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シート型メタマテリアル UPDATE

国内特許コード P160013319
整理番号 S2015-0485-N0
掲載日 2016年9月23日
出願番号 特願2015-016116
公開番号 特開2016-143921
出願日 平成27年1月29日(2015.1.29)
公開日 平成28年8月8日(2016.8.8)
発明者
  • 鈴木 健仁
出願人
  • 国立大学法人茨城大学
発明の名称 シート型メタマテリアル UPDATE
発明の概要 【課題】 誘電体基板の厚さを実用の範囲の厚さとできるようにする。
【解決手段】 誘電体基板10の表面に、所定長lの細長い矩形状の単位ストリップ11aが、間隔gを空けて長軸方向に並べられて配列された表面金属ストリップ11が形成され、誘電体基板10の裏面に、表面金属ストリップ11と同じ構成の裏面金属ストリップ12が、表面金属ストリップ11に重なると共に単位ストリップの約1/2の長さだけずらせて形成されている。誘電体基板10の厚さhが約50μm、単位ストリップの長さlが設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとされている。
【選択図】 図3
従来技術、競合技術の概要


誘電率・透磁率がともに負の媒質に光が入射すると、負の屈折が起こることがベセラゴにより示され、透磁率および誘電率が負になる人工的な構造が提案された。この透磁率および誘電率が負になる人工的な構造は、原子より十分大きく光波長のスケールより小さい構造物の集合体からなり、メタマテリアルといわれている。負屈折媒質であるメタマテリアルを用いると、平面構造とされた完全レンズを作成することができる。完全レンズでは、回折限界を超えた微細なものまで観察することが可能であり、近接場(エバネッセント波)まで忠実に再現することができる。



メタマテリアルは、最近注目されているテラヘルツ電磁波用のレンズに適用することができる。テラヘルツ電磁波は、周波数が0.1~10THz(波長が30μm~3000μm)の電磁波とされており、波長が遠赤外~ミリ波領域とほぼ一致し、「光」と「ミリ波」に挟まれた周波数領域に存在している。このため、テラヘルツ電磁波は、光と同様に高い空間分解能でものを見分ける能力と、ミリ波と同様の物質を透過する能力を併せ持っている。テラヘルツ波帯はこれまで未開拓電磁波であったが、この周波数帯の電磁波の特徴を生かした時間領域分光、イメージング及びトモグラフィーによる材料のキャラクタリゼーションへの応用などが検討されてきている。テラヘルツ電磁波の発生は、物質透過性と直進性を兼ね備えるためX線に替わる安全かつ革新的なイメージングや、数100Gbps級の超高速無線通信を可能とすることができる。



特に、テラヘルツイメージングは、X線に代わる安全、安心かつ高精度な可視化技術の1つとして大きな魅力を有している。回折限界を突破した近接場によるテラヘルツナノイメージングや、1.4THzで分解能400nm(1波長/540)が得られることが報告されている。また、共鳴トンネルダイオードを用いた0.3THzでのイメージングも報告されている。メタマテリアルは負の屈折率n=-1に設計することができ、エバネッセント成分となる近接場光を離れた場所で復元し、回折限界を超えた平板完全レンズを実現できる可能性がある。



従来、図63(a)に示す平板型人工媒質100が提案されている。この平板型人工媒質100は、多数の単位セル101を縦横に周期的に並べて配置することにより、平板型に構成されている。単位セル101は、図63(b)の一部拡大図に示すようにx-y平面に置かれた誘電体基板110の表面に細長い矩形の表面金属ストリップ111がx方向に形成され、裏面に細長い矩形の裏面金属ストリップ112が表面金属ストリップ111に重なるように形成されている。この平板型人工媒質100にx方向に偏波した平面波を入射させたとき誘電体基板110における両面に形成された表面金属ストリップ111と裏面金属ストリップ112との間に磁束が鎖交して周回する電流が流れ、磁性体粒子として働くようになる。特に、表面金属ストリップ111と裏面金属ストリップ112の共振周波数以上では等価透磁率が負を呈するようになる。また、電界Eに対しては分極が起こり誘電体粒子として働くようになる。特に、ある周波数ではx方向に並んだ粒子間で共振が起こり,この周波数以下で大きな正の等価誘電率を呈する。これらの二つの共振周波数の間ではシングルネガティブ領域ができるようになり、入射波は減衰するようになる。表面金属ストリップ111と裏面金属ストリップ112の寸法や位置を選び二つの共振周波数を調整することである範囲の阻止周波数帯域を得ることができる。例えば、単位セル101において、誘電体基板110の比誘電率εrを10.2とした際に、単位セル101の横幅aを15.2mm,高さbを12.7mm,厚さcを1.6mmとし、表面金属ストリップ111と裏面金属ストリップ112との長さhを12.1mm,幅wを0.6mmの寸法とすると、約4.5GHz~約5.5GHzの阻止周波数帯域を得ることができる。



