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高級脂肪酸アルキルエステル製造用原料油脂及び高級脂肪酸アルキルエステルの製造方法 新技術説明会 外国出願あり

国内特許コード P160013288
整理番号 H21-035
掲載日 2016年9月8日
出願番号 特願2011-521981
登録番号 特許第5637484号
出願日 平成22年7月9日(2010.7.9)
登録日 平成26年10月31日(2014.10.31)
国際出願番号 JP2010061723
国際公開番号 WO2011004897
国際出願日 平成22年7月9日(2010.7.9)
国際公開日 平成23年1月13日(2011.1.13)
優先権データ
  • 特願2009-163535 (2009.7.10) JP
発明者
  • 福永 公寿
  • 籔内 友里恵
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 高級脂肪酸アルキルエステル製造用原料油脂及び高級脂肪酸アルキルエステルの製造方法 新技術説明会 外国出願あり
発明の概要 ディーゼルエンジン等の燃料となり得る軽油代替燃料を得るため、油脂のグリセリドを一価の低級脂肪族アルコールでエステル交換し、高級脂肪酸アルキルエステルを得る方法において、特に油脂中に含まれるフリーの脂肪酸を効果的に除去することを目的とする。
原料油脂をエステル交換反応に供するに先立って、まず硫酸水素アルカリ金属を触媒とし、一価の低級脂肪族アルコールで処理し、フリーの脂肪酸をエステル化した後、エステル交換反応に供することを特徴とする。
従来技術、競合技術の概要


石油資源の枯渇が懸念されることや、炭酸ガス排出による環境の悪化から、石油に代わる燃料が種々検討される中で、動植物油脂、特に植物から得られる燃料が着目されている。すなわち、植物は、その生育時に炭酸同化作用により、空気中の炭酸ガスを固定して育つため、これを燃焼させても大気中の炭酸ガスの増加には繋がらない。



このため、すでにバイオマスを原料とする、所謂バイオ燃料に関する研究が多くなされている。



これらの中で、主として、トウモロコシや、大豆を用いて発酵法によりアルコールを生産する方法と油脂(トリグリセリド)自体を用いる方法が提案されている。しかし、前者は、食糧となるトウモロコシや大豆を原料とするため、食糧の高騰を招くなどの問題があり、後者は、例えばディーゼルエンジン等においてフィルターの目詰まりやピストンの固着などの不都合を生じる。



そこで高級脂肪酸のグリセリンエステル(トリグリセリド)である油脂のグリセリンを一価の低級脂肪族アルコールとのエステル交換により、高級脂肪酸の低級アルコールエステルを得る、所謂アルコリシスにより、燃料とする方法が提案されている。



アルコリシスとしては、一般に油脂に10~20%(重量)の一価の低級アルコール、例えばメタノール又はエタノールを加えて、塩基性触媒、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム等の強アルカリ等、を用い30℃乃至使用する一価の低級アルコールの沸点温度で加熱し、エステル交換反応を行い、高級脂肪酸のアルコールエステルを得た後、これを副生するグリセリン、水、未反応アルコール及び触媒残渣から分離回収する方法である。



かかる方法を用いることにより、多少の不純物が含まれている油脂、例えば、廃食油や食用に適さないヤトロファ油等の油脂等も利用することができる。



しかし、油脂のアルコリシスによる燃料製造の一つの問題点は油脂中に多かれ少なかれ遊離の脂肪酸(フリーの脂肪酸ともいう)を含んでいることである。特に廃食油等の劣化が進んだ油脂には比較的多くのフリーの脂肪酸が含まれている。



このような油脂を前記の如く、塩基性触媒を用いるエステル交換反応に供した場合、フリーの脂肪酸のアルカリ金属塩(所謂石けん)を副生するため、触媒のロスとなるばかりでなく、石けんの乳化作用により、得られた高級脂肪酸アルキルエステルと副生するグリセリンや水との分離が困難になる。



