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ファジィ推論を用いた嚥下検出方法、嚥下活動モニタリングシステム及び嚥下機能評価方法

国内特許コード P160013008
整理番号 S2014-1241-N0
掲載日 2016年6月2日
出願番号 特願2014-157803
公開番号 特開2016-034325
出願日 平成26年8月1日(2014.8.1)
公開日 平成28年3月17日(2016.3.17)
発明者
  • 八木 直美
  • 越久 仁敬
  • 上野 博司
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • 学校法人兵庫医科大学
  • 株式会社ジェイ クラフト
発明の名称 ファジィ推論を用いた嚥下検出方法、嚥下活動モニタリングシステム及び嚥下機能評価方法
発明の概要 【課題】従来の誤嚥や嚥下障害を検出・検査する方法では、設定したある値を満たさなかった場合には、誤嚥や嚥下障害であると判定していた。患者特有の事情を反映した嚥下の検出方法を提供する。
【解決手段】ファジィ推論を用いた、患者特有の事情を反映した嚥下検出方法、嚥下活動モニタリングシステム及び嚥下機能評価方法である。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要


(誤嚥)
誤嚥は、嚥下時の気道保護機能の低下に伴って起こる。誤嚥の原因は、中枢神経系の疾患、例えば脳卒中、脳性麻痺、難治性の神経疾患、口腔、咽頭、喉頭の疾患等である。老化だけでも消化や嚥下機能の低下により誤嚥リスクが高まるので、誤嚥は高齢化社会での深刻な健康課題となっている。



(嚥下障害)
嚥下障害は、栄養不良、脱水症、肺炎等のリスクとなるので、患者の罹患率や死亡率の増加、生活の質(QOL)の低下、医療費の顕著な増加等を招く。有効な予防や治療の早期介入を行わなければ、嚥下障害は重篤な病的状態に進展する。したがって、嚥下障害の迅速な診断は急務である。更に、誤嚥の危険がある嚥下障害患者を早期に同定し、各々の嚥下障害の病態と重症度を明確にしなければならない。嚥下障害の病態および重症度によって、口腔ケア、食形態の工夫、嚥下リハビリテーション、胃瘻(PEG)造設などが必要となるからである。
嚥下障害は、嚥下ビデオ造影検査(VF)、嚥下内視鏡検査(VE)、反復唾液嚥下テスト、水飲みテスト、及びフードテストによって評価される。VFとVEの長所は咽頭残留や誤嚥といった嚥下障害を正確に評価できることであるが、短所はVFの場合はX線照射により被検者のみならず検者も被曝すること、VEの場合は医師・歯科医師が施行する必要があることなどである。



(先行技術)
上記誤嚥や嚥下障害を検出・検査する方法として、以下の方法が報告されている。



特許文献1では、「嚥下障害等の症状の診断において嚥下音を採取する嚥下音採取装置であって、該装置は、患者の嚥下時の嚥下音を採取するマイク部を含む、患者の嚥下時の情報を採取する生体情報入力部と、前記生体情報入力部が接続され、前記生体情報入力部により採取された情報を電気信号又は数値情報に変換する制御回路部と、前記制御回路部に接続され、前記制御回路部により変換された電気信号又は数値情報を視覚的及び/又は聴覚的に出力する出力部と、からなることを特徴とする嚥下音採取装置」を開示している。
しかし、特許文献1は、ファジィ推論を用いることはいっさい開示していない。



特許文献2では、「被検者の胸骨上窩部の運動に応じた第1の生体情報を取得する第1の情報取得部と、被検者の呼吸活動に応じた第2の生体情報を取得する第2の情報取得部と、前記第2の生体情報に基づいて被検者の呼吸活動の停止状態を検知し、検知された呼吸活動の停止状態の期間における前記第1の生体情報に基づいて被検者の嚥下活動を検知する嚥下活動検知部と、を有する嚥下活動モニタリング装置」を開示している。
しかし、特許文献2は、ファジィ推論を用いることはいっさい開示していない。



特許文献3では、「測定対象者の首に装着される装着用フレームと、該装着用フレームの内側に設けられ、前記測定対象者の嚥下動作に伴う喉頭動作音を測定する音測定部と、前記音測定部により測定された前記喉頭動作音に基づく測定結果を提示する提示部と、該音測定部により測定された前記喉頭動作音の測定データから喉頭蓋閉音、食塊通過音、喉頭蓋開音の各音データを解析する音データ解析手段と、該音データ解析手段により解析された前記喉頭蓋閉音、前記食塊通過音、前記喉頭蓋開音により食塊が食道を通過したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果を前記提示部に提示させる制御手段と、を備えたことを特徴とする嚥下機能データ測定装置」を開示している。
しかし、特許文献3は、ファジィ推論を用いることはいっさい開示していない。



特許文献4では、「嚥下活動を検出するための方法であって:嚥下活動を表す電子信号を受信するステップ;前記信号から少なくとも2つの特徴を抽出するステップ;前記特徴に基づき嚥下活動の型として前記信号を分類するステップ;および、前記分類を表す出力を生成するステップ;を包含する方法」を開示している。
しかし、特許文献4は、「ファジィ・ロジック」について言及しているが、具体的なファジィ規則をいっさい開示していない。

