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サイトカイン遺伝子多型による抗がん剤副作用の予測方法

国内特許コード P160013072
整理番号 H17-085
掲載日 2016年6月29日
出願番号 特願2005-189790
公開番号 特開2007-006744
登録番号 特許第4787956号
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
登録日 平成23年7月29日(2011.7.29)
発明者
  • 岡 正朗
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 サイトカイン遺伝子多型による抗がん剤副作用の予測方法
発明の概要 【課題】
本発明は、遺伝子の多型情報に基づいて抗がん剤による副作用を予測する方法に関し、これまでの様な個々の薬剤代謝に係る遺伝子ではなく、刺激に対する応答に関与するサイトカインに着目して、そこに存在する多型からその細胞に対する抗がん剤の副作用を予測する方法を提供することを目的とする
【解決手段】
上記課題の解決のため、本発明は、特にサイトカイン遺伝子の転写調節に関連のあるプロモーター領域に着目し、この領域に存在する塩基多型を検出することで、抗がん剤の副作用を予測する方法を提供する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


がん治療において、抗がん剤の効果と副作用の多様性は大きな問題である。同じ抗がん剤を用いた治療においても、ケースによっては重い副作用を示す場合があり、抗がん剤の効果そのものと同様にその副作用予測を的確に行い、適切な抗がん剤を選択することが、効果的ながん治療には不可欠であると考えられる。



これまでに、抗がん剤の副作用には薬物代謝に関わる遺伝子の多型が影響を持つことが報告されてきている(非特許文献1-3)。すなわち、これらの遺伝子のcoding regionに多型が存在することにより、タンパク質のアミノ酸配列に変異が生じ、この変異がタンパク質の活性に影響を与えることが、抗がん剤の副作用となって現れるのだと考えられている。



またこの様な観点から、特に薬物代謝酵素の多型と抗がん剤の副作用に着目して、CYP遺伝子の多型等を利用した抗がん剤副作用や感受性の判定方法が開示されている(特許文献1,2)。しかしながら、これまでに知られている抗がん剤はその種類、作用機序ともに極めて多様であり、薬物代謝遺伝子の多型もその遺伝子産物が代謝する薬剤にのみ適用可能であるのが現状である。このため、薬剤と遺伝子の1対1の対応関係にとどまらない、広範な薬剤に対する副作用を容易に予測可能な方法の開発が望まれていた。
【非特許文献1】
Van Kuilenburg AB.et al.(2002)Int.J.Cancer 101:253-8.
【非特許文献2】
Rouits E.et al.(2004)Clin.Cancer Res.10:5151-9.
【非特許文献3】
Lecomte T.et al.(2004)Clin.Cancer Res.10:5880-8
【非特許文献4】
Wang L.et al.(1994)Nucleic Acid Res.22:1774-5.
【非特許文献5】
Hamajima N.et al.(2000)Jpn.J.Cancer Res.91:865-8.
【非特許文献6】
Ye S.et al.(2001)Nucleic Acid Res.29:88.
【非特許文献7】
Okayama N.et al.(2004)Clin.Chem.Lab.Med.42:13-6.
【特許文献1】
特開2004-000004 薬剤代謝へ影響を及ぼすCYP3A4遺伝子多型、およびその利用
【特許文献2】
特開2003-199585 細胞の抗癌剤感受性の判定法

