TOP > 国内特許検索 > 抗HCV活性を有する薬剤

抗HCV活性を有する薬剤 UPDATE コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P160013021
整理番号 15P052
掲載日 2016年6月2日
出願番号 特願2016-048508
公開番号 特開2017-160173
出願日 平成28年3月11日(2016.3.11)
公開日 平成29年9月14日(2017.9.14)
発明者
  • 池田 正徳
  • 武田 緑
  • 加藤 宣之
出願人
  • 国立大学法人 鹿児島大学
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 抗HCV活性を有する薬剤 UPDATE コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】抗HCV剤の提供。
【解決手段】グアンファシン又はその塩を含む抗HCV剤、該抗HCV剤を用いてHCVの複製を抑制する方法、並びにグアンファシン若しくはその塩又は該抗HCV剤を含むC型肝炎の治療若しくは予防用組成物、及び該組成物を含むキット。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


C型肝炎ウイルス(Hepatitis C Virus; HCV)はフラビウイルス科へパシウイルス属に属する一本鎖のプラス鎖RNAウイルスである。ウイルスが細胞に侵入すると初めに、約3000アミノ酸残基からなるHCV前駆体タンパク質が産生される。次に、このHCV前駆体タンパク質から、宿主のタンパク質分解酵素とウイルスのタンパク質分解酵素によって10種類の成熟したウイルスタンパク質が産生される。10種類のタンパク質のうち、コア(Core)、E1、E2及びp7は、ウイルス粒子産生に必要な構造タンパク質であり、NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5A及びNS5Bは、ウイルスの複製に必要な非構造タンパク質である。



HCV感染者は国内に約200万人、世界で約2億人と推定されている。HCVに感染すると、およそ70%の人がHCVが排除されることなく持続感染状態となり、多くの場合C型慢性肝炎を発症し、その後、10~20年でC型慢性肝炎は致死的な肝硬変や肝癌へと移行する。



C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)単独療法は以前から実施されているが、有効でない場合がある。最近、ソホスブビル(Sofosbuvir; HCV NS5Bの阻害剤)とレジパスビル(Ledipasvir; HCV NS5Aの阻害剤)を組み合わせた治療薬が日本において承認され90%以上の高い有効性が報告されている。しかし、これらの薬剤は非常に高価であるという問題があり、多くのHCV感染者を有する発展途上国においても使用できる、より安価な抗HCV剤の開発が求められている。またソホスブビルに対する薬剤耐性ウイルスはすでに同定されており、さらなる薬剤耐性ウイルスの出現を防止するため抗HCV剤の選択肢を増やす必要がある。



HCVには感染増殖が可能な動物モデルが一般に存在しないため、感染動物モデルを用いた抗HCV剤の評価は行われていない。そのため、抗HCV剤のスクリーニングのために、HCVの生活環(感染、翻訳、複製、粒子形成及び放出)を再現しながら、HCVの増殖が可能な培養細胞系の開発が望まれていた。しかし、このような培養細胞系の構築は困難であり、1999年にドイツのグループがHCVレプリコンシステム(非構造領域からなるHCVサブゲノム遺伝子が細胞内で自律的に増殖する培養細胞系)を開発して初めて、抗HCV剤のスクリーニングが可能となった(非特許文献1)。その後、本発明者らは、全長HCV RNAが自律的に複製する細胞を樹立し(非特許文献2)、さらに、レポーターによってHCVゲノムの複製レベルをモニタリングできる培養細胞系(OR6細胞)を開発した(特許文献1及び非特許文献3)。OR6細胞は、レポーター遺伝子としてレニラルシフェラーゼ遺伝子が組み込まれたHCV全長ゲノムを発現するため、有利なことに、レニラルシフェラーゼ活性を測定するだけで、HCV RNAの複製レベルを定量的に簡便にモニターできる。本発明者らは、OR6細胞によるアッセイ系を用いて既存薬等のスクリーニングを行うことにより、スタチン系化合物(特許文献2)、5-HETE(特許文献3)、オンコスタチンM(特許文献4)などが抗HCV活性を有することを見出している。



上述したようなHCVの増殖が可能な培養細胞系は、全て、ヒト肝癌細胞株HuH-7に由来している。しかし、1種類の細胞株のみを用いたスクリーニングでは、抗HCV活性を有する薬剤を見落としてしまう可能性がある。そこで本発明者らは、HuH-7以外の細胞株を用いた、HCVの増殖が可能な培養細胞系の開発に取り組み、ヒト肝癌細胞株Li23由来で、HCV RNAの複製レベルを、レニラルシフェラーゼ活性を測定することでモニターできる培養細胞系(ORL8及びORL11細胞)の開発に成功した(特許文献5及び非特許文献4)。そして本発明者らは、N-89及びN-251などのペルオキシド誘導体が、OR6、ORL8及びORL11細胞のいずれにおいても抗HCV活性を有することを見出している(特許文献6)。



グアンファシンは、α2アドレナリン受容体作動薬であり、降圧剤として以前よく使用されていた。また、グアンファシンには、小児のADHD(注意欠陥・多動性障害)に対する改善効果があることが報告されている。

産業上の利用分野


本発明は、抗C型肝炎ウイルス(HCV)剤に関するものであり、より詳細にはグアンファシン又はその塩を含む抗HCV剤に関する。本発明はまた、該抗HCV剤を用いてHCVの複製を抑制する方法、並びにグアンファシン若しくはその塩又は該抗HCV剤を含むC型肝炎の治療若しくは予防用組成物、及び該組成物を含むキットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
グアンファシン又はその塩を含む、抗HCV剤。

【請求項2】
グアンファシンの塩が、グアンファシン塩酸塩である、請求項1に記載の抗HCV剤。

【請求項3】
HCVが、遺伝子型1bのHCVである、請求項1又は2に記載の抗HCV剤。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の抗HCV剤を単離された細胞又は組織に投与することを含む、HCVの複製をin vitroで抑制する方法。

【請求項5】
グアンファシン若しくはその塩、又は請求項1~3のいずれか一項に記載の抗HCV剤を含む、C型肝炎の治療又は予防用組成物。

【請求項6】
請求項5に記載のC型肝炎の治療又は予防用組成物を含む、C型肝炎の治療又は予防用キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2016048508thum.jpg
出願権利状態 公開
特許の内容に興味を持たれた方、ライセンスをご希望の方は、下記「問合せ先」までお問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close