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電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断方法及び装置 UPDATE

国内特許コード P160013340
整理番号 S2015-0548-N0
掲載日 2016年10月5日
出願番号 特願2015-030901
公開番号 特開2016-151569
出願日 平成27年2月19日(2015.2.19)
公開日 平成28年8月22日(2016.8.22)
発明者
  • 大村 一郎
  • 附田 正則
  • 田代 勝治
  • 松尾 和顕
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
  • 株式会社豊光社
  • 株式会社 シーディエヌ
  • コペル電子株式会社
発明の名称 電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断方法及び装置 UPDATE
発明の概要 【課題】電力用半導体デバイスの配線材である複数のボンディングワイヤや配線路に流れる電流分布の偏りなどの異常を、電流磁界を検出することにより非接触で検査診断し、配線不良などによるデバイスの長期信頼性を損なう恐れのある隠れた瑕疵等の原因を検査、診断、検出し、不良品を排除する。
【解決手段】複数の電力用半導体デバイスのそれぞれと基板間を、複数のボンディングワイヤで接合した電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断方法において、複数のボンディングワイヤに流れる電流をそれぞれ検出する電流センサを複数設け、電流センサにより予め採取した基準の電流磁界分布パターンと、新たに採取した分布パターンの特徴点比較を行い、予め指定された特徴点の差異を評価し、一定の評価値以上の差異が認められた場合に異常として診断する電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断方法。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


IGBTの市場は、産業機器向け、車載機器向け、民生機器向けの3分野に大きく分けられる。産業機器向けで大きいのは、電車や産業ロボット、工作機械のモータ制御インバータ用途である。車載機器向けでも、ハイブリッド自動車の駆動用モータとカー・エアコン制御用のインバータ用途が多い。民生機器ではカメラのストロボ向けとエアコンのインバータ用途が主流である。特にハイブリッド自動車や電気自動車におけるIGBT需要により、市場は拡大している。



IGBTを用いた電力用半導体モジュールは、複数の電力用半導体デバイスを同一基板上に密接して併設し、各電力用半導体デバイスと端子間を接合するボンディングワイヤも、高密度で配線されている。電力用半導体デバイスと端子間をボンディングワイヤで接合する場合、接合部やボンディングワイヤ表面の酸化膜の状態や作業上のボンディングワイヤ装着圧力の変化などによりボンディングワイヤ接合不良が生じることがある。すなわち、見掛け上は完全接合しているようでも、接合が不完全であると、接合部の抵抗がばらつき、電流が各電力用半導体デバイスに均等に流れず、一部の電力用半導体デバイスに大電流が流れて破壊することにつながる。また、接合強度が低いと、機械的振動やヒートサイクル負荷により、接合部の断線につながるおそれがある。



このようなボンディングワイヤ接合不良を、製造段階のボンディング工程後に検査できると、出荷後の故障やトラブルを防止することができる。ボンディング工程後の検査に際し、複数のボンディングワイヤに流れる電流を同時に測定するために、特許文献1には、ボンディングワイヤに流れる電流により発生する磁束を測定する磁束検出装置をボンディングワイヤの数だけ所定の間隔を開けて積層したセンサが開示されている。



非特許文献1では、スイッチング電流のオンオフを繰り返すことで、ボンディングワイヤ接合不良が発生し、接合部の接触抵抗が大きくなる等の問題点が指摘されている。



特許文献2~4には、ボンディング方法に関する技術が開示されている。これらの技術は、ボンディングワイヤを介してチップ電流を検出しており、チップの全電流しか測定できない。また接触型の測定であり、電流分布も測定できない。



特許文献5には、試験片に荷重(外力)を印加して材料試験を行うよう構成された材料試験機において、材料試験中の試験片の磁気データを検出する検出磁気検出手段を複数具備して、試験片における異なる箇所の磁気データを検出するようにした材料試験機が開示されているが、複数のボンディングワイヤに流れる電流を同時に測定するものではない。



特許文献6には、所定周波数の電流を被測定物の一対の電極間に通電する通電手段と、被測定物の複数の部分に対向して位置し、前記複数の部分に流れる電流によってそれぞれ発生する磁界を検出して、検出磁界を表す信号を出力する磁界検出手段と、前記磁界検出手段から出力される検出磁界を表す信号から、前記所定周波数に等しい周波数の信号成分を取出す周波数成分取出手段と、前記周波数成分取出手段によって取出された信号成分から、被測定物の複数の部分に前記所定周波数と等しい周波数でそれぞれ流れる電流の大きさ及び向きを検出する電流分布検出手段とを備えた電流分布測定装置において、被測定物の一対の電極のうちの一方の電極は、被測定物の複数の異なる位置にそれぞれ接合される複数の電極端子を有し、前記通電手段は、前記複数の電極端子にそれぞれ異なる周波数の電流を通電し、前記周波数成分取出手段は、前記磁界検出手段から出力される検出磁界を表す信号から、前記異なる周波数にそれぞれ等しい周波数の信号成分を取出し、前記電流分布検出手段は、前記異なる周波数ごとに、被測定物の複数の部分に流れる電流の大きさ及び方向を検出する電流分布測定装置が開示されている。



しかし、この電流分布測定装置では、磁界センサを複数配置する検出構造を取るが、一つのセンサを2つの直交する磁界方向を検出できるように構成し、太陽光発電パネルの発電セルの特性不良を電流磁界ベクトルの方向で検出することが目的であり、複数のボンディングワイヤに流れる電流を同時に測定する用途には適用できない。