産業上の利用分野


本発明は、がん治療における抗がん剤の副作用を予測する方法に関し、特に指標としてサイトカイン遺伝子の多型に着目した、がん治療における抗がん剤の副作用を予測する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験者における、5-fluorouracil又はCisplatinの投与による副作用の発症リスクを予測する方法であって、以下の工程(a)及び(b)を含むことを特徴とする方法。
(a)前記被験者より採取された生体試料のゲノムDNAを抽出し、該ゲノムDNAについて、Interleukin-1β(IL-1β)遺伝子プロモーター領域であって、米国生物工学情報センター(NCBI)においてGene Bank accession No.AC079753.7(更新日;2005年4月15日)として登録されているヒト2番染色体の52700位(complement)の塩基における遺伝子型、
Interleukin-6(IL-6)遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC073072.11(更新日;2004年1月31日)として登録されているヒト7番染色体の10663位の塩基における遺伝子型、及び、
Tumor necrosis factor-α(TNF-α)遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AL662801.7(更新日;2005年1月6日)として登録されているヒト6番染色体の47202位の塩基における遺伝子型から選択される少なくとも1以上の遺伝子型を同定する遺伝子型同定工程;
(b)上記工程(a)により同定された遺伝子型から、前記被験者における、5-fluorouracil又はCisplatinの投与による副作用の発症リスクを予測する工程であって、前記副作用が、白血球減少症、好中球減少症、血小板減少症、又は口内炎である副作用発症リスク予測工程;

【請求項2】
副作用発症リスク予測工程が、以下の工程(I)~(IV)から選択される少なくとも1以上の工程であることを特徴とする請求項1記載の方法。
(I)IL-1β遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC079753.7(更新日;2005年4月15日)として登録されているヒト2番染色体の52700位(complement)の塩基における遺伝子型がCT又はTTであるときに、CCであるときと比較して、血小板減少症の発症リスクが高いと予測する工程;
(II)IL-6遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC073072.11(更新日;2004年1月31日)として登録されているヒト7番染色体の10663位の塩基における遺伝子型がCG又はGGであるときに、CCであるときと比較して、白血球減少症、好中球減少症、又は血小板減少症の発症リスクが高いと予測する工程;
(III)TNF-α遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AL662801.7(更新日;2005年1月6日)として登録されているヒト6番染色体の47202位の塩基における遺伝子型がTTであるときに、CC又はCTであるときと比較して、口内炎の発症リスクが高いと予測する工程;
(IV)IL-1β遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC079753.7(更新日;2005年4月15日)として登録されているヒト2番染色体の52700位(complement)の塩基における遺伝子型がCT又はTTであり、且つ、IL-6遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC073072.11(更新日;2004年1月31日)として登録されているヒト7番染色体の10663位の塩基における遺伝子型がCG又はGGであるときに、IL-1β遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC079753.7(更新日;2005年4月15日)として登録されているヒト2番染色体の52700位(complement)の塩基における遺伝子型がCT又はTTであり、且つ、IL-6遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC073072.11(更新日;2004年1月31日)として登録されているヒト7番染色体の10663位の塩基における遺伝子型がCCであるとき、又は、IL-1β遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC079753.7(更新日;2005年4月15日)として登録されているヒト2番染色体の52700位(complement)の塩基における遺伝子型がCCであり、且つ、IL-6遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC073072.11(更新日;2004年1月31日)として登録されているヒト7番染色体の10663位の塩基における遺伝子型がCG又はGGであるときと比較して、血小板減少症の発症リスクがさらに高いと予測する工程;

【請求項3】
遺伝子型同定工程が、IL-1β遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC079753.7(更新日;2005年4月15日)として登録されているヒト2番染色体の52700位(complement)の塩基における遺伝子型を同定するためのプライマーセット、
IL-6遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC073072.11(更新日;2004年1月31日)として登録されているヒト7番染色体の10663位の塩基における遺伝子型を同定するためのプライマーセット、及び、
TNF-α遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AL662801.7(更新日;2005年1月6日)として登録されているヒト6番染色体の47202位の塩基における遺伝子型を同定するためのプライマーセット
から選択される、少なくとも1以上のプライマーセットを用いたARMS法により遺伝子型を同定する工程であることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。

【請求項4】
IL-1β遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC079753.7(更新日;2005年4月15日)として登録されているヒト2番染色体の52700位(complement)の塩基における遺伝子型を同定するためのプライマーセットが、以下の配列(i)~(iv)で示されるプライマーからなるプライマーセットであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の方法。
(i)5'-atctggcattgatctggttcatcc-3';
(ii)5'-cttaactttaggaatcttcccactt-3';
(iii)5'-cctgcaattgacagagagctacc-3';
(iv)5'-cttgggtgctgttctctgccgca-3';

