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液体培地用足場部材 新技術説明会

国内特許コード P160013035
整理番号 14-136
掲載日 2016年6月8日
出願番号 特願2015-128799
公開番号 特開2017-012005
出願日 平成27年6月26日(2015.6.26)
公開日 平成29年1月19日(2017.1.19)
発明者
  • 村山 晃一
  • 青柳 秀紀
出願人
  • フタムラ化学株式会社
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 液体培地用足場部材 新技術説明会
発明の概要 【課題】寒天を含有しない液体培地を用いることにより寒天による生育阻害の影響を回避可能とし、しかも液体培地にみられる取り扱いの煩雑さも解消し、さらには自動化処理へも対応可能な液体培地用足場部材を提供する。
【解決手段】液体培地3と接触し該液体培地を吸液して保持する不織布の浸透台部11と、浸透台部に載置され浸透台部に吸液された液体培地を透過させる半透膜の透過性膜部15と、透過性膜部と密着し板厚が少なくとも0.4mm以上の樹脂製部材の板体であって板体に貫通穴部23が形成されている区画培養部20を備える。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


自然界に生育する微生物を単離する場合、土壌等の環境試料を採取し適度に希釈後、栄養分を溶解した平板状の寒天培地に塗布もしくはスラント状の寒天培地に接種し、コロニーの生成により微生物の生育を確認していた。そして、微生物のコロニーを分取しさらに別の寒天培地上に塗布、接種を繰り返すことにより、純度が高まり均一の微生物を単離することができる。



一般的な寒天培地の場合、培地中に約1.5%の寒天が含まれる。寒天培地は安価かつ簡便に作成できる。また、寒天の主成分であるアガロースは微生物の栄養となりにくいため、培地中に含有される栄養分の調節が容易であり、培地を通じて微生物を選択することもできる。このため、寒天培地は微生物の単離、培養等において広汎に利用されている。



これまでの知見によると、たいていの微生物は前述の寒天培地により培養できると考えられていた。ところが、寒天培地の改良を進めるに際し、自然界に生育する微生物において、寒天培地により単離し、培養することができる微生物は極めて少ないと考えられるようになってきた。近年のDNA分析の発達により各種微生物をあらためて調査したところ、寒天培地により単離し、培養することができる微生物は、一説によると全種の1%程度に過ぎないともいわれている。現状、寒天に含まれるアガロース等の成分がどのように微生物の生育に影響を及ぼすのかは未だ明らかにされていない。



このように、寒天培地による単離、培養が困難な微生物は「難培養性微生物」と称される。前記の難培養性微生物においても、汚染物質の分解等の環境改善作用、新規抗生剤等の薬理作用、その他の有用な作用が期待され、未利用資源としての注目を集めている。難培養性微生物は現実に存在しているにもかかわらず、寒天培地により単離できないことから有効に活用されていない。



そこで、寒天培地に依存しない器具、方法が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では次のとおり開示される。微多孔膜の表面に微生物を捕集した後、捕集した面を下向きにする。押さえリングとベースからなる微多孔膜支持体に微多孔膜を固定する。捕集面の反対側の面に液体培地を接触させる。液体培地は微多孔膜を浸透することにより、微生物に到達できる。培地養分を得た微生物は、微多孔膜の下側面にコロニーを形成することになる。



しかしながら、特許文献1に開示の器具等の場合、培養時に微生物を接種した微多孔膜の面を下側にひっくり返す必要がある。また、微多孔膜の上側に液体培地が滴下されるため、継代時の取り扱いが不便である。特に新規有用微生物のスクリーニングを行う際、一般的に多検体を取り扱う必要がある。しかし、特許文献1に開示の器具により多検体を取り扱うことは煩雑であり困難である。このため、特許文献1は寒天培地以外の培地への適用例としては注目に値するものの、培養等の取り扱いやすさにおいて改善が望まれる構成である。



次に、液体培地における微生物培養に特化した培養装置も提案されている(特許文献2参照)。特許文献2の装置は液体培地の培養槽中にポリフッ化ビニリデン等からなる多孔性中空糸膜を垂らし、この中空糸膜内に微生物を注入して培養する形態である。当該培養装置の使用により、微生物の単離培養の効率化が可能となった。特許文献2の装置を用いて対象となる微生物を培養する場合、多孔性中空糸膜内に注入するときの微生物の濃度を正確に管理する必要がある。また、装置を構成する部品数も多く複雑である。このことから、操作が煩雑であり装置の導入に要する経費負担が増す。従って、安価に仕上げて多数の試料を取り扱うことを想定すると不向きである。



一連の経緯から、発明者らは液体培地における微生物培養に好適な培地部材を新たに開発し、従前の課題を解消した(特許文献3参照)。当該培地部材は液体培地を吸液する浸透台部と透過性膜部を備える。そのため、簡便な構造であることから安価である。また、透過性膜部に採取した微生物等を播種することができ、液体培地による培養効率は大きく向上した。



その後、液体培地を利用しつつ、採取した微生物等のスクリーニング作業の効率化が検討されてきた。この場合、微生物を含む試料や生育した微生物の採取、生育に必要な薬剤の追加投与のため、分注等を効率良くしかも間違いなく実行する必要から、産業用ロボットの利用が急務となっている。そこで、自動化処理への対応を可能にするべく、特許文献3の培養部材をさらに改良発展させて新たな培養部材を完成させるに至った。

産業上の利用分野


本発明は、液体培地用足場部材に関し、特に寒天による生育阻害の影響を受けやすい生物種の培養に好適であり区画性に優れた液体培地用足場部材に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
液体培地と接触し該液体培地を吸液して保持する浸透台部と、
前記浸透台部に載置され前記浸透台部に吸液された前記液体培地を透過させる半透膜の透過性膜部と、
前記透過性膜部と密着する板体であって前記板体に貫通穴部が形成されている区画培養部とを備える
ことを特徴とする液体培地用足場部材。

【請求項2】
前記浸透台部が不織布である請求項1に記載の液体培地用足場部材。

【請求項3】
前記浸透台部が再生セルロース繊維からなる不織布である請求項1に記載の液体培地用足場部材。

【請求項4】
前記透過性膜部が再生セルロースフィルムの半透膜である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体培地用足場部材。

【請求項5】
前記区画培養部における前記貫通穴部は複数個形成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体培地用足場部材。

【請求項6】
前記区画培養部の板厚が少なくとも0.4mm以上である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液体培地用足場部材。

【請求項7】
前記区画培養部が樹脂製部材である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液体培地用足場部材。

【請求項8】
前記区画培養部の背面側に接着剤が塗布されて前記透過性膜部と密着している請求項1ないし7のいずれか1項に記載の液体培地用足場部材。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015128799thum.jpg
出願権利状態 公開
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