産業上の利用分野


本発明は、ファジィ推論を用いた嚥下検出方法、嚥下活動モニタリングシステム及び嚥下機能評価方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
前件部が測定対象者の特性を示す入力変数及び入力変数メンバーシップ関数を含み、後件部が測定対象者の嚥下可能性を示す出力変数及び出力変数メンバーシップ関数を含む、嚥下と非嚥下とを区別するファジィ規則を設定する工程と、
測定対象者からの入力変数に関するデータ、該入力変数、該入力変数メンバーシップ関数、該出力変数、及び該出力変数メンバーシップ関数をファジィ化処理して、出力集合を得る工程と、
該出力集合を非ファジィ化して非ファジィ化出力値を得る工程と、及び
該非ファジィ化出力値を基にして嚥下であるか非嚥下であるかを判定する工程を含む、
嚥下の検出方法。

【請求項2】
前件部が特定期間の測定対象者の特性を示す入力変数及び入力変数メンバーシップ関数を含み、後件部が測定対象者の誤嚥可能性を示す出力変数及び出力変数メンバーシップ関数を含む、正常嚥下と誤嚥とを区別するファジィ規則を設定する工程と、
測定対象者からの入力変数に関するデータ、該入力変数、該入力変数メンバーシップ関数、該出力変数、及び該出力変数メンバーシップ関数をファジィ化処理して、出力集合を得る工程と、
該出力集合を非ファジィ化して非ファジィ化出力値を得る工程と、及び
該非ファジィ化出力値を基にして正常嚥下であるか誤嚥であるかを判定する工程を含む、
嚥下活動モニタリングシステム。

【請求項3】
前件部が特定期間の測定対象者の特性を示す入力変数及び入力変数メンバーシップ関数を含み、後件部が測定対象者の嚥下障害可能性を示す出力変数及び出力変数メンバーシップ関数を含む、嚥下障害であるか非嚥下障害であるかを区別するファジィ規則を設定する工程と、
測定対象者からの入力変数に関するデータ、該入力変数、該入力変数メンバーシップ関数、該出力変数、及び該出力変数メンバーシップ関数をファジィ化処理して、出力集合を得る工程と、
該出力集合を非ファジィ化して非ファジィ化出力値を得る工程と、及び
該非ファジィ化出力値を基にして嚥下障害であるか非嚥下障害であるかを判定する工程を含む、
嚥下機能評価方法。

【請求項4】
前記出力集合を非ファジィ化して非ファジィ化出力値を得る工程は、以下(1)~(3)のいずれか1以上を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載の嚥下の検出、嚥下活動モニタリングシステム又は嚥下機能評価方法。
(1)前記ファジィ規則が1つの場合は、前記出力集合の重心を特定して前記非ファジィ化出力値を得る工程
(2)前記ファジィ規則が複数の場合は、複数の前記ファジィ規則のそれぞれから得られた前記出力集合を集計して出力和集合を得て、該出力和集合の重心を特定して前記非ファジィ化出力値を得る工程
(3)前記ファジィ規則が複数の場合は、複数の前記ファジィ規則のそれぞれから得られた前記出力集合に重みを付加して、重みを付加した出力集合を集計して出力和集合を得て、該出力和集合の重心を特定して前記非ファジィ化出力値を得る工程

【請求項5】
前記入力変数は、呼吸情報、音声情報、舌骨情報を含む群から選択される少なくとも1つを含む、
請求項1~4のいずれか1に記載の嚥下の検出、嚥下活動モニタリングシステム又は嚥下機能評価方法。

【請求項6】
前記入力変数は、呼吸停止情報値及び音強度値である請求項1~5のいずれか1に記載の嚥下の検出、嚥下活動モニタリングシステム又は嚥下機能評価方法。

【請求項7】
前記ファジィ規則は、以下のいずれか1以上を含む請求項1~6のいずれか1に記載の嚥下の検出、嚥下活動モニタリングシステム又は嚥下機能評価方法。
(1)Xbreath(呼吸停止情報値)と Yswallow(嚥下確定値)が相関している
(2)Xsound(音強度値)とYswallow(嚥下確定値)が相関している

【請求項8】
前記ファジィ規則は、以下のいずれか1以上を含む請求項1~7のいずれか1に記載の嚥下の検出、嚥下活動モニタリングシステム又は嚥下機能評価方法。
規則1:Xbreath(呼吸停止情報値)が低度の場合にはYswallow(嚥下確定値)は低度である
規則2:Xbreath(呼吸停止情報値)が中程度の場合には Yswallow(嚥下確定値)は中程度である
規則3:Xbreath(呼吸停止情報値)が高度の場合には Yswallow(嚥下確定値)は高度である
規則4:Xsound(音強度値)が低度の場合にはYswallow(嚥下確定値)は低度である
規則5:Xsound(音強度値)が中程度の場合にはYswallow(嚥下確定値)は中程度である
規則6:Xsound(音強度値)が高度の場合にはYswallow(嚥下確定値)は高度である
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2014157803thum.jpg
出願権利状態 公開


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