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ドメインスワップ二量体人工タンパク質 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P160013138
整理番号 N16011
掲載日 2016年7月26日
出願番号 特願2016-101203
公開番号 特開2016-216460
出願日 平成28年5月20日(2016.5.20)
公開日 平成28年12月22日(2016.12.22)
優先権データ
  • 特願2015-103357 (2015.5.21) JP
発明者
  • 新井 亮一
  • 木村 尚弥
  • 小林 直也
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 ドメインスワップ二量体人工タンパク質 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】 ドメインスワップ二量体タンパク質WA20の構造安定性を向上させ、ナノ構造複合体を構築するタンパク質ナノブロックとして好適に利用することができる人工タンパク質を提供する。
【解決手段】 本発明に係るドメインスワップ二量体人工タンパク質は、二本のヘリックスがループにより連結されたヌンチャク型構造を備えるタンパク質の単量体が、2分子間で双方のヘリックスが互いに挟み込まれてバンドル状に組み合わされてフォールディングし、前記バンドル状に組み合わされた内側領域に位置するアミノ酸が疎水性アミノ酸から成る疎水性コアを有することを特徴とし、これによりWA20と比較して構造安定性が向上したドメインスワップ二量体人工タンパク質として得られる。
【選択図】 図3
従来技術、競合技術の概要


人工タンパク質(デノボタンパク質:de novo protein)とは、天然タンパク質のアミノ酸配列をもとにせず、新規にアミノ酸配列を設計したタンパク質のことである。タンパク質を自在にデザインし、望みの機能を実現することができるようになれば、医薬品開発や環境負荷の少ない酵素反応、さらにはナノバイオテクノロジーの発展に大きく貢献することができると考えられ、タンパク質工学研究の究極的目標である。
しかしながら、一般に20種類のアミノ酸をランダムに100残基つなげるとすると20100=約1.3×10130通りもの莫大な組み合わせがあり、その中から安定な構造や優れた機能を持つタンパク質の配列を探索することは極めて困難である。



人工タンパク質(デノボタンパク質)の設計は、主に三種類の方法で行われている。すなわち、立体化学的及び物理化学的なアプローチにより合理的に設計する方法(非特許文献1、非特許文献2)と、ランダムなアミノ酸配列の組合せを持つタンパク質ライブラリーにより設計する方法(非特許文献3)と、プリンストン大学のMichael Hecht教授によるバイナリーパターン法を利用して半合理的に人工タンパク質を創製する方法(非特許文献4、5)である。



バイナリーパターン法とは、水溶性球状タンパク質の表面には親水性アミノ酸が多く、内部には疎水性アミノ酸が多く存在する性質に着目して、目的タンパク質の二次構造・三次構造に応じて、親水性アミノ酸(Asn、Asp、Gln、Glu、His、Lys)と疎水性アミノ酸(Ile、Leu、Met、Phe、Val)の繰り返し配列パターンをデザインする方法である。
これまでに、バイナリーパターン法を用いてαヘリックスやβシート構造を含むいくつかのデノボタンパク質ライブラリーの作製例が報告されている(非特許文献5)。



図1(a)は、バイナリーパターン法により作製する4本ヘリックスデノボタンパク質の設計例である。数珠状の球の一つ一つがアミノ酸残基を示す。やや濃い色の球が親水性残基、薄い色の球が疎水性残基、濃い色の球がループ領域に対応する残基を表す。図1(b)は、4本へリックスデノボタンパク質のバンドル構造を断面方向から見た模式図である。3~4残基ごとに疎水性アミノ酸残基を配置することにより、4本のへリックスからなるバンドル(束)の中心側に疎水性アミノ酸残基が位置し、バンドルの外側に親水性アミノ酸残基が位置するように設計されている。親水性残基にはAsn,Asp,Gln,Glu,His,Lys、疎水性残基にはIle,Leu,Met,Phe,Val、ループ領域にはArg,Asn,Asp,Gln,Glu,Gly,His,Lys,Serのいずれかの残基が配置される。



