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右手/左手系複合導波管およびその製造方法

国内特許コード P160013274
整理番号 H20-027
掲載日 2016年9月8日
出願番号 特願2008-103239
公開番号 特開2009-253940
登録番号 特許第5071859号
出願日 平成20年4月11日(2008.4.11)
公開日 平成21年10月29日(2009.10.29)
登録日 平成24年8月31日(2012.8.31)
発明者
  • 真田 篤志
  • 久保 洋
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 右手/左手系複合導波管およびその製造方法
発明の概要 【課題】
右手系伝送路としても左手系伝送路としても動作可能な低損失かつ高耐電力の複合導波管を低コストで提供する。
【解決手段】
単位構造体を周期的に配列した構造の右手/左手系複合導波管であって、単位構造体は、主導波管1と先端短絡スタブ2とからなり、主導波管と先端短絡スタブの内部の媒質は同一のものである。左手系導波管として動作する場合は、主導波管は、伝送する電磁波の周波数において遮断領域となる寸法であり、先端短絡スタブは、伝送する電磁波の周波数において伝搬領域となる寸法であるとともに、主導波管から見て容量性インピーダンスを示すものである。また、右手系導波管として動作する場合は、主導波管は、伝送する電磁波の周波数において伝搬領域となる寸法であり、先端短絡スタブは、伝送する電磁波の周波数において伝搬領域となる寸法であるとともに、主導波管から見て誘導性インピーダンスを示すものである。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


金属、誘電体、磁性体、超伝導体などの小片(単位構造体)を、波長に対して十分短い間隔(波長の10分の1程度以下)で並べることで自然にはない性質を持った媒質を人工的に構成することができる。この媒質を自然にある媒質のカテゴリに比べてより大きいカテゴリに属する媒質と言う意味でメタマテリアル(metamaterials)と呼んでいる。メタマテリアルの性質は、単位構造体の形状、材質およびそれらの配置により様々に変化する。



中でも、等価的な誘電率εと透磁率μとが同時に負となるメタマテリアルは、その電界と磁界と波数ベクトルが左手系をなすことから「左手系媒質(LHM:Left-Handed Materials)」と名付けられた。この左手系媒質を本明細書においては左手系メタマテリアルと呼ぶ。これに対して、等価的な誘電率εと透磁率μとが同時に正となる通常の媒質は「右手系媒質(RHM:Right-Handed Materials)」と呼ばれる。これら誘電率ε、透磁率μと媒質との関係領域は、図1に示すように、誘電率εの正負および透磁率μの正負に応じた第1象限~第4象限の媒質に分類できる。右手系媒質は第1象限の媒質であり、左手系媒質は第3象限の媒質である。



特に、左手系メタマテリアルは、波の群速度(エネルギーの伝播する速度)と位相速度(位相の進む速度)の符号が逆転している波(バックワード波と呼ばれる)の存在や、また、非伝播領域で指数関数的に減衰する波であるエバネセント波の増幅、等の特異な性質を持つものである。そして、左手系メタマテリアルによるバックワード波を伝送する線路を人工的に構成することができる。このことは、下記の非特許文献1、非特許文献2にも記載されているように公知である。



この左手系媒質構成の概念に基づき、金属パターンからなる単位セルを周期的に並べてバックワード波を伝播させる線路が提案されている。これまで、その伝送特性が理論的に取り扱われ、この線路が左手系伝送帯域を持つこと、左手系伝送帯域と右手系伝送帯域との間にバンドギャップが生じること、そのバンドギャップ幅は単位セル中のリアクタンスによりコントロールすることができること等が理論的に明らかになっている。これらに関しては、下記の非特許文献3に記載されている。



また、左手系媒質の特性を有する導波管としては、下記の非特許文献4、非特許文献5に記載されたものが提案されている。非特許文献4には、伝送する電磁波の周波数において伝搬領域となる主導波管と、主導波管中に設けた絞り(誘導性窓)と、主導波管から分岐した先端短絡スタブとを備えた周期構造の左手系導波管が記載されている。また、非特許文献5には、伝送する電磁波の周波数において遮断領域となる主導波管と、主導波管から分岐した先端短絡スタブとを備えた周期構造の左手系導波管が記載されている。この非特許文献5の左手系導波管における先端短絡スタブ中には誘電体が挿入されている。
【非特許文献1】
D.R.Smith,W.J.Padilla,D.C.Vier,S.C.Nemat-Nasser,andS.Schultz,“Composite medium with simultaneously negative permeability andpermittivity”,Phys.Rev.Lett.,vol.84,no.18,p.4184-4187,May 2000
【非特許文献2】
C.Caloz,andT.Itoh,“Application of the transmission line theory of left-handed(LH)materialsto the realization of a microstrip LH line”,IEEE-APS Int'lSymp.Digest,vol.2,p.412-415,June 2002
【非特許文献3】
AtsushiSanada,Chritophe Caloz and Tatsuo Itoh,“Characteristics of the CompositeRight/Left-Handed Transmission Lines”,IEEE Microwave and Wireless ComponentLetters,vol.14,no.2,p.68-70,February 2004
【非特許文献4】
池田宇宙、榊原久二男、菊間信良、平山裕、“左手系導波管漏れ波スロットアレーアンテナのビーム走査特性”、2007年電子情報通信学会総合大会講演論文集(BS-1-6)、2007年3月、p.S21-S22
【非特許文献5】
久保洋、笹井雅彦、真田篤志、“導波管型左手系線路とアンテナへの応用”、2007年電子情報通信学会総合大会講演論文集(BS-1-5)、2007年3月、p.S19-S20

