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吸着冷凍機 新技術説明会

国内特許コード P160013235
整理番号 (S2012-0808-N0)
掲載日 2016年8月18日
出願番号 特願2014-522643
登録番号 特許第6004381号
出願日 平成25年6月25日(2013.6.25)
登録日 平成28年9月16日(2016.9.16)
国際出願番号 JP2013067404
国際公開番号 WO2014003013
国際出願日 平成25年6月25日(2013.6.25)
国際公開日 平成26年1月3日(2014.1.3)
優先権データ
  • 特願2012-143509 (2012.6.26) JP
発明者
  • 秋澤 淳
  • ラーマン ミザヌール
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 吸着冷凍機 新技術説明会
発明の概要 装置全体の占有体積を少なくしつつ高い冷却能力を実現する、吸着冷凍機を提供する。本実施形態の吸着冷凍機は、第一下層吸着反応器と第二下層吸着反応器のすぐ上に位置する吸着反応器を単一に構成した。そして、本実施形態の吸着冷凍機は、第一下層吸着反応器と第二下層吸着反応器のうち、一方を吸着プロセスのまま保持して、他方を予熱、脱着、予冷、吸着と、プロセスを転換させるシーケンス制御を行う。
従来技術、競合技術の概要


近年、社会における省エネルギーや環境保護等の要求の高まりを受けて、吸着冷凍機が注目されている。吸着冷凍機は、主要な構成要素として、一対の吸着反応器と、凝縮器と、蒸発器を有する。なお、吸着反応器は吸着剤熱交換器とも呼ぶ。更に吸着冷凍機は、吸着反応器と、凝縮器と、蒸発器の中を真空にするための真空ポンプを有する。
凝縮器は、左右に並べられた一対の吸着反応器の上部に設けられる。蒸発器は、吸着反応器の下部に設けられる。また、吸着反応器には、温水又は冷却水を循環させるための第一の水路が設けられる。凝縮器と蒸発器には、冷媒液を循環させるための第二の水路が設けられる。蒸発器には、冷却対象を冷却させる冷水を循環させるための第三の水路が設けられる。凝縮器には、冷却水を循環させるための第四の水路が設けられる。
更に、一対の吸着反応器には、温水又は冷却水を交互に循環させるための切替弁が設けられる。また、一対の吸着反応器と、凝縮器と、蒸発器には、それぞれ開閉弁が設けられており、開閉弁を通じて冷媒液が蒸発した冷媒蒸気が通過可能である。そして、吸着冷凍機は真空ポンプと開閉弁を制御する制御装置を備えている。



吸着反応器にはシリカゲル又はゼオライト等、冷媒蒸気を吸着及び脱着するための吸着剤が充填される。
吸着反応器と、凝縮器と、蒸発器が形成する空間は、真空ポンプによって減圧雰囲気になる。その後、冷媒液が蒸発器で蒸発して冷媒蒸気になる。この時、冷媒液は蒸発して気化するために冷水から熱を奪うので、冷水は冷媒液によって冷やされる。そして、冷媒蒸気は吸着反応器の吸着剤によって吸着される。吸着された冷媒蒸気は吸着剤を温水で温めることで吸着剤から脱着される。吸着剤から脱着された冷媒蒸気は凝縮器で冷却水によって再び冷媒液に凝縮される。凝縮された冷媒液は、配管を通じて蒸発器に送られ、再度蒸発して水蒸気になる。



以上説明した吸着冷凍機は、吸着反応器と、凝縮器と、蒸発器の内部を減圧雰囲気に維持しながら、80℃程度の温水と、30℃程度の冷却水を与えることで、9℃前後の冷水を生成できる。この9℃という温度は、空調用として十分利用可能な冷熱である。
吸着冷凍機は、代替フロン等の冷媒を用いる同等規模の一般的な気化圧縮型冷凍機と比べると、消費電力が極めて少ないこと、冷媒に水等の自然作動媒体が使えること、及び比較的低温度の温水を有効に活用できること等の利点がある。つまり、吸着冷凍機は、極めて環境負荷が小さく、安全性が高く、電力消費が小さく、汎用性が高いといえる。



特に、第一の水路に用いる温水又は冷却水は、吸着剤、冷媒液及び冷水と全く接触しないので、化学的安定性等の所定の条件さえ満たせば、何を使ってもよい。極端な例で言えば、海水でも利用可能である。また、通常なら発電には利用できず、様々な工業的用途には利用し難い低温の温水でも十分利用できる。例えば、工場から得られる排熱を利用した温水のみならず、ごみ焼却施設等から得られる温水等の、比較的低温の温水でも十分に利用可能である。
一方で、高い冷却能力を得るために、吸着冷凍機はどうしても大型化せざるを得ないのが唯一の短所ではあるものの、それを補って余りある上述の利点によって、吸着冷凍機は近年大変注目を集めている。



