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偏波変換器

国内特許コード P160013351
整理番号 S2015-0702-N0
掲載日 2016年10月5日
出願番号 特願2015-035651
公開番号 特開2016-158168
出願日 平成27年2月25日(2015.2.25)
公開日 平成28年9月1日(2016.9.1)
発明者
  • 鈴木 健仁
出願人
  • 国立大学法人茨城大学
発明の名称 偏波変換器
発明の概要 【課題】 各部の寸法を実用の範囲の寸法とした、従来は実現されていなかったテラヘルツ波帯で動作する偏波変換器を提供すること。
【解決手段】 偏波変換器1は、厚さdの誘電体基板12の一面に長さがlの第1ワイヤー10aが、x方向に間隔sで、y方向に間隔gで配列されて形成され、誘電体基板12の他面に長さがlの第2ワイヤー11aが、x方向に間隔sで、y方向に間隔gで配列されて形成されている。誘電体基板の厚さdが約50μm、第1ワイヤーおよび第2ワイヤーの長さlが設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとされ、間隔sが約45μm~約120μm、間隔gが約95μm~約120μmとされている。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要


偏波を変換する偏波変換器を用いるとアンテナ設計の自由度を向上することができ、偏波変換器で円偏波を直線偏波に変換することが多く行われている。例えば、ラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)は、BS受信等に用いられる高効率な円偏波平面アンテナである。このRLSAを直線偏波が用いられている放送や移動通信のアンテナとして用いるためには、放射素子の設計を見直して直線偏波を送受信できるアンテナとする必要がある。逆に、パッチアンテナやワイヤアンテナにおいては、直線線偏波は容易に得られるが、円偏波を生成するには、90°の位相差を持つ直交する2つの直線偏波を発生させる構成を追加する必要がある。
そこで、偏波変換器を使用することにより、円偏波アンテナを直線偏波のアンテナとしたり、直線偏波のアンテナを円偏波のアンテナとして用いることができるようになる。例えば、既存の円偏波RLSAに偏波変換器を装着すると、RLSAから放射された円偏波が偏波変換器で直線偏波に変換されて、直線偏波が放射されるようになる。また、パッチアンテナやワイヤアンテナに偏波変換器を装着すると、パッチアンテナやワイヤアンテナにから放射された直線偏波が偏波変換器で円偏波に変換されて、円偏波が放射されるようになる。



従来の偏波変換板100の構成を示す斜視図を図50(a)に、偏波変換板100を構成する単位セル101の構成を示す斜視図を図50(b)に示す。
この図50(a)に示す偏波変換板100は、一面にダイポール列111が形成された誘電体フィルム110aと、一面にダイポール列112が形成された誘電体フィルム110bとを所定間隔を置いて対面するよう配置し、誘電体フィルム110a,110bの間に誘電体を挿入する。ダイポール列111は、図50(b)に示す細長い矩形の金属ストリップからなるダイポール111aが、一定周期で誘電体フィルム110a上に縦横に並べられて形成されることにより構成され、ダイポール列112も同様に、細長い矩形の金属ストリップからなるダイポール112aが、一定周期で誘電体フィルム110b上に縦横に並べられて形成されることにより構成されている。図50(b)に示す単位セル101は、偏波変換板100の構成単位であり、一面に1つのダイポール111aが形成された小さな面積の誘電体フィルム110aと、一面に1つのダイポール112aが形成された小さな面積の誘電体フィルム110bとを対面して配置し、その間に誘電体を挿入して構成されている。この単位セル101を縦横に並べることで、図50(a)に示す偏波変換板100が構成される。すなわち、長さl,幅wのダイポール111a(112a)がx,y方向に周期dx,dyでxy平面上に無限アレー配置されて構成されたダイポール列111(112)を備える偏波変換板100が構成される。



偏波変換板100における円偏波を直線偏波へ変換する原理を説明すると、偏波変換板100に対してほぼ垂直方向(z方向)から円偏波が入射したとすると、円偏波は、ダイポール列111,112に平行な成分と、ダイポール列111,112に垂直な成分との直交する2つの直線偏波成分に分けることができる。偏波変換板100における1層目の誘電体フィルム110aに形成されているダイポール列111の各ダイポール111aに誘起される誘起電流は、ダイポール111aに平行な偏波を誘電体フィルム110aの下面と上面の両側に対称に放射する。また、2層目の誘電体フィルム110bに形成されているダイポール列112の各ダイポール112aに誘起される誘起電流も、ダイポール112aに平行な偏波を誘電体フィルム110bの下面と上面の両側に対称に放射する。そして、ダイポール列111から上方への放射の位相に対して、ダイポール列112から上方への放射の位相を180°異なるように、誘電体フィルム110aと誘電体フィルム110bとの間隔を設定する。これにより、上方への放射波は相殺されて無反射となる。そして、下方への放射波は入射波の同じ成分に重畳され、その位相に変化を与える。一方、ダイポール111a,112aに垂直な偏波成分は90°の位相差を有して入射するが、ダイポール列111,112にほとんど電流を誘起しないため、反射や散乱をされることなく通過する。ダイポール111a,112aに平行な偏波の透過位相と、垂直な偏波の透過位相とが90°ずれるよう設計することにより、入射された直交する2つの直線偏波成分の位相差が相殺され、両成分は同相となる。従って、透過波はダイポール111a,112aに約45°傾いた直線偏波に変換されることになる。



図50(b)に示す単位セル101において、誘電体フィルム110a,110bの厚さを50μm、比誘電率εrを3.0とし、誘電体フィルム110aと誘電体フィルム110bとの間に挿入した誘電体の厚さdを2.0mm、比誘電率εrを1.2とした際に、単位セル101のx方向周期dxを2.8mm、y方向周期dyを10.2mmとし、ダイポール111a(112a)の長さlを8.1mm、幅wを1.0mmの寸法とすると、図50(a)に示す偏波変換板100では、11.7GHz~12.0GHzにおいて透過損失0.2dB以下、交差偏波識別度28dB以上の偏波変換特性が得られることが予測できる。

産業上の利用分野


この発明は、テラヘルツ波帯において直線偏波と円偏波との間で偏波変換することができる偏波変換器に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
x-y平面に置かれた厚さdの誘電体基板と、
長さがlの細長い矩形状の第1ワイヤーが、前記誘電体基板の一面に配列された第1ワイヤーアレーと、
長さがlの細長い矩形状の第2ワイヤーが、前記誘電体基板の前記一面と対面する他面に配列された第2ワイヤーアレーとを備え、
前記誘電体基板の厚さdが約50μm、前記第1ワイヤーおよび前記第2ワイヤーの長さlが設計周波数帯域においてほぼ共振する長さとされ、前記第1ワイヤーアレーおよび前記第2ワイヤーアレーにおいて、前記第1ワイヤーおよび前記第2ワイヤーが約45μm~約120μmの間隔でx方向に配列され、約95μm~約120μmの間隔でy方向に配列されて、テラヘルツ波帯において直線偏波と円偏波との間で偏波変換を行えることを特徴とする偏波変換器。

【請求項2】
前記第1ワイヤーおよび前記第2ワイヤーの長さlが約80μm~約310μm、その幅wが約50μm~約70μmとされて、約0.3THz~約1.0THzにおいて、直線偏波と円偏波との間で偏波変換を行えることを特徴とする請求項1に記載の偏波変換器。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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