また、図64(a)に示す左手系媒質200が提案されている。この左手系媒質200は、多数の単位セル201を縦横に周期的に並べて配置することにより、平板状に構成されている。単位セル201は、図64(b)の一部拡大図に示すようにx-y平面に置かれた誘電体基板210の表面に細長い矩形の表面金属ストリップ211がx方向に形成され、裏面に細長い矩形の裏面金属ストリップ212が表面金属ストリップ211に重なるように形成されている。なお、裏面金属ストリップ212はx方向に1/2単位セルだけずらして形成されている。この左手系媒質200にx方向に偏波された平面波を入射させると、鎖交する磁界により誘電体基板210の表面金属ストリップ211と裏面金属ストリップ212との間に逆方向に電流が流れ磁性体粒子として働くようになる。特に、表面金属ストリップ211と裏面金属ストリップ212の共振周波数以上では等価透磁率が負を呈する周波数帯域が生じるようになる。また、電界Eにより表面金属ストリップ211と裏面金属ストリップ212上で分極が起こり、誘電体粒子としても働くようになる。特に、表面金属ストリップ211と裏面金属ストリップ212の共振周波数以上では等価誘電率が負を呈する周波数帯域が生じるようになる。図63(a)に示す平板型人工媒質100では、表面金属ストリップ111と裏面金属ストリップ112とが完全に重なった構造とされていることから、磁性を示す共振の周波数よりも誘電性を示す共振の周波数の方が高くなる。これに対して、図64(a)に示す左手系媒質200では、表面金属ストリップ211と裏面金属ストリップ212との重なりが短く、磁性の共振周波数が上がるようになる。また、表面金属ストリップ211と裏面金属ストリップ212では、上下方向に配置された金属ストリップ間の容量だけでなく、誘電体基板210を介して対面する金属ストリップとの間の容量が増えるため、誘電性の共振周波数が下がるようになる。これによって、誘電性の共振周波数よりも磁性の共振周波数が高くなり、誘電率が負となる帯域内で磁性の共振が起こるようになる。このため、誘電率および透磁率が共に負となる所定範囲の周波数領域が得られるようになる。



図64(a)に示す左手系媒質200において、誘電体基板210の比誘電率εrを2.17,誘電損tanδを0.00085とした際に、単位セル201の横幅aを12.8mm,高さbを21.5mm,厚さcを3.175mmとし、表面金属ストリップ211と裏面金属ストリップ212との長さhを21mm,間隔gを0.5mm,幅wを3mmの寸法とすると、約5.1GHz~約5.5GHzの通過周波数帯域を得ることができる。また、高さbを24mm、間隔gを3mmに変更すると約6.0GHz~約6.7GHzの通過周波数帯域を得ることができる。

産業上の利用分野


この発明は、金属ストリップを誘電体基板の両面に装荷したメタマテリアルとして機能するシート型メタマテリアルに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
所定長lの細長い矩形状の単位ストリップが、間隔gを空けて長軸方向に並べられて配列された第1金属ストリップが、誘電体基板の一面に所定間隔で互いにほぼ平行に複数本配設されている第1金属ストリップ群と、
前記第1金属ストリップと同じ構成の第2金属ストリップが、前記誘電体基板の他面に、前記第1金属ストリップに重なると共に前記単位ストリップの約1/2の長さだけずらせて複数本配設されている第2金属ストリップ群とを備え、
前記誘電体基板の厚さhが約50μm、前記単位ストリップの長さlが設計周波数帯域においてほぼ共振する長さ、前記第1金属ストリップ間の間隔pが約210μmとされて、テラヘルツ波帯の周波数において、負の誘電率および負の透磁率を呈することを特徴とするシート型メタマテリアル。

【請求項2】
前記単位ストリップが間隔gが約10μm~約100μm、前記単位ストリップの長さlが約90μm~約360μm、前記単位ストリップの幅wが約32μmとされて、約0.3THz~約0.9THzにおいて、負の誘電率および負の透磁率を呈することを特徴とする請求項1に記載のシート型メタマテリアル。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015016116thum.jpg
出願権利状態 公開
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