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成人T細胞白血病治療薬

国内特許コード P160013179
整理番号 (S2014-1521-N0)
掲載日 2016年8月4日
出願番号 特願2015-080944
公開番号 特開2016-060741
出願日 平成27年4月10日(2015.4.10)
公開日 平成28年4月25日(2016.4.25)
優先権データ
  • 特願2014-186177 (2014.9.12) JP
  • 特願2014-186180 (2014.9.12) JP
発明者
  • 岡本 実佳
  • 馬場 昌範
出願人
  • 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 成人T細胞白血病治療薬
発明の概要 【課題】ATL細胞特異的な抗腫瘍効果を有する、新規な成人T細胞白血病治療薬を提供する。
【解決手段】GSK3阻害剤を含有する成人T細胞白血病治療薬;及び成人T細胞白血病治療において投与するためのGSK3阻害剤とTNF-αとの組み合わせ製剤。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia,ATL)は、ヒトレトロウイルスの一種であるヒトT細胞指向性ウイルスI型(human T-cell leukemia virus type I,HTLV-I)が感染することによって引き起こされる難治性の白血病である。例えば、日本臨床腫瘍学グループ(JCOG)により、VEPA-B(VEPA + bleomycin)、M-FEPA(methotrexate, vindesine, cyclophosphamide, prednisolone, doxorubicin)、及びVEPP-B(vincristine, etoposide, procarbazine, prednisolone, bleomycin)からなるレジメLSG4を用いて行われた臨床試験(JCOG8701)において、ATL以外の非ホジキン白血病の生存期間中央値が44ヶ月であったのに対し、ATLは8ヶ月であった(非特許文献1)。ATLの平均発症年齢は約60歳で、HTLV-I感染者の2~5%に発症する。



HTLV-I感染症及びATLに対する有効な治療法はまだ確立されていない。ATLに対する主な治療法は多剤化学療法であるが、治療成績はよくなく、急性型ATLの50%生存期間は約1年間である。最近、同種幹細胞移植による治療が有効であった症例が出始めているが、ATLの大部分である高齢患者は適応外である。このような現状から、ATLに対する新規治療法の確立は大変重要になっている。



ATLに対する化学療法が困難となる原因の一つとして、ATL細胞は既存の抗がん剤に対して耐性を獲得しやすいことが挙げられる。そのため、新規抗ATL薬の開発が急務である。



一方、GSK-3(グリコーゲン合成酵素3)阻害剤としては、種々の物質が知られている。
例えば、3-[6-(3-アミノフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イルオキシ]フェノール(TWS-119)は、GSK-3β阻害活性を有し、ES細胞の神経細胞への分化を誘導することが報告されている(非特許文献2)。



4-ベンジル-2-メチル-1,2,4-チアジアゾリジン-3,5-ジオン(TDZD-8)等の2,4-二置換チアジアゾリジノン誘導体は、GSK-3β阻害剤であり、アルツハイマー病、インスリン非依存性糖尿病、癌、及び急性骨髄性白血病(AML)等の白血病などのGSK-3が関与する疾患の治療に有用であることが報告されている(例えば、特許文献1及び2)。



インジルビン誘導体の一種である6-ブロモインジルビン-3’-オキシム(BIO)及びそのアシル化体である6-ブロモインジルビン-3’-アセトキシム等は、GSK-3阻害剤であることが知られ(非特許文献3)、これまでに、インジルビンは、慢性骨髄性白血病及び慢性顆粒球性白血病の治験で有効であったことが報告されている(非特許文献4)。



1-(7-メトキシキノリン-4-イル)-3-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]ウレア(A1070722)はGSK-3α及びGSK-3βの阻害剤であり、神経変性疾患及び精神疾患に用いられている。



GSK3阻害剤XVは、細胞膜透過性のpyridocarbazolo-cyclopentadienyl Ruthenium 複合体のラセミ混合物であり、GSK-3α及びGSK-3βの阻害剤である。



しかしながら、GSK3阻害剤のATLに対する有効性は報告されていない。また、特許文献2には、TDZD-8はAMLに対して細胞毒性を示すが、TDZD-8と同様GSK-3阻害剤である6-ブロモインジルビン-3’-オキシム(BIO)はAMLに対して細胞毒性を示さないことが報告されている(段落0158、表2)。

産業上の利用分野


本発明は、成人T細胞白血病を治療するために用いられる薬剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
GSK3阻害剤を含有する成人T細胞白血病治療薬。

【請求項2】
GSK3阻害剤が、下記式(I):
【化1】


で示される化合物、
下記式(II):
【化2】


(式中、Arは置換又は無置換のフェニル基であり、Rは炭素数1~3のアルキル基である。)
で示される化合物、
下記式(III):
【化3】


(式中、Rは水素原子又は炭素数2~6の脂肪族アシル基であり、当該脂肪族アシル基はカルボキシル基で置換されていてもよい。)
で示される化合物、
下記式(IV):
【化4】


で示される化合物、
下記式(V):
【化5】


で示される化合物、それらの塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる請求項1に記載の成人T細胞白血病治療薬。

【請求項3】
GSK3阻害剤が前記式(I)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる請求項2に記載の成人T細胞白血病治療薬。

【請求項4】
GSK3阻害剤が前記式(II)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる請求項2に記載の成人T細胞白血病治療薬。

【請求項5】
前記式(II)で示される化合物が、下記式(IIa):
【化6】


で示される化合物である請求項4に記載の成人T細胞白血病治療薬。

【請求項6】
GSK3阻害剤が前記式(III)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる請求項2に記載の成人T細胞白血病治療薬。

【請求項7】
前記式(III)で示される化合物が、下記式(IIIa):
【化7】


で示される化合物である請求項6に記載の成人T細胞白血病治療薬。

【請求項8】
GSK3阻害剤が前記式(IV)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる請求項2に記載の成人T細胞白血病治療薬。

【請求項9】
GSK3阻害剤が前記式(V)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる請求項2に記載の成人T細胞白血病治療薬。

【請求項10】
GSK3阻害剤と、TNF-αとを含有する成人T細胞白血病治療薬。

【請求項11】
成人T細胞白血病治療において同時に、別々に、又は順次に投与するための組み合わせ製剤であって、2つの別個の製剤:
(a)GSK3阻害剤を含有する製剤、及び
(b)TNF-αを含有する製剤
を含む組み合わせ製剤。

【請求項12】
請求項2に記載の前記式(IV)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物を含有する白血病治療薬。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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