TOP > 国内特許検索 > 機能性膜及びその成膜装置、成膜方法

機能性膜及びその成膜装置、成膜方法 新技術説明会

国内特許コード P160013060
整理番号 110045JP01
掲載日 2016年6月23日
出願番号 特願2012-214009
公開番号 特開2014-065961
登録番号 特許第5458277号
出願日 平成24年9月27日(2012.9.27)
公開日 平成26年4月17日(2014.4.17)
登録日 平成26年1月24日(2014.1.24)
発明者
  • 臼井 博明
  • 泉田 和夫
  • 松田 剛
出願人
  • ミクロ技研株式会社
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 機能性膜及びその成膜装置、成膜方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】優れた反射防止効果と基材に対する高い密着性とを備えた機能性膜を提供する。
【解決手段】真空排気された真空容器10内で基板Wの被処理面に向けフッ素系モノマーを供給して当該被処理面に蒸着させるときに、蒸着の開始から終了までの間、イオン照射手段15で発生させたイオンを当該被処理面に向けて照射して当該基板W及び成膜中の膜面に化学的活性点を形成させてフッ素系モノマーの重合を促進させ、且つ、当該被処理面を改質するとともに、イオンを発生させるために印加される電圧を逐次変化させて、膜の屈折率が基板W側から膜表面に向けて連続的に変化する遷移層となるように成膜する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


現在、光学系基材の多くには、基材表面での反射により透過光が損失してしまうことを防止するために、反射防止膜が基材表面に形成されている。この反射防止膜として、例えば無機誘電体材料から成る多層膜や、フッ素系材料から成る低屈折率高分子膜などが知られている。低屈折率高分子膜は、単層のものであってもある程度の反射防止効果は得られる。また、フッ素系高分子は表面エネルギーが低いため、防汚性に優れた特徴がある。



しかし、フッ素系材料は難溶性であることから、基材表面にコーティングすることが困難である。また、表面エネルギーが低いため、基材表面に対する密着性が悪い等の問題がある。例えば、粉体焼結法によりフッ素コーティングを施す方法では、平坦性を高く維持しながら、例えば厚さ1ミクロン以下の均質な膜を得ることが困難である。さらに、基材それ自体も耐熱性が高く、変形しにくいものが必要となり、密着性を上げるためには表面のサンドブラスト処理などが必要となる。



例えば、特開2006-1014号公報では、含フッ素有機物質を蒸着法により、非フッ素含有物質をイオンビームスパッタ法により、同時に基材表面に堆積させる工程を備えることにより上記問題点を解消しようとする含フッ素薄膜を有する基材の製造方法が開示されている。



フッ素系高分子膜を蒸着法で形成するためには、フッ素系モノマー材料を蒸着し、ラジカル重合を開始させる必要がある。特開2010-224315号公報では、電子線あるいは紫外線をフッ素系モノマーに照射して重合開始点を形成し、空気側から光学部品の基材側に向けて屈折率が変化した傾斜膜を形成するフッ素系高分子膜の単層膜コーティング方法が開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、イオン照射を併用したフッ素系モノマー材料の蒸着重合による反射防止機能を高めた機能性膜の成膜に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基材の被処理面を成膜するための成膜装置であって、
真空排気が可能な容器と、
前記容器内に配置された基材の被処理面に向けフッ素系モノマーを供給して当該被処理面に蒸着させるための蒸着手段と、
発生させたイオンを前記基材の被処理面に向けて照射するための照射手段と、
前記イオンを発生させるため前記照射手段に印加される電圧を逐次変化させるための制御手段と、を備え、
前記照射手段は、真空排気された前記容器内で行われる前記被処理面への蒸着の開始から終了までの間、当該被処理面に向けてイオンを照射して当該基材及び成膜中の膜面に化学的活性点を形成させて前記フッ素系モノマーの重合を促進させるとともに、当該被処理面を改質して成膜するように構成されており
前記制御手段は、前記被処理面に蒸着された膜の屈折率が前記基材側から当該膜表面に向けて高屈折率から低屈折率へと連続的に変化する遷移層として成膜されるように、前記照射手段に印加される電圧を所定の値から0[V]までの間で一定の割合で減少させることを特徴とする、
成膜装置。

【請求項2】
前記真空容器内で前記基材を保持するための保持手段をさらに備え、
前記保持手段は、前記基材の被処理面への蒸着の開始から終了までの間、保持した当該基材を所定の温度に保つための温調機構に接続されている、
請求項1記載の成膜装置。

【請求項3】
前記制御手段は、前記フッ素系モノマーの供給を停止した後、前記照射手段によるイオン照射を所定の時間継続させ、蒸着された膜の表面を前記イオンの照射により生じるスパッタリング効果により平坦化させるように構成されている、
請求項1又は2に記載の成膜装置。

【請求項4】
前記制御手段は、前記基材の被処理面に向けて照射されるイオンの照射角度、又は、当該イオンの照射開始位置からイオンが到着する当該基材表面までの距離の少なくとも一方を変化させることができるように構成されている、
請求項1、2又は3に記載の成膜装置。

【請求項5】
前記基材の被処理面への成膜を連続して行うために、当該基材を移送するための移送手段をさらに備える、
請求項1乃至いずれかの項記載の成膜装置。

【請求項6】
前記フッ素系モノマーが、パーフルオロアルキルアクリレート類である、
請求項1乃至いずれかの項記載の成膜装置。

【請求項7】
基材の被処理面を成膜する方法であって、
処理対象である前記基材を真空排気された容器内に配置した後、この基材の被処理面に向けフッ素系モノマーを供給して当該被処理面に蒸着させるときに、当該蒸着の開始から終了までの間、発生させたイオンを当該被処理面に向けて照射して当該基材及び成膜中の膜面に化学的活性点を形成させて前記フッ素系モノマーの重合を促進させ、且つ、当該被処理面を改質して成膜するとともに前記被処理面に蒸着された膜の屈折率が前記基材側から当該膜表面に向けて高屈折率から低屈折率へと連続的に変化する遷移層として成膜されるように、当該イオンを発生させるために印加される電圧を所定の値から0[V]までの間で一定の割合で減少させることを特徴とする、
成膜方法。

【請求項8】
基材の被処理面に成膜され、反射防止機能を備えた機能性膜であって、
真空排気された容器内で前記基材の被処理面に向けフッ素系モノマーを供給して当該基材表面に蒸着させるときに、当該蒸着の開始から終了までの間、発生させたイオンを当該被処理面に向けて照射して当該基材及び成膜中の膜面に化学的活性点を形成させて前記フッ素系モノマーの重合を促進させ、且つ、当該被処理面を改質するとともに、イオンを発生させるために印加される電圧を所定の値から0[V]までの間で一定の割合で減少させて、膜の屈折率が前記基材側から当該膜表面に向けて高屈折率から低屈折率へと連続的に変化する遷移層となるように成膜されたことを特徴とする、
機能性膜。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2012214009thum.jpg
出願権利状態 登録
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close