このため、原料油脂として、例えば酸価が3KOHmg/gを越えるような高い値を示す油脂は原料として敬遠される傾向がある。



そこで前処理により、油脂中のフリーの脂肪酸や水分を除去することが提案されている。



例えばアルカリ触媒の存在下に油脂とメタノールを反応させたとき副生する廃液(これは、主としてアルカリ触媒を含むグリセリンである。)と原料油脂とを接触させ、該廃液中に存在するアルカリによりフリーの脂肪酸をケン化し、油脂を中和した後、前記油脂とケン化により生成した石けんを、前記廃液から分離して、次の主反応であるアルコリシスに供する方法(特許文献1)、カチオン交換樹脂に、原料油脂とメタノール(又はエタノール)とを共に供給し、フリーの脂肪酸をエステル化した後、主反応として、陰イオン交換樹脂を触媒とするアルコリシスに供する方法(特許文献2)、同様に前処理段階を陽イオン交換体として、スルホン酸基を導入した無定形炭素を用いる方法(特許文献3)、或いは、前処理に硫酸とメタノールによりフリーの脂肪酸をメチルエステル化する方法(非特許文献1)等が提案されている。



これらの方法のうち、副生するグリセリン廃液を用いる前処理では、副生する石けんのために処理後の廃液が分離し難いこと及びフリーの脂肪酸の多くが石けんとして除去されるため原料のロスとなる。またイオン交換樹脂を用いる方法は、分離の問題や石けんの生成の問題はないが、反応率が低く、十分な効果が得難いし、樹脂の再生が容易でない。また硫酸によるフリーの脂肪酸のエステル化は、一定の効果は期待できるものの硫酸は酸化力が強い劇薬であるため、取扱いに危険があるうえ、装置の腐食の問題から、高価な材料の使用を余儀なくされる。



そこで、油脂のアルコリシスによるバイオ燃料の製造において実に有効で、低コストの方法の開発が待たれている。

産業上の利用分野


本発明は、遊離脂肪酸を含む油脂と一価の低級アルコールとから高級脂肪酸の低級アルキルエステルを製造する方法に係る。特に廃食油又は非食用油脂から、ディーゼルエンジン等に利用し得る軽油代替燃料となる高級脂肪酸アルキルエステルを製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
高級脂肪酸アルキルエステルを製造する際に、塩基性触媒の存在下、一価の低級脂肪族アルコールとエステル交換反応される原料油脂であって、
硫酸水素ナトリウム・1水和物を触媒として、一価の脂肪族アルコールによって、遊離脂肪酸を除去する前処理をされていることを特徴とする高級脂肪酸アルキルエステル製造用原料油脂。

【請求項2】
廃食油又は非食用油脂に前記前処理が施されたことを特徴とする請求項1記載の高級脂肪酸アルキルエステル製造用原料油脂。

【請求項3】
前記前処理された高級脂肪酸アルキルエステル製造用原料油脂の酸価が2.5KOHmg/g以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の高級脂肪酸アルキルエステル製造用原料油脂。

【請求項4】
前記塩基性触媒は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は酸化カルシウムであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の高級脂肪酸アルキルエステル製造用原料油脂。

【請求項5】
塩基性触媒の存在下、請求項1乃至4いずれか記載の高級脂肪酸アルキルエステル製造用原料油脂と一価の低級脂肪族アルコールとをエステル交換反応させて高級脂肪酸アルキルエステルを製造することを特徴とする高級脂肪酸アルキルエステルの製造方法。

【請求項6】
原料油脂、一価の脂肪族アルコール、及び触媒として硫酸水素ナトリウム・1水和物を前処理槽に供給し、遊離脂肪酸を除去する前処理を行う前処理工程と、
該前処理槽から排出した被処理液から、前記触媒残渣を分離する工程と、
触媒残渣が分離された被処理液を主反応槽に供給し、前記主反応槽に一価の低級脂肪族アルコールと塩基性触媒とを加えてエステル交換反応を行う工程と、
該主反応槽から排出する反応液から、高級脂肪酸アルキルエステルを分離回収する工程と
を含むことを特徴とする高級脂肪酸アルキルエステルの製造方法。

【請求項7】
硫酸水素ナトリウム・1水和物を触媒として、一価の脂肪族アルコールと遊離脂肪酸とを反応させることを特徴とする高級脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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