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コールドスプレー溶射法のノズルにおけるガスの流通状態のノズル外周面温度に基づく診断方法

国内特許コード P160013013
整理番号 S2014-1424-N0
掲載日 2016年6月2日
出願番号 特願2014-177347
公開番号 特開2016-050352
出願日 平成26年9月1日(2014.9.1)
公開日 平成28年4月11日(2016.4.11)
発明者
  • 片野田 洋
出願人
  • 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 コールドスプレー溶射法のノズルにおけるガスの流通状態のノズル外周面温度に基づく診断方法
発明の概要 【課題】コールドスプレー溶射法のノズルにおけるガスの流通状態を、安価かつ簡便に診断する診断方法を提供する。
【解決手段】コールドスプレー溶射法のノズル1におけるガスの流通状態のノズル外周面温度に基づく診断方法は、ノズル1のスロート132からノズル出口12までの範囲の外周面の流通方向の温度分布を測定する温度分布測定ステップと、温度分布測定ステップにおいて測定した温度分布に基づいて、ノズル1の流路13におけるガスの流通状態を判定する判定ステップと、を有する。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


ドライコーティング技術として、溶射法が知られている。溶射法は、メッキなどのウェットコーティングと比較して、環境に有害な物質を排出しないという特徴を有している。一般に、溶射法においては、高温のガスの流れを用いて固体粒子(溶射粒子)を加速および加熱し、機械部品や構造部材の被コーティング物(基材)の表面に吹き付ける。溶射粒子は、軟化状態または半溶融状態で被コーティング物の表面に次々に衝突し、塑性変形を起こして皮膜となる。そして、溶射粒子の材料の種類によって、耐食性、耐酸化性、耐摩耗性を有するコーティング(皮膜)を形成することが可能である。また、数10μm~数cmの厚さの皮膜を形成することが可能である。



一方、従来の溶射法では、溶射粒子を加熱・加速するガスの温度が数1000℃以上であるため、溶射粒子が熱により変質するという問題を有している。このような問題を解決するため、コールドスプレー溶射法が開発されている。コールドスプレー溶射法は、最高で1000℃程度まで加熱した高圧の不活性ガス(例えば窒素やヘリウム)を、ノズルを通じて超音速に加速し、このガスの流れを用いて溶射粒子を基材に吹き付ける。コールドスプレー溶射法においては、従来の溶射法に比較してガス温度が低いため、溶射粒子はほとんど酸化しない。ただし、溶射粒子の温度が従来の溶射法に比較して低いため、溶射粒子が基材表面で塑性変形しにくい。そこで、コールドスプレー溶射法では、溶射粒子の速度を上げ、熱エネルギーよりも運動エネルギーによって溶射粒子に塑性変形を生じさせて成膜させている。



コールドスプレー溶射法では、溶射粒子を加速するために、ノズル内を流通するガスを超音速に加速することが必要になる。また、溶射粒子を最大限加速し、かつ、ガスの消費量を抑制するために、コールドスプレー溶射法で用いられるノズル内のガスの流路は、内径が小さく細長い末広がり形状に形成される。例えば、流路は長さが100~300mm程度で、内径が2~5mm程度に形成される。なお、ノズルの内周面の表面粗さが粗いほど、ガスが減速されやすくなる。しかしながら、ノズルの内周面の表面粗さと減速の程度の定量的な関係はいまだ明らかになっていない。このため、ノズルの設計自体はノズルの内周面の表面粗さを無視することで計算により可能であるが、計算だけではノズル内面の表面粗さが原因のガス速度の低下をノズルの設計に反映できない。したがって、コールドスプレー溶射法で用いるノズルを製作した後には、ガス速度が超音速になっているか否かを実験により確認しなければならない。



ノズル内でガス速度が超音速になっているか否かを判定する方法としては、ノズル内壁の静圧分布を測定する方法がある。しかしながら、この方法では、ノズルの複数箇所に静圧測定用の穴をあける必要がある。このほか、ノズル出口においてガス速度を測定する方法があるが、この場合には高価な測定機器が必要になる。



特許文献1と特許文献2には、流体のリークの検出とリーク発生位置の特定する方法として、配管の外部表面温度を用いる方法が開示されている。しかしながら、これらの特許文献は、いずれも、コールドスプレー溶射法で用いられるノズルへの適用を想定するものではない。さらに、これらの方法では、配管内の流体の状態そのものを測定することはできない。

産業上の利用分野


本発明は、コールドスプレー溶射法のノズルにおけるガスの流通状態のノズル外周面温度に基づく診断方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
コールドスプレー溶射法のノズルにおけるガスの流通状態のノズル外周面温度に基づく診断方法であって、
前記ノズルのスロートからノズル出口までの範囲の外周面の流通方向の温度分布を測定する温度分布測定ステップと、
前記温度分布測定ステップにおいて測定した温度分布に基づいて、前記ノズルの流路におけるガスの流通状態を判定する判定ステップと、
を有することを特徴とするコールドスプレー溶射法のノズルにおけるガスの流通状態のノズル外周面温度に基づく診断方法。

【請求項2】
前記温度分布測定ステップにおいて測定された温度分布が、前記スロートから前記ノズル出口よりも上流側に所定の長さを離れた位置までの範囲において、前記ガスの流通方向の下流側に向かって単調に低下する場合には、
前記判定ステップにおいて、ガスの流通状態が目標とする状態にあると判定することを特徴とする請求項1に記載のコールドスプレー溶射法のノズルにおけるガスの流通状態のノズル外周面温度に基づく診断方法。

【請求項3】
前記所定の長さは、前記ノズル出口の側の端面の外径と同じ長さであることを特徴とする請求項2に記載のコールドスプレー溶射法のノズルにおけるガスの流通状態のノズル外周面温度に基づく診断方法。

【請求項4】
前記判定ステップにおいて、最も温度が低い位置に衝撃波が発生していると判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコールドスプレー溶射法のノズルにおけるガスの流通状態のノズル外周面温度に基づく診断方法。

【請求項5】
前記温度分布測定ステップにおいては、常温のガスを用いることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のコールドスプレー溶射法のノズルにおけるガスの流通状態のノズル外周面温度に基づく診断方法。

【請求項6】
温度分布測定ステップにおいて、赤外線カメラによって前記ノズルの外周面の温度分布を測定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のコールドスプレー溶射法のノズルにおけるガスの流通状態のノズル外周面温度に基づく診断方法。

【請求項7】
前記温度分布測定ステップにおいて前記ノズルの外周面のある位置における温度を測定し、
前記ノズルが未使用である状態と使用を開始した後の状態である状態とで、前記ある位置における温度を大気温度で除した無次元温度上昇量を算出し、
算出した前記無次元温度上昇量に基づいてガス速度の低下量を算出することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のコールドスプレー溶射法のノズルにおけるガスの流通状態のノズル外周面温度に基づく診断方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014177347thum.jpg
出願権利状態 公開
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