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キラルな固体金属及び固体複合体、並びにそれらの製造方法 コモンズ

国内特許コード P160013036
整理番号 P2014-210572
掲載日 2016年6月9日
出願番号 特願2014-210572
公開番号 特開2016-079057
出願日 平成26年10月15日(2014.10.15)
公開日 平成28年5月16日(2016.5.16)
発明者
  • 金 仁華
  • 劉 新玲
出願人
  • 学校法人神奈川大学
発明の名称 キラルな固体金属及び固体複合体、並びにそれらの製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】これまでにない新規なキラル材料を提供すること。
【解決手段】本発明のキラル材料は、主として珪素からなり、この珪素が結晶性であって、200~800nmの波長範囲の少なくともいずれかにおける円二色性スペクトル測定において円二色性が観察されることを特徴とするキラルな固体金属である。このような固体金属は、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を備えたポリマー及びキラルなジカルボン酸化合物を反応させて調製された酸塩基型錯体のキラル超分子結晶に対して、加水分解性の珪素化合物を作用させてその加水分解物の層をキラル超分子結晶の表面に形成させ、さらにこれを焼成して得たキラルなシリカ粒子を還元剤で還元した後で、還元されなかったシリカをフッ化水素酸で溶出させるという手法により調製できる。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


近年、分子間相互作用により有機化合物を平衡又は非平衡状態で自己組織化させて得られる、特定の空間形状やナノメートルオーダーの規則的構造等を備えたナノ構造体が盛んに提案されている。これらのナノ構造体は、様々な組成の有機/無機複合ナノ材料を構築するための基盤として用いることができるばかりでなく、各種の材質からなるナノ構造体を形成するための鋳型としても用いることができることから、学際的分野や産業的分野等から関心を寄せられている。



このようなナノ構造物の例として、例えば特許文献1には、特定の化学構造を備えた界面活性剤を溶液中で自己組織化させ、その周囲でシリカ源となる化合物をゾルゲル反応させてメソポーラスシリカ粒子を形成させることが提案されている。また、特許文献2には、互いに相溶しない非水溶性及び水溶性である2種のポリマーからミクロな相分離構造を形成させ、これをもとに平均孔径1~200nmのシリンダー構造の細孔を備えた多孔質膜を形成させることが提案されている。さらに、生体高分子であるDNAやタンパク質が自己組織化により独特な立体構造を備えたナノ構造体となることもよく知られている。しかし、結晶性を備えたポリマーからなる結晶性のナノ構造物は少ない。



また、キラリティーを備えたナノ構造体を鋳型とし、その周囲にシリカ等の金属酸化物の層を成長させることにより、鋳型の持つキラリティーを金属酸化物に転写させることが提案されている。このような例として、例えば特許文献3には、らせん構造等の光学活性なキラル配向構造を備えた重合体を鋳型とし、当該鋳型に金属ソースを作用させてキラルな有機/無機複合体を得ることが提案されている。このような有機/無機複合体では、金属酸化物にキラリティーが転写されているので、例えば触媒活性を備えた金属酸化物を当該有機/無機複合体の無機成分として選択すれば、キラルな反応場を備えた金属酸化物触媒が得られる可能性があると考えられる。



一方、本発明者らは、既に、直鎖状ポリエチレンイミンの結晶化に着目し、その繊維状結晶及びその結晶体を反応場に用いることによる複雑階層シリカ構築を展開してきた。そして、本発明者らは、直鎖状ポリエチレンイミンと、炭素数が4のジカルボン酸である酒石酸とから酸塩基型錯体であるナノシート状の超分子結晶が生成することを見出した(特許文献4を参照)。また、本発明者らは、直鎖状ポリエチレンイミンと、キラルなジカルボン酸化合物とから超分子結晶を調製し、これに加水分解性アルコキシシラン類化合物を加えて反応させることでキラリティーを有するシリカが得られることを見出した(非特許文献1を参照)。さらに、アルコキシシラン以外の加水分解性遷移金属化合物を作用させて焼成することで、キラルな遷移金属酸化物の結晶が得られることを見出した(特許文献5を参照)。これらの無機酸化物におけるキラリティーは、鋳型となった超分子結晶に含まれるキラルなジカルボン酸化合物のキラリティーを由来とするものである。こうしたキラルな無機酸化物は、キラルな生成物を得ることのできる反応場としての用途が期待できるとともに、円偏光のような特殊な偏光を備えた光にのみ感応するセンサー等としてセキュリティー分野への用途も期待されるものである。

産業上の利用分野


本発明は、キラルな固体金属及び固体複合体、並びにそれらの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
主として珪素からなり、前記珪素が結晶性であって、200~800nmの波長範囲の少なくともいずれかにおける円二色性スペクトル測定において円二色性が観察されることを特徴とするキラルな固体金属。

【請求項2】
粉末である請求項1記載のキラルな固体金属。

【請求項3】
主として珪素及び酸化珪素からなり、前記珪素が結晶性であって、200~800nmの波長範囲の少なくともいずれかにおける円二色性スペクトル測定において円二色性が観察されることを特徴とする、金属及びその酸化物のキラルな固体複合体。

【請求項4】
粉末である請求項3記載の金属及びその酸化物のキラルな固体複合体。

【請求項5】
直鎖状ポリエチレンイミン骨格を備えたポリマー及びキラルなジカルボン酸化合物を反応させて酸塩基型錯体のキラル超分子結晶を得る結晶生成工程と、
前記キラル超分子結晶に加水分解性の珪素化合物を作用させるゾルゲル法により、前記キラル超分子結晶の表面に前記珪素化合物の加水分解物の層を形成させるゾルゲル工程と、
前記ゾルゲル工程を経たキラル超分子結晶を焼成することで、有機物であるキラル超分子結晶を分解させるとともに前記加水分解物の層をシリカに転換させてシリカの構造体を得る焼成工程と、
前記シリカの構造体と還元剤との混合物を調製した後、この混合物を加熱して前記構造体に含まれるシリカの一部を還元することで、シリカ及び珪素を含んだ固体複合体を得る還元工程と、
前記還元工程を経た固体複合体にフッ化水素酸を作用させ、前記還元工程で還元されなかったシリカを溶解除去して主として珪素からなる固体金属を得る除去工程と、を備えたキラルな固体金属の製造方法。

【請求項6】
前記還元剤がマグネシウムの粉末である請求項5記載のキラルな固体金属の製造方法。

【請求項7】
直鎖状ポリエチレンイミン骨格を備えたポリマー及びキラルなジカルボン酸化合物を反応させて酸塩基型錯体のキラル超分子結晶を得る結晶生成工程と、
前記キラル超分子結晶に加水分解性の珪素化合物を作用させるゾルゲル法により、前記キラル超分子結晶の表面に前記珪素化合物の加水分解物の層を形成させるゾルゲル工程と、
前記ゾルゲル工程を経たキラル超分子結晶を焼成することで、有機物であるキラル超分子結晶を分解させるとともに前記加水分解物の層をシリカに転換させてシリカの構造体を得る焼成工程と、
前記シリカの構造体と還元剤との混合物を調製した後、この混合物を加熱して前記構造体に含まれるシリカの一部を還元することで、シリカ及び珪素を含んだ固体複合体を得る還元工程と、を備えたキラルな固体複合体の製造方法。

【請求項8】
前記還元剤がマグネシウムの粉末である請求項7記載のキラルな固体複合体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014210572thum.jpg
出願権利状態 公開
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