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歪分布計測システムと弾性率分布計測システム及びそれらの方法 新技術説明会

国内特許コード P160013087
整理番号 H18-030
掲載日 2016年7月8日
出願番号 特願2006-070053
公開番号 特開2007-244533
登録番号 特許第4257982号
出願日 平成18年3月14日(2006.3.14)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
登録日 平成21年2月20日(2009.2.20)
発明者
  • 佐伯 壮一
  • 斉藤 俊
  • 橋本 洋平
  • 松▲崎▼ 益▲徳▼
  • 廣 高史
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 歪分布計測システムと弾性率分布計測システム及びそれらの方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】血管内の不安定プラークの内部構造など微細な計測対象物に対して、高い分解能を発揮し得る歪分布計測システムと弾性率分布計測システム及びそれらの方法を提供することである。
【解決手段】入力部21と、データ格納部24,25と、解析部22と、出力部23を有して、被測定対象3の圧縮前後の測定データ32から歪分布39を解析する歪分布計測システム6であって、解析部は、測定データの所望の評価領域において圧縮前後の測定データの位置変位に関する相互相関係数を演算する相互相関解析部26と、移動ベクトルを設定する移動ベクトル設定部27と、過誤ベクトル解析部28と、移動ベクトル補間・補正解析部29と、連続化された移動ベクトルの空間変化率を演算する歪分布解析部30とを有するものである。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


物体や生体組織における歪分布あるいは弾性率分布の計測は、その物体や生体組織の構造や構成を知る上で重要な情報となるため、これまでにも多数の研究がなされてきた。
半導体素子等の製造工程において検出が必要な材料内部の構造欠陥や金属材料の熱疲労等に基づく亀裂に対する非破壊検査の分野をはじめ、近年では、特に医療分野においては超音波エコーを用いた画像診断を疾病予防や治療に用いて、効果を上げている。例えば、心筋梗塞などの急性冠症候群は、血管内の不安定プラークが破裂することにより発生する疾患であるが、そのプラークは主に脂質が血管壁に沈着した病変であり、これが血流の抑制や閉塞を引き起こすことから、このプラークの存在を把握するために血管内超音波エコー法を用いた画像診断が実施されている。



例えば特許文献1には、「超音波診断システム、歪み分布表示方法及び弾性係数分布表示方法」という名称で、超音波ビームを使用するもので、被検体組織を有限個の直方体要素に分割して3次元有限要素モデル化し、各要素内では、弾性係数、応力、歪は一様であると仮定し、弾性方程式に歪み分布情報を用いて弾性係数分布情報を推定する技術が開示されている。また、その推定の際に、横方向変位に対応して変位分布を推定できるようにすると共に超音波ビーム方向の歪分布のみから弾性係数分布を再構成できるようにするために、相関演算手段は、直交検波手段から出力される包絡線信号を用いて被検体組織の圧縮前後の信号間で相関を計算するが、計算量の低減のために2次元相関窓内の軸方向及びこの軸方向に直交する横方向にそれぞれ所定値ずつ離散した走査線毎に相関係数を計算する技術が開示されている。



また、特許文献2には、「超音波を利用した軟組織の粘弾性推定装置およびプログラム」という名称の発明が開示されている。この発明は、移動機構を備えた超音波プローブから発せられる超音波の反射波を受信して、受信データの時間変化から対象物形状の変形量を計算し、体組織などのように皮膚、脂肪、筋、骨などと階層構造をなす軟組織に対しても、階層毎に弾性、粘性、慣性を推定することを可能とする技術である。
【特許文献1】
特開2004-57652号公報
【特許文献2】
特開2005-144155号公報

