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トリアゾール連結型オリゴリボヌクレオチドを含むオリゴリボヌクレオチド類縁体を用いるポリペプチドの製造方法

国内特許コード P160013317
整理番号 S2015-0417-N0
掲載日 2016年9月23日
出願番号 特願2015-011356
公開番号 特開2016-135748
出願日 平成27年1月23日(2015.1.23)
公開日 平成28年7月28日(2016.7.28)
発明者
  • 磯部 寛之
  • 藤野 智子
  • 岡田 滉大
  • 鈴木 健
出願人
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 トリアゾール連結型オリゴリボヌクレオチドを含むオリゴリボヌクレオチド類縁体を用いるポリペプチドの製造方法
発明の概要 【課題】人工核酸を翻訳反応の鋳型として用いて、ポリペプチドを高効率で製造する手段を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、ポリペプチドの製造方法であって、以下:
前記ポリペプチドのアミノ酸配列に対応する塩基配列を有する、トリアゾール連結型オリゴリボヌクレオチドを含むオリゴリボヌクレオチド類縁体を準備する、鋳型準備工程;
鋳型準備工程で準備されたオリゴリボヌクレオチド類縁体を鋳型として用いて前記ポリペプチドを合成する、ポリペプチド合成工程;
を含む、前記方法に関する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


核酸は、遺伝情報の蓄積及び伝達を担う重要な生体高分子である。天然に存在する核酸は、リン酸ジエステル結合により連結されたフラノース骨格上に核酸塩基を配し、その配列により遺伝情報が記述される。核酸塩基の配列は、遺伝情報の記述のみならず、リボザイム等にみられるような核酸の機能発現に重要な役割を果たしている。



核酸のうち、デオキシリボ核酸(DNA)は、生体内において、タンパク質のアミノ酸配列をコードし、遺伝情報を蓄積する役割を果たす。リボ核酸(RNA)の一種であるメッセンジャーRNA(mRNA)は、DNAにコードされた遺伝情報を転写してタンパク質へ翻訳するために、遺伝情報を伝達する役割を果たす。



生体内における翻訳反応を利用してタンパク質を合成する場合、タンパク質のアミノ酸配列に対応するmRNAを化学合成して鋳型として用いればよいようにも考えられる。しかしながら、mRNAは、通常の環境でも容易に加水分解を受ける非常に不安定な物質である。このため、遺伝子工学分野では、通常は、タンパク質のアミノ酸配列に対応する塩基配列を有する相補的なDNA(cDNA)を合成しておき、このcDNAから転写反応によってmRNAを合成し、さらにこのmRNAを鋳型として翻訳反応によってタンパク質の前駆体となるポリペプチドを合成する。前記方法の場合、翻訳反応の鋳型であるmRNAだけでなく、転写反応の鋳型であるcDNAをも合成する必要があり、時間的及びコスト的な観点から問題が存在した。また、mRNAを迅速に大量合成することが困難という問題が存在した。



前記問題に鑑み、mRNAの代替物として使用し得る人工核酸の開発が進められた。人工核酸の開発においては、当初、天然型核酸の骨格を有する化合物を利用した試みが行われてきた。しかしながら、1)標的塩基配列に対する結合力の弱さ、2)標的塩基配列に結合した後の複合体の、酵素等の生体物質に対する安定性、並びに3)細胞内に移行してさらに標的塩基配列に到達するための生体膜透過性の観点から、問題が存在した。特に、天然型核酸の骨格を有する化合物においては、細胞内の核酸分解酵素による分解が大きな問題であった。



現在では、非天然型骨格上に核酸塩基を配置した核酸類縁体である人工核酸の使用が検討されている。これまで知られている人工核酸としては、1)リン酸ジエステル結合部分を修飾した人工核酸、2)フラノース部位のグリコシル結合及び/又はヒドロキシル基を修飾した人工核酸、3)核酸塩基部位を修飾した人工核酸、並びに4)糖・リン酸骨格以外の構造を利用した人工核酸等がある。前記人工核酸として、例えば、1)リン酸部位の酸素原子を硫黄原子で置換したホスホロチオエート型、ホスホロジチオエート型、ホスホロジアミデート型、メチルホスホネート型又はメチルホスホノチオエート型の人工核酸、2)フラノース環上の置換基修飾型、糖環骨格が1炭素増炭したピラノース型、又は多環式糖骨格型の人工核酸、3)塩基間スタッキングの強化又は核酸鎖間静電反発の抑制を行う修飾塩基としてピリミジンC-5位修飾塩基型、プリンC-7位修飾塩基型、環拡張修飾塩基型の人工核酸、並びに4)ペプチド鎖を基礎骨格としたペプチド核酸(PNA)等が知られている(例えば、非特許文献1及び2、特許文献1~3)。



