポーラスシリカ粒子を形成させることが提案されている。また、特許文献2には、互いに相溶しない非水溶性及び水溶性である2種のポリマーからミクロな相分離構造を形成させ、これをもとに平均孔径1~200nmのシリンダー構造の細孔を備えた多孔質膜を形成させることが提案されている。また、生体高分子であるDNAやタンパク質が自己組織化により独特な立体構造を備えたナノ構造体となることもよく知られている。しかし、結晶性を備えたポリマーからなる結晶性のナノ構造物は少ない。



また、キラリティーを備えたナノ構造体を鋳型とし、その周囲にシリカ等の金属酸化物の層を成長させることにより、鋳型の持つキラリティーを金属酸化物に転写させることが提案されている。このような例として、特許文献3には、らせん構造等の光学活性なキラル配向構造を備えた重合体を鋳型とし、当該鋳型に金属ソースを作用させてキラルな有機/無機複合体を得ることが提案されている。このような有機/無機複合体では、金属酸化物にキラリティーが転写されているので、例えば触媒活性を備えた金属酸化物を当該有機/無機複合体の無機成分として選択すれば、キラルな反応場を備えた金属酸化物触媒が得られる可能性があると考えられる。



一方、キラリティーを備えた化合物に発光を示す化合物を錯形成等の手段により結合させて、円偏光発光を示す光学機能材料を得ることも提案されている。このような材料の一例として、非特許文献1には、希土類錯体にキラルな化合物を結合させることにより、希土類錯体から発せられる蛍光が非円偏光発光から円偏光発光に変化することが報告されている。また、非特許文献2には、蛍光発光を示す化合物であるチオフェンとキラルな(R)-1-(2-ナフチル)エチルアミンとの超分子固体錯体において、円偏光発光が観察されたことが報告されている。また、特許文献4には、キラルな配位子を備えた7配位型の希土類錯体が円偏光発光を示すことが報告されている。



円偏光発光は、光の波の進行に伴って振動面が回転する円偏光を生じる発光現象であり、そのような円偏光には右回りの円偏光と左回りの円偏光とが存在する。身近な例では、蛍の光に代表される生物発光は円偏光を有するとされている。このような円偏光発光を示す材料は、三次元表示ディスプレイへの応用や、セキュリティマーカーや不可視性インキの原料として期待されている。

産業上の利用分野


本発明は、キラルな金属化合物構造体の製造方法、及び金属化合物構造体に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
直鎖状ポリエチレンイミン骨格を備えたポリマー及びキラルなジカルボン酸化合物を反応させて酸塩基型錯体のキラル超分子結晶を得る結晶生成工程と、
前記キラル超分子結晶に加水分解性の金属化合物を作用させるゾルゲル法により、前記キラル超分子結晶の表面に前記金属化合物の加水分解物である第一の金属の化合物を含むコート層を形成させるゾルゲル工程と、
前記ゾルゲル工程を経たキラル超分子結晶に第二の金属の塩を作用させて、前記ポリエチレンイミン骨格及び前記ジカルボン酸化合物と前記第二の金属との間で反応物を形成させる反応物形成工程と、
前記反応物形成工程を経たキラル超分子結晶を焼成することで、有機物であるキラル超分子結晶を分解させ、前記コート層及び前記第二の金属又はその酸化物からなる構造体を得る焼成工程と、を備えたキラルな金属化合物構造体の製造方法。

【請求項2】
前記ジカルボン酸化合物が酒石酸である請求項1記載のキラルな金属化合物構造体の製造方法。

【請求項3】
前記加水分解性の金属化合物がアルコキシシランである請求項1又は2記載のキラルな金属化合物構造体の製造方法。

【請求項4】
前記焼成工程を経て得た構造体に対して、さらに、アリールカルボン酸化合物を作用させるアリールカルボン酸処理工程を備えた請求項1~3のいずれか1項記載のキラルな金属化合物構造体の製造方法。

【請求項5】
前記第二の金属が希土類元素であり、得られたキラルな金属化合物構造体が円偏光発光を示すことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項記載の金属化合物構造体の製造方法。

【請求項6】
第一の金属の酸化物であるコート層の内部に第二の金属又はその酸化物が含まれる金属化合物構造体であって、
前記第二の金属又はその酸化物は、前記コート層の内部にて、前記第二の金属又はその酸化物を構成する金属元素とキラルなジカルボン酸化合物との反応物が焼成されて形成されたものであり、
前記第二の金属又はその酸化物の吸収波長領域において、前記ジカルボン酸化合物のキラリティーに誘起された円二色性を示すことを特徴とした金属化合物構造体。

【請求項7】
前記第一の金属の酸化物が、アルコキシシランの加水分解物を由来とした酸化珪素化合物である請求項6記載の金属化合物構造体。

【請求項8】
さらに、アリールカルボン酸化合物を含むことを特徴とする請求項6又は7記載の金属化合物構造体。

【請求項9】
前記第二の金属の酸化物を構成する金属元素が希土類元素であり、当該金属の酸化物又は前記アリールカルボン酸の吸収波長の光を照射した際に円偏光発光を示すことを特徴とする請求項6~8のいずれか1項記載の金属化合物構造体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2014159932thum.jpg
出願権利状態 公開
本技術について、ライセンスや共同研究等をご希望の方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close