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筋萎縮性側索硬化症治療剤

国内特許コード P160013178
整理番号 (S2014-1549-N0)
掲載日 2016年8月4日
出願番号 特願2015-179049
公開番号 特開2016-065044
出願日 平成27年9月11日(2015.9.11)
公開日 平成28年4月28日(2016.4.28)
優先権データ
  • 特願2014-189145 (2014.9.17) JP
発明者
  • 加藤 信介
  • 内藤 善哉
  • 田中 信之
  • 加藤 雅子
出願人
  • 国立大学法人鳥取大学
発明の名称 筋萎縮性側索硬化症治療剤
発明の概要 【課題】新たな筋萎縮性側索硬化症治療剤の提供。
【解決手段】デオキシグルコース、デオキシフルクトース、デオキシガラクトース、デオキシマンノース、イズロン酸、ノイラミン酸、N-アセチルノイラミン酸、N-グリコリルノイラミン酸、グルクロン酸等の還元糖類縁体を有効成分とする筋萎縮性側索硬化症治療剤。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


筋萎縮性側索硬化症(以下、ALS)は、有効な治療法確立が強く希求されている致死的神経変性疾患の代表で、日本においては厚生労働省の特定難病疾患に指定されている。ALSの有病率は10万人口当たり約3人から5人とされ、現在日本では約4,000から5,000人の患者がいると考えられている(非特許文献1)。尚かつ、本疾患は働き盛りである中年以降に発症する。従って、ALSの新規治療法の開発は、極めて重要である。



歴史的には、ALSは1869年にJean-Martin CharcotとAlexis Joffroyにより記載された一つの疾患単位である(非特許文献2)。主に上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの両者が障害される進行性の原因不明の疾患であり呼吸筋麻痺により死亡する運動ニューロン疾患として位置づけられる(非特許文献3)。この疾患が初めて記載されて以来、約145年経過した現在尚、その有効な治療法は確立していない。ALS治療剤として神経栄養因子、神経保護効果、カスパーゼ抑制、銅キレート作用、グルタミン酸抑制作用等に基づいた薬剤の効果についての検討がなされている(特許文献1、非特許文献4)。しかし、現在、ALS治療薬として販売されているのは、グルタミン酸受容体のアゴニストとしてグルタミン酸抑制作用のあるリルゾール(商品名リルテック、CAS登録番号1744-22-5)のみである(特許文献1)。当該リルゾールを使用しても、国外治験では運動機能改善は認められておらず、寿命を3か月延長させたのみで、延命させることができる生存期間は僅かであった(非特許文献5~7)。日本でおこなった治験では有効性を証明できなかった。しかし、ALSは致死的神経変性疾患であるために当該治療薬が強く希求されている臨床現場を考慮して、国外治験結果の重要性と基礎・臨床の橋渡し試験を重要視することにより承認されている(非特許文献8、9)。



ALSのうち約5から10%は家族性筋萎縮性側索硬化症(FALS)である(非特許文献10、11)。ALSの病因解明の一つの糸口として、1993年にFALSのうち約20%に、銅・亜鉛スーパーオキシドジスムターゼ(copper/zinc superoxide dismutase; SOD1)遺伝子に異常を持つ家系が存在することが報告された(非特許文献12、13)。この発見に基づいて、ヒト変異SOD1遺伝子を高発現するトランスジェニックマウスが遺伝子工学的に開発されている(非特許文献14)。このSOD1の遺伝子異常については、その後の遺伝子解析により100以上のSOD1遺伝子突然変異が報告されている。それに伴って、ALSモデル動物が複数種類開発されてきている(非特許文献15)。当該ALSモデル動物のなかでも、最も症状の進行が早く、早期に四肢麻痺・呼吸筋を呈し、死に至る激烈な系統が、今回本発明者が有効性を確認したALSモデル動物G1H-G93Aトランスジェニックマウス(非特許文献15)である。このため、最も激烈な当該系統において、臨床・病理学的にALSに対しての有効性が認められたならば、他のどの系統での有効性の証明よりALS治療効果は高いと考えられる(非特許文献15)。現在ALS治療薬として唯一承認されているリルゾールでさえ、G1H-G93Aトランスジェニックマウスにおいては有効性を示さない(非特許文献16)。このG1H-G93AトランスジェニックマウスはヒトSOD1 遺伝子のG93A-SOD1という点突然変異が25コピー数遺伝子導入された系統で、発症は生後100日前後、生存期間は125日前後である。一方、G1L-G93Aトランスジェニックマウスは、G1H-G93Aトランスジェニックマウスと同じ変異遺伝子G93A -SOD1を18コピー数遺伝子導入されたものである。しかし、G1H-G93AトランスジェニックマウスとG1L-G93Aトランスジェニックマウスとは臨床・病理学的観点からは、大きく異なる。G1L-G93Aトランスジェニックマウスは、臨床学的には、ALS症状の進行は緩やかで、230日経過した後に症状が顕在化し、300日前後頃まで生存する(非特許文献15)。病理学的には、G1H-G93Aトランスジェニックマウスの運動脊髄前角細胞死の程度は、G1L-G93Aトランスジェニックマウスの運動脊髄前角細胞死の程度より高度である(非特許文献15)。その他、G85R、H46R などの変異SOD1遺伝子が遺伝子導入されたモデルマウスが存在するが、当該マウスの症状進行はヒトの症状進行と同様緩やかで、生存期間も長い。このため、薬剤の有効性を判断する際に、生存日数や病悩期間の日数は、ALSモデル動物の系統が異なると単純に比較は出来ない。これら従来のトランスジェニックマウスは、SOD1遺伝子の変異ごとの違いによる臨床・病理学的な差異は存在するが、G1H-G93Aトランスジェニックマウスは、ヒトALSと同様に運動ニューロン障害による運動障害症状を呈し、やがて四肢麻痺、最終的には呼吸筋麻痺を惹起させ瀕死状態に陥り、ALS死する(非特許文献15)。尚かつ病理学的にもヒトと同様の運動ニューロン死の病理組織像を示す(非特許文献15)。

産業上の利用分野


本発明は、筋萎縮性側索硬化症治療剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
還元糖類縁体を有効成分とする筋萎縮性側索硬化症治療剤。

【請求項2】
還元糖類縁体が、デオキシグルコース、デオキシフルクトース、デオキシガラクトース、デオキシマンノース、イズロン酸、ノイラミン酸、N-アセチルノイラミン酸、N-グリコリルノイラミン酸及びグルクロン酸から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の筋萎縮性側索硬化症治療剤。

【請求項3】
還元糖類縁体が、2-デオキシ-D-グルコースである請求項1又は2記載の筋萎縮性側索硬化症治療剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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