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集光型太陽電池モジュール及び集光型太陽光発電システム

国内特許コード P160013171
整理番号 S2014-1509-N0
掲載日 2016年8月4日
出願番号 特願2014-187152
公開番号 特開2016-062931
出願日 平成26年9月15日(2014.9.15)
公開日 平成28年4月25日(2016.4.25)
発明者
  • 山田 昇
出願人
  • 国立大学法人長岡技術科学大学
発明の名称 集光型太陽電池モジュール及び集光型太陽光発電システム
発明の概要 【課題】入射された散乱光に対する透過性を増大するとともに透過した散乱光の多目的利用が可能な高倍率集光型太陽電池モジュール及び集光型太陽光発電システムを提供する。
【解決手段】モジュール10(10a)は、集光器11と、高透過板12と、集光器11によって集光された太陽光を受光して発電する複数の太陽電池セル13と、高透過板12の表面の一部に設けられかつセル13に電気的に接続可能な回路と、を備える。太陽電池セル13の各セル13は、高透過板12の表面上に分散的に配置される。セル13と回路とは集光器11と高透過板12との間に封止される。太陽電池セル13の全受光面積は太陽光総入射面積の10%以下である。高透過板12の受光面積は太陽光総入射面積の80%以上であり、散乱光L2の透過性に優れる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


(1)太陽光発電の普及
近年、再生可能エネルギーの固定価格買取制度による太陽光発電の普及が急ピッチで進んでいる。今後、地球温暖化問題の深刻化に伴いCO2排出規制が厳しくなると、さらなる普及拡大が必要となることが予想される。



(2)集光型太陽電池モジュール
太陽電池(photovoltaic:PV)モジュールは、大きく集光型と非集光型とに大別される。集光型PVモジュールとして、レンズやミラー等の集光器を利用した技術が既に存在する(例えば、特許文献1~4参照)。



(3)従来の太陽電池モジュールの問題点1
しかしながら、特許文献1~4に開示の集光型PVモジュールでは「直達光」のみがPVセルに集光され、「散乱光」はPVセル周辺のモジュール筐体に入射されるため、全く有効に活用されないばかりか、「散乱光」の大半が通常金属製の不透明なモジュール筐体に吸収されてしまい、熱となって太陽電池セルの温度を上昇させるため、変換効率や長期信頼性の低下要因となることが危惧される。



(4)従来の太陽電池モジュールの問題点2
また、太陽光発電の大量普及時代に突入すると、太陽光発電の設置スペースの確保が徐々に難しくなり、農業や園芸をはじめとする他の太陽光を必要とする用途(つまり、発電以外の他の用途)との設置スペースの競合が生じる可能性が高い。従って、今後は限られたスペースで最大限に太陽光発電をしつつ、同時に他の用途と共存可能な技術へのニーズが増えることも予想される。



例えば、建物等の屋上面で太陽光発電と屋上菜園との利用を両立したい場合などがある。特許文献1~4に開示した従来の太陽電池モジュールでは、植物への日射を確保するためにはモジュール筐体の面積(ひいてはPVセルの面積)を減らす必要があり、その分だけ発電量が低下してしまう。このため、共存が困難であり、太陽光が有効に活用できないという問題点がある。



また、植物への日射に限らず、居住空間への採光も太陽光発電と競合する用途の1つであり、上述した同じ問題点が発生し得る。特に、建物が林立する都市部においては日照権に拘わる問題にも発展する可能性があり、建物屋上に遮光物を容易には設置できない。



(5)上記問題解決へのアプローチ
上記の問題点は、従来のPVモジュールの筐体が太陽光に対して不透明になっており、日射の透過量を増やそうとすると、その分だけPVセルの面積を減らす必要があることに起因する。そこで、本発明者は、発電量を大きく犠牲にすることなく従来以上に太陽光を高透過するPVモジュールを提供することができれば、この問題を軽減できることを着想した。



例えば、集光型PVモジュールにおいて、従来製品は不透明であったモジュール筐体の全面もしくは一部を太陽光の透過性が高い材料に置き換えることによって、発電に利用されない散乱光の透過性を大幅に向上しつつ、この散乱光を発電以外の他の用途へ利用できるのである。



このような着想は、特許文献5の明細書段落〔0025〕にも開示がある。また、該文献5の明細書段落〔0045〕~〔0046〕の記載(特に、「この光学シートの太陽光総入射面積に対し、太陽電池への総入射面積は2.7対1.0であることを確認した。本発明の実施においては、受光面の太陽に向けての追尾システムは必須とはしない。本発明の簡便な繰り返しの線状構造形状を有するリニアな光学シート1枚で、2.7倍集光を実現することができた。」との記載)から、特許文献5の太陽電池モジュールは、太陽電池より下側に配置されかつ太陽電池の投影面積と重ならない筐体透明部分の面積比は2.7対1.7となる。言い換えれば、太陽電池の投影面積が約37%となり、それ以外の透明部分の面積は約63%となる。



つまり、特許文献5に記載の従来技術は、当該文献の〔図2〕を紙面に垂直な方向に延ばした構造(2次元集光)であり、つまり、太陽追尾機構が不要の固定設置方式で、集光倍率(集光度)が2~3倍程度(実施例では2.7倍)の低倍率集光タイプの太陽電池モジュールであるといえよう。