非特許文献2においては、パワーモジュールの初期不良を防ぐために、IGBTチップのボンディングワイヤ上に、小さなコイルを有する非接触センサを有する電流信号分布測定装置を開示しているが、外部磁界やノイズの影響への対策には触れていない。

産業上の利用分野


本発明は、電力用半導体デバイス、特にIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と呼ばれる、1kW以上の電気機器および電子機器の電源やインバータ等に広く使われているデバイスの後工程、すなわちチップを実装してパッケージングする工程で不良品を検出し、市場での当該デバイスの故障を防止する技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数の電力用半導体デバイスのそれぞれと基板間を、複数のボンディングワイヤで接合した電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断方法において、
前記複数のボンディングワイヤに流れる電流により生じる磁界を検出するとともに、前記磁界に応じた電流を各ボンディングワイヤの電流としてそれぞれ出力する複数の電流センサを設け、
前記電流センサにより予め採取した基準の電流磁界分布パターンと、新たに採取した電流磁界分布パターンの特徴点比較を行い、予め指定された特徴点の差異を評価し、一定の評価値以上の差異が認められた場合に異常として診断する
ことを特徴とする電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断方法。

【請求項2】
予め採取した基準となる電流磁界分布パターンと、新たに採取した電流磁界分布パターンに対して、波形の時間軸を含めた各電流センサの電流磁界信号波形の差分を時間軸に積算したサンプル差分積分信号を、電流センサ配列の空間軸上にプロットし、空間的な偏りの発生を異常特徴として評価検出し、異常判定を行う請求項1記載の電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断方法。

【請求項3】
予め採取した基準となる電流磁界標準信号と、新たに採取した電流磁界検査信号に対して、各電流センサの電流磁界信号の差分をサンプル期間毎に求め、前記差分を時間軸に積算し、得られた電流センサ別差分積算値と予め設定された判定基準とを比較して、異常判定を行う請求項1記載の電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断方法。

【請求項4】
前記複数の電流センサの各出力信号の振幅及び周波数特性に対し、全ての出力特性がほぼ一致するように予め補正を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載の電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断方法。

【請求項5】
前記基準の電流磁界分布パターン及び前記新たに採取した電流磁界分布パターンは、それぞれ、前記電流センサにより検出した電流磁界から本来採取すべき電流磁界信号を著しく妨害する、検査環境に存在する不要な磁界輻射ノイズである環境ノイズ(以下、単に「環境ノイズ」という。)を除去した信号を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれかの項に記載の電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断方法。

【請求項6】
前記基準の電流磁界分布パターン及び前記新たに採取した電流磁界分布パターンは、それぞれ、前記電流センサにより検出した環境ノイズを含む原信号を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれかの項に記載の電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断方法。

【請求項7】
複数の電力用半導体デバイスのそれぞれと基板間を、複数のボンディングワイヤで接合した電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断装置において、
前記複数のボンディングワイヤに流れる電流により生じる磁界を検出するとともに、前記磁界に応じた電流を各ボンディングワイヤの電流としてそれぞれ出力する複数の電流センサと、
前記電流センサにより予め採取した基準の電流磁界分布パターンと、新たに採取した電流磁界分布パターンの特徴点比較を行い、予め指定された特徴点の差異を評価し、一定の評価値以上の差異が認められた場合に異常として診断する異常診断手段と
を設けたことを特徴とする電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断装置。

【請求項8】
前記異常診断手段は、
予め採取した基準となる電流磁界分布パターンと、新たに採取した電流磁界分布パターンに対して、波形の時間軸を含めた各電流センサの電流磁界信号波形の差分を時間軸に積算する差分積算手段と、
前記差分積算手段により積算されたサンプル差分積分信号を、前記電流センサ配列の空間軸上にプロットし、空間的な偏りの発生を異常特徴として評価検出し、異常判定を行う異常判定手段と
を含むことを特徴とする請求項7記載の電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断装置。

【請求項9】
前記異常診断手段は、
予め採取した基準となる電流磁界標準信号と、新たに採取した電流磁界検査信号に対して、各電流センサの電流磁界信号の差分をサンプル期間毎に求め、前記差分を時間軸に積算する電流センサ別差分積算手段と、
得られた電流センサ別差分積算値と予め設定された判定基準とを比較して、異常判定を行う異常判定手段と
を含むことを特徴とする請求項7記載の電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断装置。

【請求項10】
前記複数の電流センサの各出力信号の振幅及び周波数特性に対し、全ての出力特性がほぼ一致するように予め補正を行う電流センサ別出力特性補正手段を有することを特徴とする請求項7から9のいずれかの項に記載の電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断装置。

【請求項11】
前記異常診断手段において、前記基準の電流磁界分布パターン及び前記新たに採取した電流磁界分布パターンは、それぞれ、前記電流センサにより検出した環境ノイズを除去した信号を用いることを特徴とする請求項7から10のいずれかの項に記載の電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断装置。

【請求項12】
前記異常診断手段において、前記基準の電流磁界分布パターン及び前記新たに採取した電流磁界分布パターンは、それぞれ、前記電流センサにより検出した環境ノイズを含む原信号を用いることを特徴とする請求項7から10のいずれかの項に記載の電力用半導体デバイスのボンディングワイヤ電流磁界分布検査診断装置。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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