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食肉の加熱処理状況の判定方法、食肉の加熱処理状況の判定装置及びプログラム

国内特許コード P160013118
整理番号 1585
掲載日 2016年7月14日
出願番号 特願2014-231539
公開番号 特開2016-095230
出願日 平成26年11月14日(2014.11.14)
公開日 平成28年5月26日(2016.5.26)
発明者
  • 竹山 春子
  • 細川 正人
  • 浜口 宏夫
  • 安藤 正浩
出願人
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 食肉の加熱処理状況の判定方法、食肉の加熱処理状況の判定装置及びプログラム
発明の概要 【課題】食肉試料の加熱処理状況を、SDS-PAGEのような従来方法より高効率高精度で判定する。
【解決手段】試料10を1分間加熱温度既知の食肉の参照用サンプルとして、発光/受光部110によりコヒーレント光を試料10に照射してラマン散乱光を含む散射光を受光し、データ採取部130がスペクトルのデータを採取して特定部150がアミド1バンドのピーク位置を特定する。特定部150は、タンパク質由来の指標ピークを持ち脂質由来の指標ピークの強度が基準以下のスペクトルのデータを1分間加熱温度に対応付けて参照テーブルとして保持部170に格納する。試料10を1分間加熱温度未知の食肉の被検サンプルとして、特定部150はデータ採取部130が採取した被検サンプルのスペクトルのデータからアミド1バンドのピーク位置を特定し、判定部180が保持部170に格納された参照テーブルを参照して対応する1分間加熱温度を判定する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


我が国の食料自給率はカロリーベースで4割程度であり、食料供給のかなりの部分を輸入に頼っている。食肉も、その例外ではない。鶏肉を例にとると、主な輸入先はブラジル、タイ、中国である。その中で、高病原性鳥インフルエンザ発症国として指定された中国産の鶏肉については、日本向けに輸出される家禽肉について、農林水産大臣が指定した施設において一定の加熱処理(中心温度を1分間以上にわたり摂氏70度以上に保つこと)がされたものに限り輸入が認められている。



輸入に際しては、到着した貨物について、家畜防疫官が申請書類に基づき当該家禽の防疫上の安全性に係る現物検査を行う。さらに必要な場合には、微生物学的、理化学的等の精密検査が実施される。具体的には、まず目視により当該家禽について加熱処理状況を確認した後、目視判断が難しいものについてSDS-PAGE(硫酸ドデシルNa塩-ポリアクリルアミドゲル電気泳動)を用いてタンパク変性の度合いを確認する。しかし、SDS-PAGEは労力と時間を少なからず要するため、検査実施数に限度がある。したがって、より短時間で効率的に、しかも精度よく加熱処理状況を判定する方法が必要である。



食肉に光を照射してその散乱や吸収のスペクトルを観測し、食肉の成分を分析する方法がいくつか知られている。例えば、赤外光を牛肉試料に照射して得られた反射光のスペクトルを分析し、3つの特定の波長における吸光度から試料中の脂肪含有量や鮮度を算出する方法が知られている(例えば特許文献1又は特許文献2参照。)。



また、豚肉に近赤外光を照射して所定波長域におけるスペクトルを多変量解析し数学的に分析して、PSE肉と呼ばれる異常肉と正常肉とを判別する方法が知られている(例えば特許文献3参照。)。さらに、近赤外光を食肉試料に照射して生じた反射光及び散乱光を分光分析して、試料の脂肪酸含有量を算出する方法が知られている(例えば特許文献4参照。)。

産業上の利用分野


本発明は、食肉の加熱処理状況の判定方法、食肉の加熱処理状況の判定装置及びプログラムに関し、特に振動スペクトル分光分析法を用いて判定するものに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
食肉の参照用サンプルを振動スペクトル分光分析法における分析対象として、前記参照用サンプルの加熱処理状況を変えながらスペクトルのデータを採取する第1のステップと、
前記採取されたスペクトルのデータから、前記加熱処理状況の個々の条件に対応して前記参照用サンプルに含まれるタンパク質由来のスペクトル軸における個々のピーク位置を特定する第2のステップと、
前記加熱処理状況の個々の条件に対応する前記個々のピーク位置をプロットすることによって得られた参照テーブルを保持する第3のステップと、
食肉の被検サンプルを対象として、前記振動スペクトル分光分析法を用いて前記被検サンプルに含まれるタンパク質由来のスペクトル軸におけるピーク位置を特定する第4のステップと、
前記参照テーブルを参照して、前記被検サンプルの特定されたピーク位置から前記被検サンプルの加熱処理状況を判定する第5のステップと
を含むことを特徴とする食肉の加熱処理状況の判定方法。

【請求項2】
前記振動スペクトル分光分析法を用いてスペクトルのデータを採取する第1のステップと前記タンパク質由来のピーク位置を特定する第2のステップの間に、前記採取されたスペクトルのデータのうちタンパク質由来の指標ピークの強度が第1の基準を下回り、又は脂質由来の指標ピークの強度が第2の基準を超えるデータを棄却するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の食肉の加熱処理状況の判定方法。

【請求項3】
前記振動スペクトル分光分析法は、ラマン分光分析法又は赤外吸収分光分析法のいずれか1であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の食肉の加熱処理状況の判定方法。

【請求項4】
前記タンパク質由来のスペクトル軸におけるピーク位置は、ペプチド結合における分子の振動に起因するアミド1バンド、アミド2バンド又はアミド3バンドのいずれか1であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の食肉の加熱処理状況の判定方法。