ただし、昨今、太陽の集光倍率が100倍以上の極めて高くかつ太陽追尾機構が必須となる3次元集光タイプの太陽電池モジュールへの需要が高まっている。集光倍率が100倍以上になると化合物多接合型太陽電池とよばれる超高効率太陽電池を極めて小面積で使用できるためモジュール変換効率とコストパフォーマンスを高められるためである。この需要を満たすために、特許文献5の構成をそのまま採用しようとすると下記の技術的課題が発生する恐れがあり、そのための対策を取る必要がある。



(対策1:焦点の位置ズレ対策)
超高倍率になればなるほど、追尾機構による僅かな追尾誤差でもモジュールの焦点がずれやすくなる。このため、超高倍率集光型太陽電池モジュールでは、焦点が多少ずれても太陽電池セルへの集光を確保・維持できるような構造を設けておくことが望まれる。



(対策2:放熱対策)
本発明の目的とする太陽電池モジュールは、特許文献5の装置に比べ、その集光倍率が高いため、放熱性能をより強化・向上させる必要がある。

産業上の利用分野


本発明は、太陽電池モジュールに関し、より具体的には、太陽光を集光器により集光して発電する集光型太陽電池モジュールに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
太陽光を集光する集光器と、
前記集光器によって集光された前記太陽光を受光して該太陽光の少なくとも散乱光成分を透過する高透過板と、
前記集光器によって集光された前記太陽光を受光して発電する複数の太陽電池セルと、
前記高透過板の表面の一部に設けられ、かつ、前記セルに電気的に接続可能な回路と、
を備えた集光型太陽電池モジュールであって、かつ、
前記太陽電池セルの各セルは、前記高透過板の表面上に分散的に配置され、
前記セルと前記回路とは、前記集光器と前記高透過板との間に封止され、
前記太陽電池セルの全受光面積は太陽光総入射面積の10%以下であり、
前記高透過板の受光面積は太陽光総入射面積の80%以上であることを特徴とする集光型太陽電池モジュール。

【請求項2】
前記太陽電池セルの各セルの受光面が1mm×1mm以下の寸法であることを特徴とする請求項1に記載の集光型太陽電池モジュール。

【請求項3】
前記回路が金属膜と金属ワイヤとを含み、
前記金属膜が、前記太陽電池セルを担持しながら前記高透過板の表面に分散的にかつ前記高透過板とは電気的に絶縁であるように密着して設置され、
前記金属ワイヤは、前記金属膜と前記太陽電池セルとの間を電気的に接続し、直列又は並列の電気回路を構成することを特徴とする請求項1又は2に記載の集光型太陽電池モジュール。

【請求項4】
前記回路が金属膜と金属ワイヤと透明導電膜とを含み、
前記金属膜が、前記太陽電池セルを担持しながら前記高透過板の表面に分散的にかつ前記高透過板とは電気的に絶縁であるように密着して設置され、
前記金属ワイヤ及び前記透明導電膜は、前記金属膜と前記太陽電池セルとの間を電気的に接続し、直列又は並列の電気回路を構成することを特徴とする請求項1又は2に記載の集光型太陽電池モジュール。

【請求項5】
前記高透過板の受光面とは反対側の面の下方に第2の太陽電池を設置したことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の集光型太陽電池モジュール。

【請求項6】
前記集光器によって集光された太陽光を反射させて前記太陽電池セルの受光面へ案内する反射面を備えた受光ガイドをさらに備え、かつ、
前記受光ガイドと前記太陽電池セルとを予め一体化してセルパッケージが複数構成され、該セルパッケージが前記高透過板の表面上に分散的に配置されることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の集光型太陽電池モジュール。

【請求項7】
前記受光ガイドに放熱用フィンが設けられていることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の集光型太陽電池モジュール。

【請求項8】
前記高透過板の受光面とは反対側の面の下方に放熱用ハニカム構造体を設置したことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の集光型太陽電池モジュール。

【請求項9】
太陽光を集光する集光器と、
前記集光器によって集光された前記太陽光を受光して該太陽光の少なくとも散乱光成分を透過する高透過板と、
前記集光器によって集光された太陽光を受光して発電する複数の太陽電池セルと、
前記高透過板の表面の一部に設けられ、かつ、前記セルに電気的に接続可能な回路と、
を備えた集光型太陽電池モジュールであって、かつ、
前記太陽電池セルの各セルは前記高透過板の受光面とは反対側の面に分散的に配置され、
前記太陽電池セルの全受光面積は太陽光総入射面積の10%以下であり、
前記高透過板の受光面積は太陽光総入射面積の80%以上であり、
前記集光器によって集光されかつ前記高透過板を透過した太陽光を反射させて前記太陽電池セルの受光面へ案内する反射面を備えた受光ガイドをさらに備え、
前記受光ガイドと前記太陽電池セルとを予め一体化してセルパッケージが複数構成され、封止材によって該セルパッケージが前記高透過板の前記反対側の面上に分散的に封止されることを特徴とする集光型太陽電池モジュール。

【請求項10】
前記集光器は、表面がドーム状を成す受光面を有することを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の集光型太陽電池モジュール。

【請求項11】
前記集光器は、前記高透過板の上方に空気層を挟んで設置されたレンズであることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の集光型太陽電池モジュール。

【請求項12】
請求項1~4,6~11のいずれかに記載の集光型太陽電池モジュールと、該モジュールを搭載する1軸太陽追尾架台及び2軸太陽追尾架台の少なくとも一方の架台とを備えた集光型太陽光発電システムであって、かつ、該システムが、太陽光を利用する発電以外の他用途に使用されている場所に適当な間隔で設置可能であることを特徴とする集光型太陽光発電システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014187152thum.jpg
出願権利状態 公開
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