図2(a)は、バイナリーパターン法を用いて作製した人工設計タンパク質WA20の立体構造を示す(非特許文献6)。人工タンパク質WA20の単量体は、図2(b)に示すように、2本の長いαヘリックスがループによって連結した“ヌンチャク”のような構造をとる。WA20は溶液中においては、二分子間で双方のヘリックス部分が互いに挟み込むようにして組み合わさった、4本ヘリックスバンドル二量体構造をとり安定に存在する。図2(a)は、各々のヘリックスが組み合わさったWA20の立体構造を示す。4本のヘリックスが二分子間で相互に挟み込まれるようにしてバンドルを形成することから、この分子間フォールディングによる4本ヘリックスバンドル二量体構造を有する人工タンパク質をドメインスワップ二量体人工タンパク質と称している。
WA20の単量体のアミノ酸配列を配列表の配列番号1に示す。WA20単量体は102個のアミノ酸残基からなる。

産業上の利用分野


本発明は、構造安定性を向上させたドメインスワップ二量体人工タンパク質に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
二本のヘリックスがループにより連結されたヌンチャク型構造を備えるタンパク質の単量体が、二分子間で双方のヘリックスが互いに挟み込まれてバンドル状に組み合わされ、
前記バンドル状に組み合わされた内側領域で対向する位置にあるアミノ酸が疎水性アミノ酸から成る疎水性コアを有することを特徴とする分子間フォールディングしたドメインスワップ二量体人工タンパク質。

【請求項2】
配列表の配列番号1のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が置換、付加若しくは欠失されたアミノ酸配列からなり、
バンドルの内側領域で対向する位置にある親水性のアミノ酸の双方が、疎水性のアミノ酸に置換された請求項1記載のドメインスワップ二量体人工タンパク質。

【請求項3】
前記アミノ酸配列において、バンドルの内側領域で対向する位置にある親水性のアミノ酸と疎水性のアミノ酸のうち、親水性のアミノ酸が疎水性のアミノ酸に置換された請求項2記載のドメインスワップ二量体人工タンパク質。

【請求項4】
前記アミノ酸配列において、バンドルの内側領域で対向する位置にある親水性のアミノ酸と疎水性のアミノ酸のうち、疎水性のアミノ酸が他の疎水性のアミノ酸に置換された請求項2記載のドメインスワップ二量体人工タンパク質。

【請求項5】
前記アミノ酸配列において、バンドルの外側領域に位置するグリシンや疎水性のアミノ酸が親水性のアミノ酸に置換された請求項2~4のいずれか一項記載のドメインスワップ二量体人工タンパク質。

【請求項6】
配列表の配列番号1のアミノ酸配列において、26番目のヒスチジンと、34番目のアスパラギンと、71番目のバリンと、78番目のグルタミン酸が、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、バリンのいずれか一つと置換され、
28番目のグリシンが、セリン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リジンのうちのいずれか一つと置換されたドメインスワップ二量体人工タンパク質。

【請求項7】
前記アミノ酸配列のうち、26番目のヒスチジンと、34番目のアスパラギンと、78番目のグルタミン酸が、それぞれロイシンに置換され、71番目のバリンがフェニルアラニンに置換され、
28番目のグリシンが、セリンに置換された請求項6記載のドメインスワップ二量体人工タンパク質。

【請求項8】
前記アミノ酸配列のうち、26番目のヒスチジンと、34番目のアスパラギンと、71番目のバリンと、78番目のグルタミン酸がそれぞれロイシンに置換され、
28番目のグリシンが、セリンに置換された請求項6記載のドメインスワップ二量体人工タンパク質。

【請求項9】
配列表の配列番号1のアミノ酸配列において、26番目のヒスチジンと、71番目のバリンと、78番目のグルタミン酸が、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、バリンのいずれか一つと置換され、
28番目のグリシンが、セリン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リジンのうちのいずれか一つと置換されたドメインスワップ二量体人工タンパク質。

【請求項10】
前記アミノ酸配列のうち、26番目のヒスチジンと、78番目のグルタミン酸が、ロイシンに置換され、71番目のバリンが、フェニルアラニンに置換され、
28番目のグリシンが、セリンに置換された請求項9記載のドメインスワップ二量体人工タンパク質。

【請求項11】
前記アミノ酸配列のうち、26番目のヒスチジンと、71番目のバリンと、78番目のグルタミン酸が、それぞれロイシンに置換され、
28番目のグリシンが、セリンに置換された請求項9記載のドメインスワップ二量体人工タンパク質。




国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 公開
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