前記の人工核酸のうち、PNAは、中性のペプチド鎖を骨格に利用するため、特異的塩基配列に対する結合力が高く、さらに加水分解酵素に対する安定性も高い等、多くの利点を有している。さらに、その合成に既存のオリゴペプチド合成手法が利用できるため、固相上で簡便に製造できる。このため、PNAは、もっとも注目されている人工核酸となっている。しかしながら、PNAは、疎水的な骨格を利用するため、溶解性が低い等の短所も報告されている。また合成的にも、ペプチド鎖の伸長及び核酸塩基をもつペプチド鎖の導入と多工程を要し、またこれらの工程に関わる置換基の保護・脱保護の工程が必要である。このため、PNAは、合成が簡便であるとはいえない。



これに対し、本発明者らは、核酸のリン酸ジエステル結合に代えて、1,2,3-トリアゾール環を介する結合を有する新規非天然ヌクレオシド誘導体を開発した(特許文献4)。当該文献に記載の非天然ヌクレオシド誘導体は、1,2,3-トリアゾール環を介する結合を主骨格とする。このため、この非天然ヌクレオシド誘導体は、生体内で分解され難く、且つ相補鎖に対する結合力が高いという利点を有する。さらに、当該文献に記載の非天然ヌクレオシド誘導体の製造方法は、鎖長伸長段階に、3-位アジドと5-位エチニルとの付加環化反応を採用している。このため、この製造方法は、簡便な反応条件で鎖長伸長が可能であるという利点も有する(非特許文献3~6)。



特許文献5は、前記1,2,3-トリアゾール環を介する結合を有する新規非天然ヌクレオシド誘導体の原料として使用し得る化合物の製造方法を記載する。



特許文献6は、1,2,3-トリアゾール環を介する結合を有する非天然ヌクレオチドを記載する。

産業上の利用分野


本発明は、トリアゾール連結型オリゴリボヌクレオチドを含むオリゴリボヌクレオチド類縁体を用いるポリペプチドの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ポリペプチドの製造方法であって、以下:
前記ポリペプチドのアミノ酸配列に対応する塩基配列を有する、トリアゾール連結型オリゴリボヌクレオチドを含むオリゴリボヌクレオチド類縁体を準備する、鋳型準備工程;
鋳型準備工程で準備されたオリゴリボヌクレオチド類縁体を鋳型として用いて前記ポリペプチドを合成する、ポリペプチド合成工程;
を含む、前記方法。

【請求項2】
前記オリゴリボヌクレオチド類縁体が、式(N)、(Q)及び(R)のいずれか:
【化1】


[式中、
k、n、r及びsは、それぞれ独立して、0以上の整数であり、
但し、k及びnは、同時に0になることはなく、
r及びsは、同時に0になることはなく;
pは、1以上の整数であり;
m及びqは、それぞれ独立して、0以上の整数であり;
但し、m及びqは、同時に0になることはなく;
tは、0以上の整数であり;
X1、Xk、Xm、Xn、Xp、Xq、Xr及びXsは、それぞれ独立して、プリン塩基及びピリミジン塩基から選択され;
R12、Rk2、Rm2、Rn2、Rp2、Rq2、Rr2及びRs2は、それぞれ独立して、ヒドロキシル又はその保護形態であり;
R13は、ヒドロキシル又はその保護形態であり;
Ym及びYqは、1,2,3-トリアゾール環を含む二価の基であり;
Pk、Pn、Pp、Pr及びPsは、リン酸ジエステル結合、又はリン酸ジエステル結合の非架橋酸素原子が1個以上の硫黄原子若しくはボラノ基で置換された結合からなる群より選択される二価の基であり;
R5は、ヒドロキシル又はその保護形態であり、
但し、kが2以上の整数の場合、Xk、Rk2及びPkは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
mが2以上の整数の場合、Xm、Rm2及びYmは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
nが2以上の整数の場合、Xn、Rn2及びPnは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
pが2以上の整数の場合、Xp、Rp2及びPpは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
qが2以上の整数の場合、Xq、Rq2及びYqは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
rが2以上の整数の場合、Xr、Rr2及びPrは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
sが2以上の整数の場合、Xs、Rs2及びPsは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよく;
tが2以上の整数の場合、Xm及びXs、Rm2及びRs2、Ym、並びにPsは、それぞれ互いに同一の基であってもよく、異なる基であってもよい]
で表される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物である、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
Ym及びYqが、それぞれ独立して、以下の式(Y-I)及び(Y-II):
【化2】


[式中、
*aは、Xm又はXqを含むヌクレオシド部分との結合位置を示し、
*bは、X1、Xn、Xp、Xr又はXsを含むヌクレオシド部分との結合位置を示す]
からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。

【請求項4】
ポリペプチドのアミノ酸配列に対応する塩基配列を有する、トリアゾール連結型オリゴリボヌクレオチドを含むオリゴリボヌクレオチド類縁体と、1個以上のさらなる要素とを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリペプチドの製造方法に使用するためのキット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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