【請求項5】
前記加熱処理状況は、加熱温度、加熱時間又はそれらの組み合わせによって表されることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の食肉の加熱処理状況の判定方法。

【請求項6】
前記第1の基準は、前記振動スペクトル分光分析法における計測及び分析の条件を一定にして得られる前記タンパク質由来の指標ピークの強度の絶対値において定めたことを特徴とする請求項2に記載の食肉の加熱処理状況の判定方法。

【請求項7】
前記第2の基準は、前記脂質由来の指標ピーク及び前記タンパク質由来のピーク若しくは指標ピークの強度比において定め、又は前記振動スペクトル分光分析法における計測及び分析の条件を一定にして得られる前記脂質由来の指標ピークの強度の絶対値において定めたことを特徴とする請求項2に記載の食肉の加熱処理状況の判定方法。

【請求項8】
前記第1ないし第5のステップが実施された後において、さらに、
食肉の前記被検サンプルとは別異の追加サンプルを対象として、前記振動スペクトル分光分析法を用いて前記追加サンプルに含まれるタンパク質由来のスペクトル軸におけるピーク位置を特定し、
前記参照テーブルを参照して、前記追加サンプルの特定されたピーク位置から前記追加サンプルの加熱処理状況を判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の食肉の加熱処理状況の判定方法。

【請求項9】
食肉のサンプルを振動スペクトル分光分析法における分析対象としてスペクトルのデータを採取することができるデータ採取部と、
前記データ採取部が採取したスペクトルのデータからタンパク質由来のスペクトル軸におけるピーク位置を特定することができる特定部と、
前記食肉の参照用サンプルの加熱処理状況が変化する条件下で、前記データ採取部が前記参照用サンプルからスペクトルのデータを採取すると共に前記特定部が前記加熱処理状況の個々の条件に対応して前記タンパク質由来のスペクトル軸における個々のピーク位置を特定した場合において、前記加熱処理状況の個々の条件に対応する前記個々のピーク位置をプロットすることによって得られる参照テーブルを保持することができる保持部と、
前記データ採取部が食肉の被検サンプルからスペクトルのデータを採取すると共に前記特定部が前記タンパク質由来のスペクトル軸におけるピーク位置を特定した場合において、前記参照テーブルを参照することにより前記被検サンプルのピーク位置から前記被検サンプルの加熱処理状況を判定することができる判定部を
備えたことを特徴とする食肉の加熱処理状況の判定装置。

【請求項10】
前記特定部はさらに、前記データ採取部が採取したスペクトルのデータのうちタンパク質由来の指標ピークの強度が第1の基準を下回り、又は脂質由来の指標ピークの強度が第2の基準を超えるデータを選別して棄却することができることを特徴とする請求項9に記載の食肉の加熱処理状況の判定装置。

【請求項11】
前記振動スペクトル分光分析法は、ラマン分光分析法又は赤外吸収分光分析法のいずれか1であることを特徴とする請求項9に記載の食肉の加熱処理状況の判定装置。

【請求項12】
前記タンパク質由来のスペクトル軸におけるピークは、ペプチド結合における分子の振動に起因するアミド1バンド、アミド2バンド又はアミド3バンドのいずれか1であることを特徴とする請求項9に記載の食肉の加熱処理状況の判定装置。

【請求項13】
前記加熱処理状況は、加熱温度、加熱時間又はそれらの組み合わせによって表されることを特徴とする請求項9に記載の食肉の加熱処理状況の判定装置。

【請求項14】
前記第1の基準は、前記振動スペクトル分光分析法における計測及び分析の条件を一定にして得られる前記タンパク質由来の指標ピークの強度の絶対値において定めたことを特徴とする請求項10に記載の食肉の加熱処理状況の判定装置。

【請求項15】
前記第2の基準は、前記脂質由来の指標ピーク及び前記タンパク質由来のピーク若しくは指標ピークの強度比において定め、又は前記振動スペクトル分光分析法における計測及び分析の条件を一定にして得られる前記脂質由来の指標ピークの強度の絶対値において定めたことを特徴とする請求項10に記載の食肉の加熱処理状況の判定装置。

【請求項16】
食肉の参照用サンプルを振動スペクトル分光分析法における分析対象として、前記参照用サンプルの加熱処理状況を変えながらスペクトルのデータを採取する第1の処理と、
前記採取されたスペクトルのデータから、前記加熱処理状況の個々の条件に対応して前記参照用サンプルに含まれるタンパク質由来のスペクトル軸における個々のピーク位置を特定する第2の処理と、
前記加熱処理状況の個々の条件に対応する前記個々のピーク位置をプロットすることによって得られた参照テーブルを保持する第3の処理と、
食肉の被検サンプルを対象として、前記振動スペクトル分光分析法を用いて前記被検サンプルに含まれるタンパク質由来のスペクトル軸におけるピーク位置を特定する第4の処理と、
前記参照テーブルを参照して、前記被検サンプルの特定されたピーク位置から前記被検サンプルの加熱処理状況を判定する第5の処理と
を、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【請求項17】
前記振動スペクトル分光分析法を用いてスペクトルのデータを採取する第1の処理と前記タンパク質由来のピーク位置を特定する第2の処理の間に、前記採取されたスペクトルのデータのうちタンパク質由来の指標ピークの強度が第1の基準を下回り、又は脂質由来の指標ピークの強度が第2の基準を超えるデータを棄却する処理をさらに前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
国際特許分類(IPC)
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