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アルコール酸化触媒及びそれを用いたアルコール酸化方法

国内特許コード P160013234
整理番号 (S2012-0850-N0)
掲載日 2016年8月18日
出願番号 特願2014-521528
出願日 平成25年6月21日(2013.6.21)
国際出願番号 JP2013067136
国際公開番号 WO2013191287
国際出願日 平成25年6月21日(2013.6.21)
国際公開日 平成25年12月27日(2013.12.27)
優先権データ
  • 特願2012-140571 (2012.6.22) JP
発明者
  • 岩淵 好治
  • 澁谷 正俊
  • 長澤 翔太
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 アルコール酸化触媒及びそれを用いたアルコール酸化方法
発明の概要 アルコールを酸化せしめるアルコール酸化触媒であって、
下記一般式(1):
【化1】



[式(1)中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~5のアルキル基、及び置換基を有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基からなる群から選択されるいずれか1種を示し、Xはヘテロ原子を含む基(ただし、次式:-NO-で表わされる基を除く)を示す。]
で表わされる多環式N-オキシル化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含有するアルコール酸化触媒。
従来技術、競合技術の概要


アルコールをカルボニル化合物へ酸化せしめるアルコール酸化反応は、医薬、農薬、香料、化成品等の高付加価値化合物を有機合成する際に用いられる最も基本的な反応の1つであり、これまでに様々な手法が開発されてきている。しかしながら、従来の手法においては、高温に加熱する必要があったり、毒性や爆発性を有する酸化剤を使用する必要があったり、重金属等の廃棄物が大量に生じたりするといった、安全性や環境負荷の面からの問題を抱えていた。



このような問題を背景として、近年では、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル(2,2,6,6-tetramethylpiperidine 1-oxyl、以下「TEMPO」という。)が、毒性の高い危険な試薬を使うことなく、種々の共酸化剤を用いて0度から室温という極めて温和な条件下においてアルコールを酸化せしめることができるという観点から、大量スケールにおいてもアルコールの酸化を実施可能な触媒として注目を集めている。



前記共酸化剤としては、例えば、工業プロセスでも利用される安価かつ環境調和性に優れた次亜塩素酸ナトリウム水溶液(Pier Lucio Anelliら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、1987年、52巻、12号、p.2559-2562(非特許文献1))、二重結合や電子豊富な芳香環を有するアルコールにも適用可能な広い官能基共存性を有するヨードベンゼンジアセテート(PhI(OAc))(Antonella De Micoら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、1997年、62巻、20号、p.6974-6977(非特許文献2))を始め、多くの酸化剤が利用できることが報告されている。



さらに、最近、本発明者らは、アザアダマンタン骨格を有するN-オキシル(ニトロキシルラジカル)化合物(2-azaadamantane N-oxyl(以下「AZADO」という)、及び、1-methyl-2-azaadamantane N-oxyl(以下「1-Me-AZADO」という。))、アザビシクロ[3.3.1]ノナン骨格を有するN-オキシル化合物(9-azabicyclo[3.3.1]nonane N-oxyl、以下「ABNO]という。)、ノルアザアダマンタン骨格を有するN-オキシル化合物(9-norazaadamantane N-oxyl、以下「Nor-AZADO」という。)といった多環式N-オキシル化合物が、TEMPOに比較して高いアルコール酸化触媒活性を有すること、及び、TEMPOでは酸化が進行しない嵩高い第2級アルコールの酸化も速やかに進行させることが可能であることを報告している(澁谷正俊ら、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー、2006年、128巻、26号、p.8412-8413(非特許文献3)、澁谷正俊ら、ケミカル・コミュニケーションズ、2009年、13号、p.1739-1741(非特許文献4)、澁谷正俊ら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、2009年、74巻、12号、p.4619-4622(非特許文献5)、澁谷正俊ら、シンセシス、2011年、21号、p.3418-3425(非特許文献6)、林政樹ら、ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブリテン、2011年、59巻、12号、p.1570-1573(非特許文献7)、国際公開第2006/001387号パンフレット(特許文献1)、特開2009-114143号公報(特許文献2)、特開2008-212853号公報(特許文献3)、国際公開第2012/008228号パンフレット(特許文献4))。



なお、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー、1974年、96:21巻、p.6559-6568(非特許文献8)においては、アザアダマンタン骨格にニトロキシルラジカルが2つ導入された化合物が記載されているが、同文献には、この化合物をアルコール酸化触媒として用いることについて何ら記載されていない。



また、アルコールの酸化反応に一般に使用される様々な酸化剤の中でも、酸素(分子状酸素)は、操作性・安全性・経済性に優れるのみならず、副生物として水のみを生成する酸化システムの構築が可能であることから、化学工業における環境保全の必要性が叫ばれている昨今において最も理想的な酸化剤であると位置づけられている。しかしながら、近年、TEMPOを触媒としたアルコールの空気酸化反応が数多く検討されているものの、その触媒活性は未だ十分なものではなく、第2級アルコールの酸化反応を速やかに進行させることも未だ困難であるという問題を有していた。



これに対して、本発明者らは、AZADOの5位にフッ素原子を導入したN-オキシル化合物(5-fluoro-2-azaadamantane N-oxyl、以下「5-F-AZADO」という。)を触媒とした反応条件を報告している(澁谷正俊ら、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー、2011年、133巻、17号、p.6497-6500(非特許文献9)、国際公開第2009/145323号パンフレット(特許文献5))。この条件によれば、酸素を酸化剤とし、常温・常圧という温和な空気酸化条件においても、第2級アルコールや高度に官能基化されたアルコールを速やかに酸化せしめることが可能である。



しかしながら、5-F-AZADOはフッ素原子が導入された化合物であるため、製造工程が煩雑であり、特に、アザアダマンタン骨格にフッ素原子を導入する工程においては、重金属を用いるC-H酸化反応や低温条件において高価なフッ素剤を用いる反応を実施することが必要であり、触媒の大量供給を指向した合成経路による製造が困難であるという問題を有していた。

産業上の利用分野


本発明は、アルコール酸化触媒及びそれを用いたアルコール酸化方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
アルコールを酸化せしめるアルコール酸化触媒であって、
下記一般式(1):
【化1】


[式(1)中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~5のアルキル基、及び置換基を有していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基からなる群から選択されるいずれか1種を示し、Xはヘテロ原子を含む基(ただし、次式:-NO-で表わされる基を除く)を示す。]
で表わされる多環式N-オキシル化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含有するアルコール酸化触媒。

【請求項2】
前記一般式(1)中のXが、酸素原子及び下記一般式(2):
-NY- ・・・(2)
[式(2)中、Yはスルホニル基を含む基又はアシル基を示す。]
で表わされる基からなる群から選択されるいずれか1種である請求項1に記載のアルコール酸化触媒。

【請求項3】
請求項1又は2に記載のアルコール酸化触媒及び共酸化剤の存在下でアルコールを酸化せしめるアルコール酸化方法。

【請求項4】
前記共酸化剤が酸素である請求項3に記載のアルコール酸化方法。

【請求項5】
前記アルコールが第1級アルコール又は第2級アルコールである請求項3又は4に記載のアルコール酸化方法。

【請求項6】
前記多環式N-オキシル化合物及び/又はその誘導体の添加量が前記アルコールにおける全ヒドロキシ基100モルに対して0.001~150モルである請求項3~5のうちのいずれか一項に記載のアルコール酸化方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014521528thum.jpg
出願権利状態 公開
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