産業上の利用分野


本発明は、被測定対象の圧縮前後の超音波エコーデータ又は光干渉データから歪分布あるいは弾性率分布を解析する歪分布計測システムに係り、特に高分解能にデータ処理を実行可能な歪分布計測システムと弾性率分布計測システム及びそれらの方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
入力部と、データ格納部と、解析部と、出力部を有して、被測定対象の圧縮前後の超音波エコーデータ又は光干渉データ(以下、これらを総称して単に測定データという。)から歪分布を解析する歪分布計測システムであって、
前記入力部は、前記圧縮前後の測定データを前記データ格納部に入力可能な手段であって、
前記解析部は、前記測定データの所望の評価領域において前記圧縮前後の測定データの位置変位に関する相互相関係数を演算する相互相関解析部と、この相互相関解析部において解析された前記相互相関係数が最大となる位置変位の始点と終点を選択し、これらの始点と終点を備えた圧縮による移動ベクトルを設定する移動ベクトル設定部と、前記移動ベクトルの周囲近傍の複数の移動ベクトルに対して第1の統計的処理を実行して、前記移動ベクトルのうち過誤ベクトルを除去する過誤ベクトル解析部と、前記移動ベクトルの周囲近傍の複数の移動ベクトルに対して第2の統計的処理を実行して、前記移動ベクトルの分布を連続化させる移動ベクトル補間・補正解析部と、連続化された移動ベクトルの空間変化率を演算する歪分布解析部とを有し、
前記データ格納部は、前記解析部において実行される少なくとも1の解析の出力データを格納し、
前記出力部は、前記解析部で実行される少なくとも1の解析の出力データを前記解析部又は前記データ格納部から読み出して出力可能な手段であることを特徴とする歪分布計測システム。

【請求項2】
前記第1の統計的処理は、前記移動ベクトルの周囲近傍の複数の移動ベクトルから得られる標準偏差及び中間値という統計的解析値を基準として、前記中間値から前記標準偏差の予め定められた係数倍の乖離幅が、予め定められた幅を超える場合あるいは等しい場合に過誤ベクトルと判断する処理であることを特徴とする請求項1記載の歪分布計測システム。

【請求項3】
前記第1の統計的処理は、前記移動ベクトルの周囲近傍の複数の相互相関係数の集合と、前記移動ベクトルに隣接した他の移動ベクトルの周囲近傍の複数の相互相関係数の集合との間で、相関を取る処理であることを特徴とする請求項1記載の歪分布計測システム。

【請求項4】
前記相互相関解析部、移動ベクトル設定部、過誤ベクトル解析部及び前記移動ベクトル補間・補正解析部はイタレーション機能を備え、前記移動ベクトル補間・補正解析部によって連続化された移動ベクトルが存在する評価領域を分割して分割された評価領域において、再度、相互相関解析部は圧縮前後の測定データの位置変位に関する相互相関係数を演算し、移動ベクトル設定部は相互相関解析部において解析された前記相互相関係数が最大となる位置変位の始点と終点を選択し、これらの始点と終点を備えた圧縮による移動ベクトルを設定し、前記過誤ベクトル解析部は前記過誤ベクトルを判断して除去し、前記移動ベクトル補間・補正解析部は移動ベクトルの分布の連続化を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の歪分布計測システム。

【請求項5】
入力部と、データ格納部と、解析部と、出力部を有して、被測定対象の圧縮前後の測定データから弾性率分布を解析する弾性率分布計測システムであって、
前記入力部は、前記圧縮前後の測定データと前記被測定対象の表面圧力データを前記データ格納部に入力可能な手段であって、
前記解析部は、前記測定データの所望の評価領域において前記圧縮前後の測定データの位置変位に関する相互相関係数を演算する相互相関解析部と、この相互相関解析部において解析された前記相互相関係数が最大となる位置変位の始点と終点を選択し、これらの始点と終点を備えた圧縮による移動ベクトルを設定する移動ベクトル設定部と、前記移動ベクトルの周囲近傍の複数の移動ベクトルに対して第1の統計的処理を実行して、前記移動ベクトルのうち過誤ベクトルを除去する過誤ベクトル解析部と、前記移動ベクトルの周囲近傍の複数の移動ベクトルに対して第2の統計的処理を実行して、前記移動ベクトルの分布を連続化させる移動ベクトル補間・補正解析部と、連続化された移動ベクトルの空間変化率を演算する歪分布解析部と、前記表面圧力データと前記歪分布解析部において演算された空間変化率を用いて弾性率を演算する弾性率分布解析部とを有し、
前記データ格納部は、前記解析部において実行される少なくとも1の解析の出力データを格納し、
前記出力部は、前記解析部で実行される少なくとも1の解析の出力データを前記解析部又は前記データ格納部から読み出して出力可能な手段であることを特徴とする弾性率分布計測システム。