【請求項5】
IL-6遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC073072.11(更新日;2004年1月31日)として登録されているヒト7番染色体の10663位の塩基における遺伝子型を同定するためのプライマーセットが、以下の配列(v)~(viii)で示されるプライマーからなるプライマーセットであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の方法。
(v)5'-acctggagacgccttgaagtaact-3';
(vi)5'-aaaccaaagatgttctgaactgagt-3';
(vii)5'-gccaggcagtctacaacaggcc-3';
(viii)5'-gtgttctggctctccctgtgtgc-3';

【請求項6】
TNF-α遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AL662801.7(更新日;2005年1月6日)として登録されているヒト6番染色体の47202位の塩基における遺伝子型を同定するためのプライマーセットが、以下の配列(ix)~(xii)で示されるプライマーからなるプライマーセットであることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の方法。
(ix)5'-gctgtggggagaacaaaaggataa-3';
(x)5'-ggtccccatactcgacttccata-3';
(xi)5'-gaagcaaaggagaagctgagaacat-3';
(xii)5'-tccagaccctgacttttcctgcg-3';

【請求項7】
生体試料が、抹消血又は非がん組織であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の方法。

【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の方法に用いるための検査試薬であって、
IL-1β遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC079753.7(更新日;2005年4月15日)として登録されているヒト2番染色体の52700位(complement)の塩基における遺伝子型を同定するためのプライマーセット、
IL-6遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC073072.11(更新日;2004年1月31日)として登録されているヒト7番染色体の10663位の塩基における遺伝子型を同定するためのプライマーセット、及び、
TNF-α遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AL662801.7(更新日;2005年1月6日)として登録されているヒト6番染色体の47202位の塩基における遺伝子型を同定するためのプライマーセットから選択される少なくとも1以上のプライマーセット
を備えることを特徴とする検査試薬。

【請求項9】
IL-1β遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC079753.7(更新日;2005年4月15日)として登録されているヒト2番染色体の52700位(complement)の塩基における遺伝子型を同定するためのプライマーセットが、以下の配列(i)~(iv)で示されるプライマーからなるプライマーセットであることを特徴とする請求項8記載の検査試薬。
(i)5'-atctggcattgatctggttcatcc-3';
(ii)5'-cttaactttaggaatcttcccactt-3';
(iii)5'-cctgcaattgacagagagctacc-3';
(iv)5'-cttgggtgctgttctctgccgca-3';

【請求項10】
IL-6遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AC073072.11(更新日;2004年1月31日)として登録されているヒト7番染色体の10663位の塩基における遺伝子型を同定するためのプライマーセットが、以下の配列(v)~(viii)で示されるプライマーからなるプライマーセットであることを特徴とする請求項8又は9のいずれかに記載の検査試薬。
(v)5'-acctggagacgccttgaagtaact-3';
(vi)5'-aaaccaaagatgttctgaactgagt-3';
(vii)5'-gccaggcagtctacaacaggcc-3';
(viii)5'-gtgttctggctctccctgtgtgc-3';

【請求項11】
TNF-α遺伝子プロモーター領域であって、NCBIにおいてGene Bank accession No.AL662801.7(更新日;2005年1月6日)として登録されているヒト6番染色体の47202位の塩基における遺伝子型を同定するための
プライマーセットが、以下の配列(ix)~(xii)で示されるプライマーからなるプライ
マーセットであることを特徴とする請求項8~10のいずれかに記載の検査試薬。
(ix)5'-gctgtggggagaacaaaaggataa-3';
(x)5'-ggtccccatactcgacttccata-3';
(xi)5'-gaagcaaaggagaagctgagaacat-3';
(xii)5'-tccagaccctgacttttcctgcg-3';
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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