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有機物センシング用発光材料

国内特許コード P160013169
整理番号 S2014-1301-N0
掲載日 2016年8月4日
出願番号 特願2014-192990
公開番号 特開2016-065113
出願日 平成26年9月22日(2014.9.22)
公開日 平成28年4月28日(2016.4.28)
発明者
  • 川俣 純
  • 鈴木 康孝
  • 富永 亮
  • 持田 修平
  • 笠谷 和男
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 有機物センシング用発光材料
発明の概要 【課題】目視によりはっきりと蛍光色の変化を確認することができる有機物センシング用発光材料の提供。
【解決手段】有機物センシング用発光材料は粘土化合物の微粒子の層間に有機化合物の蛍光化合物を取り入れるものであり、有機溶媒の添加により外部刺激に応答して、蛍光化合物はエキシマーを形成し励起複合体とし、蛍光色を変化させ、よって、蛍光波長が数十ナノメートル以上にシフトし、目視によりはっきりと蛍光色の変化を確認することができる有機物センシング用発光材料。これを、撮影手段を用いて、撮影し判別することができるようになった。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


溶剤の内、水に溶けない物質を溶かす性質を持つ有機化合物は有機溶媒(又は有機溶剤)と呼ばれる。例えば、有機溶媒として、エタノール、ベンゼン、アセトン、ヘキサン等の有機物を例示することができる。有機溶媒は、環境に悪影響を与える物質として知られている。しかし、化学工業において、有機溶媒は切っても切れない存在である。従って、化学工業、特に製造業、その廃棄物処理において、有機溶媒を適切に処理し、環境への影響を低減させることが重要である。



有機溶媒の分子をセンシングする材料は、非常にたくさんの種類があるが、その中でも、粘土鉱物と有機分子からなるハイブリッドセンシング材料は、地球上にありふれた物質から構築できることから、地球環境に優しい材料の一つであると考えられる。例えば、粘土化合物と有機物からなるハイブリッド材料は、圧力等のセンシングに利用されている(例えば、特許文献1、非特許文献1)。



特許文献1は、粘土鉱物の微粒子の層の間に、蛍光化合物とバインダーを充填した圧力感知材料の発明である。この圧力感知材料は、圧力センシング時に、非常に大きな蛍光色の変化が生じるため、より容易にセンシングが可能である。また、これまでの粘土化合物と有機物からなるハイブリッドセンシング材料は、既存のレーザー色素と粘土鉱物を組み合わせたものに限られており、色調の変化に乏しいものがほとんどである(例えば、非特許文献1)。



また、色調の変化が大きいセンシング材料は、中に含まれる化合物に結合の解離が伴うプロセスで分子自身の形が変化するものであった。そのため、これまでの色調の変化が大きなセンシング材料は、耐久性に問題があった(例えば、非特許文献2~4)。このようなハイブリッド材料の中の有機化合物は、溶液の中に存在するより、高密度な状態をとることができる。そのため、粘土化合物の層間に取り込まれた有機化合物はエキシマーを形成することも知られている(例えば、非特許文献5を参照。)。



エキシマーは、励起分子と基底分子の作る分子化合物(励起錯体とも言う。)である。励起状態の分子は、蛍光を放ってそれぞれの基底分子を再生する。又は、励起状態の分子は化学反応により基底状態になる。エキシマーが発光する波長帯域は、モノマーが発光する波長帯域よりも長波長側に観測され、エキシマーとモノマーとで蛍光極大波長(蛍光ピーク波長)が100nm以上シフトすることもある。この現象をセンシングに利用することが知られている。



例えば,キヌレン酸は、溶液中では通常モノマーとしての発光を示すが、カドミウムイオンが存在するとカドミウムイオンの周りに集積しエキシマー発光を生じ、カドミウムイオンをセンシングすることができる(非特許文献6)。

産業上の利用分野


本発明は、有機溶媒をセンシングするためのセンシング用発光材料に関する。詳しくは、有機物を含有する溶媒をセンシングした蛍光色の変化を目視できるセンシング用発光材料に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
有機物をセンシングするための材料である有機物センシング用発光材料において、
スメクタイト系粘土鉱物に由来する化合物の微粒子の層からなる層状化合物と、
複数の前記層の間に挟まれたもので、カチオン数が一つ又は二つの1種類以上の有機化合物からなる棒状の蛍光化合物とからなり、
有機溶媒の添加による外部刺激に応答して、前記蛍光化合物はエキシマーを形成し励起複合体とし、前記蛍光化合物の蛍光色を変化させる
ことを特徴とする有機物センシング用発光材料。

【請求項2】
請求項1において、
前記有機溶媒を除去して前記外部刺激を取り除くことで、前記蛍光化合物はモノマー由来の蛍光を発する
ことを特徴とする有機物センシング用発光材料。

【請求項3】
請求項1又は2において、
前記スメクタイト系粘土鉱物は、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト及びバイデライトの群から選択される1以上の鉱物である
ことを特徴とする有機物センシング用発光材料。

【請求項4】
請求項1又は2において、
前記有機溶媒は、DMSO,DMF,アセトン、及び、アセトニトリルからなる群から選択される1以上の有機化合物を含有する溶媒である
ことを特徴とする有機物センシング用発光材料。

【請求項5】
請求項1又は2において、
前記蛍光化合物の粒子の大きさは、前記粘土鉱物の粒子の大きさより小さい
ことを特徴とする有機物センシング用発光材料。

【請求項6】
請求項5において、
前記蛍光化合物の粒子の大きさは、0.5nm以上である
ことを特徴とする有機物センシング用発光材料。

【請求項7】
請求項5において、
前記粘土化合物の粒子の大きさは、長軸方向で20nm以上100nm以下である
ことを特徴とする有機物センシング用発光材料。

【請求項8】
請求項1又は2において、
前記有機物センシング用発光材料は、前記有機化合物を分散させた高分子バインダーを更に有し、前記高分子バインダーは前記複数の前記層の間に挟まれたものである
ことを特徴とする有機物センシング用発光材料。

【請求項9】
請求項8において、
前記ポリマーバインダは、ポリアクリル酸ナトリウムが含まれた系である
ことを特徴とする有機物センシング用発光材料。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014192990thum.jpg
出願権利状態 公開


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