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ストリップ線路型左手系線路でなるアンテナ

国内特許コード P160013095
整理番号 H17-083
掲載日 2016年7月8日
出願番号 特願2006-220027
公開番号 特開2008-028965
登録番号 特許第3978503号
出願日 平成18年8月11日(2006.8.11)
公開日 平成20年2月7日(2008.2.7)
登録日 平成19年7月6日(2007.7.6)
優先権データ
  • 特願2006-172762 (2006.6.22) JP
発明者
  • 真田 篤志
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 ストリップ線路型左手系線路でなるアンテナ
発明の概要 【課題】 開口面効率が上がりビームを細く絞ることができ、また、容易に放射量をコントロールすることができるストリップ線路型左手系線路でなるアンテナを実現する。
【解決手段】 中間層1の両面を接地導体2、3により囲まれたストリップ線路構造からなる。中間層の誘電体1の中に配置される中間層導体4は、誘電体基板の表面に金属パターンを周囲に誘電体を残して単位セルを形成し、この単位セルの集合体により構成し、左手系の領域で機能させる。この線路は中間層の金属パターン4に電界が集中するストリップ線路型の伝送モードを基本モードにもつものである。この線路の接地導体の片面側2に周期的に複数の開口5を設け、その面積を変化させることで放射量を容易にコントロールすることができるようにした。
【選択図】 図8
従来技術、競合技術の概要


金属、誘電体、磁性体、超伝導体などの小片を、波長に対して十分短い間隔(波長の20分の1程度以下)で並べることで自然にはない性質を持った媒質を人工的に構成することができる。この媒質を自然にある媒質を超えると言う意味でメタマテリアル(metamaterials)と呼んでいる。メタマテリアルの性質は、単位粒子の形状、材質およびそれらの配置により様々に変化するが、中でも、等価的な誘電率εと透磁率μとが同時に負となるメタマテリアルは、その電界と磁界と波数ベクトルが左手系をなすことから「左手系媒質(Left-Handed Materials)」と名づけられた。これに対して、等価的な誘電率εと透磁率μとが同時に正となる通常の媒質は「右手系媒質(Right-Handed Materials)」と呼ばれる。これら誘電率ε、透磁率μと媒質との関係領域は、図1に示すように、誘電率εの正負及び透磁率μの正負に応じた第1象限~第4象限の媒質に分類できる。



特に、「左手系媒質(LHM)」は、バックワード波と呼ばれる、波の群速度(エネルギーの伝播する速度)と位相速度(位相の進む速度)の符号が逆転している波の存在や、また、非伝播領域で指数関数的に減衰する波であるエバネセント波の増幅、等の特異な性質を持つものである。そして、左手系媒質によるバックワード波を伝送する線路を人工的に構成することができることは公知である(例えば、非特許文献1参照。)。



この左手系媒質構成の概念に基づき、金属パターンからなる単位セルを周期的に並べてバックワード波を伝搬させる線路が提案されている。これまで、その伝送特性が理論的に取り扱われ、この線路が左手系伝送モードを持つことが明らかになっている。



従来、マイクロストリップ線路構成は、図2に示すように、左手系線路が作製され、このマイクロストリップ線路の左手系伝送特性が実験的に実証されている。図2(A)はマイクロストリップ線路の線路構造を示す。該線路は、誘電体基板1の表面に金属パターン4を周囲に誘電体を残して単位セルを形成し、この単位セルの集合体により構成される誘電体基板1の裏面には全面に接地導体3を有して形成される。



このマイクロストリップ線路型の左手系線路は、波の位相定数が真空中の波数に比べて小さくなる周波数領域において伝送エネルギーの一部を放射する性質をもつため、この性質を用いてこれまで左手系線路をアンテナとして動作させることができることが実証されている(例えば、非特許文献2参照。)。



図2(A)のマイクロストリップ線路の伝送モードの電磁界は、図2(B)のようになり、線路の片側の半空間が開放されているため、放射領域(線路の伝搬波の位相定数が真空中の波数よりも小さくなる領域)において放射が起こる。
【非特許文献1】
D. R. Smith, W. J. Padilla, D. C. Vier, S. C. Nemat-Nasser, and S. Schultz, “Composite medium with simultaneously negative permeability andpermittivity,” Phys. Rev. Lett., vol. 84, no. 18,pp.4184-4187, May 2000.
【非特許文献2】
C. Caloz, and T. Itoh, “Application of the transmissionline theory of left-handed (LH) materials to the realization of a microstrip LHtransmission line”, IEEE-APS Int'l Symp. Digest, vol.2, pp. 412-415, June 2002.

産業上の利用分野


本発明はメタマテリアルで構成されたストリップ線路型左手系線路を用いたアンテナに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
中間層の誘電体の中に配置される中間層導体は、金属パターン周囲に誘電体を残して形成される単位セルの集合体により構成され、該中間層の両面を接地導体により囲んでなり、左手系領域で機能させるストリップ線路を構成し、接地導体の片面に複数の開口を設けたことを特徴とするストリップ線路型左手系線路でなるアンテナ。

【請求項2】
中間層の誘電体の中に配置される中間層導体は、金属パターン周囲に誘電体を残して形成される単位セルの集合体により構成され、該中間層の両面を接地導体により囲んで、伝搬波の位相定数βを(π/単位セルの周期a)で規格化した値が-1.0~0の範囲で機能させるストリップ線路を構成し、接地導体の片面に複数の開口を設けたことを特徴とするストリップ線路型左手系線路でなるアンテナ。

【請求項3】
前記開口からのエネルギー放射量を制御して所望の放射特性をもたせるように、開口の面積を変化させて設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアンテナ。

【請求項4】
前記各開口からのエネルギー放射量を一定とするように、開口の面積を入力ポートに近いほど小さく、逆に遠いほど大きく設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアンテナ。

【請求項5】
開口の長さ又は幅を変化させることによりその面積を変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアンテナ。

【請求項6】
前記開口はスリット又はスロットあるいはこれと同様な機能を有する形状の開口でなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアンテナ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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