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間質性肺炎モデル動物及びその用途

国内特許コード P160013305
整理番号 S2014-1408-N0
掲載日 2016年9月23日
出願番号 特願2015-049568
公開番号 特開2016-067348
出願日 平成27年3月12日(2015.3.12)
公開日 平成28年5月9日(2016.5.9)
優先権データ
  • 特願2014-197447 (2014.9.26) JP
発明者
  • 金澤 智
出願人
  • 公立大学法人名古屋市立大学
発明の名称 間質性肺炎モデル動物及びその用途
発明の概要 【課題】薬剤の評価系への利用に適した、慢性且つ進行性の間質性肺炎の病態を早期に発症するモデル動物及びその用途を提供することを課題とする。
【解決手段】以下のステップ、即ち、(1)MHCクラスII転写活性化遺伝子、MHCクラスII転写活性化遺伝子の活性領域、及びMHCクラスII転写活性化遺伝子の変異体(但し、MHCクラスII遺伝子群の発現を制御するマスタースイッチ機能を有する)からなる群より選択されるDNAがII型コラーゲンプロモーターの制御下に配置された外来性DNAをホモ型で保有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物に対して、関節炎を誘導する処置を施すステップと、(2)ステップ(1)後のトランスジェニック非ヒト哺乳動物の肺腔内に、微小バブルと混合したブレオマイシンを投与した後、外部から超音波を照射して前記微小バブルを破砕するステップを含む、慢性且つ進行性の病態を示す間質性肺炎モデル動物の作製方法が提供される。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


間質性肺炎は、肺の間質組織に炎症をきたす疾患の総称であり、難治疾患の一つである。間質性肺炎の内、特発性間質性肺炎は日本において特定疾患に指定されている。間質性肺炎の原因は、関節リウマチや多発性皮膚筋炎などの膠原病、粉塵やカビ・ペットの毛・羽毛などの慢性的な吸入、特定の薬剤、感染症など、様々である。原因を特定できない間質性肺炎は特発性間質性肺炎と呼ばれる。間質性肺炎の治療は一般に困難であり、殆どの症例においては、ステロイドホルモンや免疫抑制剤による対症療法が行われているのが現状である。



治療薬又は治療法の開発においては一般に、動物モデルが頻用される。これまでに、間質性肺炎モデルとしてブレオマイシンを用いた一過性の間質性肺炎モデル(ブレオマイシン誘導性間質性肺炎)が報告されている。しかしながら、このモデル動物は、ブレオマイシンの投与によって急性且つ一過性の炎症を示した後、急激な緩解過程を示す。そのため、薬剤の評価系には適さない。



本発明者は、上記モデル動物の問題点を克服する間質性肺炎モデルとして、II型コラーゲンプロモーターの制御下にあるCIITA遺伝子をホモ型で保有するように遺伝子改変したマウス(ホモ型D1CCマウス)を開発し、その有用性を報告した(特許文献1)。ホモ型D1CCマウスの発症する間質性肺炎は慢性且つ進行性であり、ヒトの間質性肺炎と類似する。また、ホモ型D1CCマウスでは、ヒトの間質性肺炎の診断マーカーである血清SP-D血清肺サーファクタントプロテインD(SP-D)によって間質性肺炎の進行をモニターできる。



一方、本発明者は、ヒト関節リウマチのモデル動物として、高頻度に関節炎を発症するモデルマウス(B7.1トランスジェニックマウス)の樹立に成功したことも報告した(特許文献3)。

産業上の利用分野


本発明は間質性肺炎の病態を再現するモデル動物(間質性肺炎モデル動物)及びその用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下のステップ(1)及び(2)を含む、慢性且つ進行性の病態を示す間質性肺炎モデル動物の作製方法:
(1)MHCクラスII転写活性化遺伝子、MHCクラスII転写活性化遺伝子の活性領域、及びMHCクラスII転写活性化遺伝子の変異体(但し、MHCクラスII遺伝子群の発現を制御するマスタースイッチ機能を有する)からなる群より選択されるDNAがII型コラーゲンプロモーターの制御下に配置された外来性DNAをホモ型で保有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物に対して、関節炎を誘導する処置を施すステップ、
(2)ステップ(1)後のトランスジェニック非ヒト哺乳動物の肺腔内に、微小バブルと混合したブレオマイシンを投与した後、外部から超音波を照射して前記微小バブルを破砕するステップ。

【請求項2】
関節炎を誘導する前記処置が、1回あたりのII型コラーゲンの投与量を0.01mg~0.05mgとして2回以上II型コラーゲンを投与することである、請求項1に記載の作製方法。

【請求項3】
II型コラーゲンの投与回数が3~5回である、請求項1又は2に記載の作製方法。

【請求項4】
以下のステップ(A)を含む、慢性且つ進行性の病態を示す間質性肺炎モデル動物の作製方法:
(A) MHCクラスII転写活性化遺伝子、MHCクラスII転写活性化遺伝子の活性領域、及びMHCクラスII転写活性化遺伝子の変異体(但し、MHCクラスII遺伝子群の発現を制御するマスタースイッチ機能を有する)からなる群より選択されるDNAがII型コラーゲンプロモーターの制御下に配置された外来性DNAをホモ型で保有し、且つB7.1遺伝子、及びB7.1遺伝子の変異体(但し、T細胞の活性化に関してB7.1遺伝子と同等の機能を有する)からなる群より選択されるDNAがII型コラーゲンプロモーターの制御下に配置されてなる外来性DNAをホモ型で保有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物の肺腔内に、微小バブルと混合したブレオマイシンを投与した後、外部から超音波を照射して前記微小バブルを破砕するステップ。

【請求項5】
前記微小バブルがマイクロバブルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項6】
ブレオマイシンの投与量が0.01mg~0.2mgである、請求項1~5のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項7】
前記微小バブルの量が、投与物の40%(v/v)~90%(v/v)である、請求項1~6のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項8】
前記外来性DNAがII型コラーゲンエンハンサーを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項9】
前記非ヒト哺乳動物の種(属)が、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ブタ、ウシ及びウマからなる群より選択されるいずれかである、請求項1~8のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項10】
前記非ヒト哺乳動物の種(属)がマウスである、請求項1~8のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項11】
前記マウスの遺伝的な背景が99%以上DBAである、請求項10に記載の作製方法。

【請求項12】
以下の(a)及び(b)のステップを含む、間質性肺炎用薬剤のスクリーニング方法:
(a)請求項1~11のいずれか一項に記載の方法で作製した間質性肺炎モデル動物に被験物質を投与するステップ;
(b)被験物質の治療効果又は予防効果を判定するステップ。

【請求項13】
ステップ(a)が、前記ステップ(2)から3週後以降に行われる、請求項12に記載のスクリーニング方法

【請求項14】
ステップ(a)が、前記ステップ(2)から3週後~20週後の間に行われる、請求項12に記載のスクリーニング方法

【請求項15】
間質性肺炎の発症頻度、間質性肺炎の発症時期、間質性肺炎の進行又は重篤化、間質性肺炎の改善、血清肺サーファクタントプロテインD(SP-D)値、及び肺又は血清中のハイドロキシプロリン量からなる群より選択される一以上の指標に基づき、ステップ(b)の判定を行う、請求項11~14のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。

【請求項16】
対照群との比較に基づきステップ(b)の判定を行う、請求項11~15のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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