産業上の利用分野


本発明は電磁波を伝播させるための導波管であって右手系伝送路としても左手系伝送路としても動作可能な複合導波管およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、主導波管と先端短絡スタブとからなる単位構造体を周期的に配列した構造を有し、低損失かつ高耐電力であるとともに、低コストで製造可能な右手/左手系複合導波管およびその製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数の単位構造体(3)が電磁波を伝送する方向に配列された構造の右手/左手系複合導波管であって、
前記単位構造体(3)は、主導波管(1)と、前記主導波管(1)から分岐された先端短絡スタブ(2)とからなり、
前記先端短絡スタブ(2)の内部の媒質は、前記主導波管(1)の内部の媒質と同一のものであり、
左手系導波管として動作する場合は、
前記主導波管(1)は、伝送する電磁波の周波数において遮断領域となる寸法であり、
前記先端短絡スタブ(2)は、伝送する電磁波の周波数において伝搬領域となる寸法であるとともに、前記主導波管(1)から見て容量性インピーダンスを示すものであり、
右手系導波管として動作する場合は、
前記主導波管(1)は、伝送する電磁波の周波数において伝搬領域となる寸法であり、
前記先端短絡スタブ(2)は、伝送する電磁波の周波数において伝搬領域となる寸法であるとともに、前記主導波管(1)から見て誘導性インピーダンスを示すものである右手/左手系複合導波管。

【請求項2】
請求項1に記載した右手/左手系複合導波管であって、
前記主導波管(1)および前記先端短絡スタブ(2)は、断面形状が長方形の矩形導波管であり、
前記先端短絡スタブ(2)の断面の横方向の寸法が前記主導波管(1)の断面の横方向の寸法よりも大きいものである右手/左手系複合導波管。

【請求項3】
請求項2に記載した右手/左手系複合導波管であって、
片面に前記主導波管(1)を構成する凹溝(11)を形成した第1の金属基板(10)と、
片面に前記先端短絡スタブ(2)を構成する凹溝(21)を複数形成した第2の金属基板(20)とからなる右手/左手系複合導波管。

【請求項4】
請求項2に記載した右手/左手系複合導波管であって、
前記主導波管(1)は、前記先端短絡スタブ(2)に対向する位置にスロット(13)が形成されたものである右手/左手系複合導波管。

【請求項5】
複数の単位構造体(3)が電磁波を伝送する方向に配列された構造の右手/左手系複合導波管の製造方法であって、
前記単位構造体(3)は、主導波管(1)と、前記主導波管(1)から分岐された先端短絡スタブ(2)とからなり、
前記先端短絡スタブ(2)の内部の媒質は、前記主導波管(1)の内部の媒質と同一のものであり、
左手系導波管として動作する場合は、
前記主導波管(1)は、伝送する電磁波の周波数において遮断領域となる寸法であり、
前記先端短絡スタブ(2)は、伝送する電磁波の周波数において伝搬領域となる寸法であるとともに、前記主導波管(1)から見て容量性インピーダンスを示すものであり、
右手系導波管として動作する場合は、
前記主導波管(1)は、伝送する電磁波の周波数において伝搬領域となる寸法であり、
前記先端短絡スタブ(2)は、伝送する電磁波の周波数において伝搬領域となる寸法であるとともに、前記主導波管(1)から見て誘導性インピーダンスを示すものである右手/左手系複合導波管の製造方法であり、
第1の金属板(10)の片面に主導波管(1)を構成する凹溝(11)を電磁波伝送方向に形成する工程と、
第2の金属板(20)の片面に先端短絡スタブ(2)を構成する複数の凹溝(21)を電磁波伝送方向と直交する方向に形成する工程と、
前記第1の金属板(10)と前記第2の金属板(20)とを互いに接合する工程とを有する右手/左手系複合導波管の製造方法。

【請求項6】
請求項5に記載した右手/左手系複合導波管の製造方法であって、
前記主導波管(1)および前記先端短絡スタブ(2)は、断面形状が長方形の矩形導波管であり、
前記先端短絡スタブ(2)の断面の横方向の寸法が前記主導波管(1)の断面の横方向の寸法よりも大きいものである右手/左手系複合導波管の製造方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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