このような吸着冷凍機の性能を更に向上すべく、多くの技術者によって様々な技術開発が進められている。その一つが、吸着反応器を多段化する技術である。
吸着剤が吸着した冷媒蒸気を脱着させるためには、温水が必要である。この温水は温度が高ければ高いほど短時間で冷媒蒸気を分離できる。このため、従来技術の吸着冷凍機は80℃程度の温水を用いている。しかし、吸着冷凍機を設置する場所や施設によっては、80℃に至らない温度の温水しか得られない場合もある。つまり、利用可能な温水の温度が低ければ低いほど、吸着冷凍機の利用範囲は拡大する。しかし、従来より低い温度の温水を利用する場合、吸着剤の脱着能力が低下する。したがって、従来と比べて吸着反応器が吸脱着する冷媒蒸気量が少なくなるため、十分な冷却効果が得られない。
そこで、低温の温水を利用する場合でも、吸着反応器における冷媒蒸気の吸脱着量を従来の装置と同等の量に確保するため、吸着反応器を多段化する。つまり、凝縮器と蒸発器の間に二段あるいは三段の、多段化した吸着反応器を設けて、冷媒液を二段階または三段階に渡って吸着反応器へ通過させる。こうすることで、低温の温水を用いることによる、吸着反応器の冷媒蒸気吸着性能の低下を補うことができる。このように吸着冷凍機の吸着反応器を多段化することで、60℃程度の温水でも実用的な冷却能力を備える吸着冷凍機が実現可能になる。
特許文献1には、二段階の吸着反応器を設けた吸着冷凍機の技術内容が開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、吸着冷凍機に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
減圧雰囲気で冷媒を蒸発させて気化させることで冷熱を発生させる蒸発器と、
前記蒸発器から生じる、気化された前記冷媒を吸着する吸着剤と、前記吸着剤を時分割にて温めると共に冷やす吸脱着ラジエータを内包する第一下層吸着反応器と、
前記蒸発器から生じる、気化された前記冷媒を吸着する吸着剤と、前記吸着剤を時分割にて温めると共に冷やす吸脱着ラジエータを内包する第二下層吸着反応器と、
前記第一下層吸着反応器及び前記第二下層吸着反応器から生じる、気化された前記冷媒を交互に受け取って吸着する吸着剤と、前記吸着剤を時分割にて温めると共に冷やす吸脱着ラジエータを内包する第一上層吸着反応器と、
前記第一上層吸着反応器から生じる、気化された前記冷媒を減圧雰囲気で冷却させて凝縮させて、液化した前記冷媒を前記蒸発器に供給する凝縮器と、
前記凝縮器と前記第一上層吸着反応器の間と、前記第一上層吸着反応器と前記第一下層吸着反応器の間と、前記第一上層吸着反応器と前記第二下層吸着反応器の間と、前記第一下層吸着反応器と前記蒸発器の間と、前記第二下層吸着反応器と前記蒸発器の間に設けられる複数の開閉弁と、
前記第一上層吸着反応器の前記吸脱着ラジエータに前記吸着剤を時分割にて温めると共に冷やすための第一冷温切替弁と、
前記第一下層吸着反応器と前記第二下層吸着反応器の夫々の前記吸脱着ラジエータに前記吸着剤を時分割にて温めると共に冷やすための第二冷温切替弁と、
前記複数の開閉弁の開閉状態及び前記第一冷温切替弁と前記第二冷温切替弁を制御すると共に、第一の時点で、前記第一下層吸着反応器と前記第二下層吸着反応器のうちの一方を冷やして他方を温め、かつ前記第一上層吸着反応器を冷やし、第二の時点で、前記第一下層吸着反応器と前記第二下層吸着反応器のうちの一方を冷やした状態を継続しつつ他方を冷やし、かつ前記第一上層吸着反応器を温めるシーケンス制御を行う、制御部と
を具備する吸着冷凍機。

【請求項2】
前記制御部は、前記第一下層吸着反応器を冷やして、前記蒸発器から生じる、気化された前記冷媒を吸着させる吸着プロセスを実行する間に、前記第二下層吸着反応器を冷やして、前記蒸発器から生じる、気化された前記冷媒を吸着させる吸着プロセスを実行し、その後、前記第二下層吸着反応器を温めて、前記吸着材から前記冷媒を脱着させる脱着プロセスを実行し、更にその後、前記第二下層吸着反応器を冷やして、前記蒸発器から生じる、気化された前記冷媒を吸着させる吸着プロセスを実行するべく、前記複数の開閉弁の開閉状態及び前記第一冷温切替弁と前記第二冷温切替弁を制御する、請求項2に記載の吸着冷凍機。

【請求項3】
更に、
前記第一上層吸着反応器から生じる、気化された前記冷媒を吸着する吸着剤と、前記吸着剤を時分割にて温めると共に冷やす吸脱着ラジエータを内包する第二上層吸着反応器と
を具備する、請求項2に記載の吸着冷凍機。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014522643thum.jpg
出願権利状態 登録
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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