【請求項6】
前記第1の統計的処理は、前記移動ベクトルの周囲近傍の複数の移動ベクトルから得られる標準偏差及び中間値という統計的解析値を基準として、前記中間値から前記標準偏差の予め定められた係数倍の乖離幅が、予め定められた幅を超える場合あるいは等しい場合に過誤ベクトルと判断する処理であることを特徴とする請求項5記載の弾性率分布計測システム。

【請求項7】
前記第1の統計的処理は、前記移動ベクトルの周囲近傍の複数の相互相関係数の集合と、前記移動ベクトルに隣接した他の移動ベクトルの周囲近傍の複数の相互相関係数の集合との間で、相関を取る処理であることを特徴とする請求項5記載の弾性率分布計測システム。

【請求項8】
前記相互相関解析部、移動ベクトル設定部、過誤ベクトル解析部及び前記移動ベクトル補間・補正解析部はイタレーション機能を備え、前記移動ベクトル補間・補正解析部によって連続化された移動ベクトルが存在する評価領域を分割して分割された評価領域において、再度、相互相関解析部は圧縮前後の測定データの位置変位に関する相互相関係数を演算し、移動ベクトル設定部は相互相関解析部において解析された前記相互相関係数が最大となる位置変位の始点と終点を選択し、これらの始点と終点を備えた圧縮による移動ベクトルを設定し、前記過誤ベクトル解析部は前記過誤ベクトルを判断して除去し、前記移動ベクトル補間・補正解析部は移動ベクトルの分布の連続化を実行することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の弾性率分布計測システム。

【請求項9】
コンピュータが各工程を実行しながら被測定対象の圧縮前後の測定データから歪分布を解析する歪分布計測方法において、
入力部が前記圧縮前後の測定データをデータ格納部に読み取り可能に格納する工程と、相互相関解析部が前記測定データを前記データ格納部から読み出して所望の評価領域において前記圧縮前後の測定データの位置変位に関する相互相関係数を演算する工程と、移動ベクトル設定部がこの解析された前記相互相関係数をキーとして最大となる位置変位の始点と終点を選択し、これらの始点と終点を備えた圧縮による移動ベクトルを設定する工程と、過誤ベクトル解析部が、前記移動ベクトルの周囲近傍の複数の移動ベクトルに対して第1の統計的処理を実行して、前記移動ベクトルのうち過誤ベクトルを除去する工程と、移動ベクトル補間・補正解析部が前記移動ベクトルの周囲近傍の複数の移動ベクトルに対して第2の統計的処理を実行して、前記移動ベクトルの分布を連続化させる工程と、歪分布解析部が連続化された移動ベクトルの空間変化率を演算する工程と、出力部が前記移動ベクトルの空間変化率の分布を出力する工程とを有することを特徴とする歪分布計測方法。

【請求項10】
前記第1の統計的処理は、前記移動ベクトルの周囲近傍の複数の移動ベクトルから得られる標準偏差及び中間値という統計的解析値を基準として、前記中間値から前記標準偏差の予め定められた係数倍の乖離幅が、予め定められた幅を超える場合あるいは等しい場合に過誤ベクトルと判断する処理であることを特徴とする請求項9記載の歪分布計測方法。

【請求項11】
前記第1の統計的処理は、前記移動ベクトルの周囲近傍の複数の相互相関係数の集合と、前記移動ベクトルに隣接した他の移動ベクトルの周囲近傍の複数の相互相関係数の集合との間で、相関を取る処理であることを特徴とする請求項9記載の歪分布計測方法。

【請求項12】
請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の歪分布計測方法に新たな工程を加えた弾性率分布計測方法であって、
前記入力部が圧縮前後の測定データをデータ格納部に読み取り可能に格納する工程は、前記被測定対象の表面圧力データを格納する工程を含み、前記歪分布解析部が連続化された移動ベクトルの空間変化率を演算する工程の後に、弾性率分布解析部が前記表面圧力データと前記空間変化率を用いて弾性率を演算する工程を有することを特徴とする弾性率分布計測方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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