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面発光レーザ装置 UPDATE

国内特許コード P160013385
整理番号 (S2012-0548-N0)
掲載日 2016年10月25日
出願番号 特願2014-531512
登録番号 特許第6019522号
出願日 平成25年1月24日(2013.1.24)
登録日 平成28年10月14日(2016.10.14)
国際出願番号 JP2013051498
国際公開番号 WO2014030361
国際出願日 平成25年1月24日(2013.1.24)
国際公開日 平成26年2月27日(2014.2.27)
優先権データ
  • 特願2012-183539 (2012.8.22) JP
発明者
  • 河口 仁司
  • 片山 健夫
  • 池田 和浩
出願人
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
発明の名称 面発光レーザ装置 UPDATE
発明の概要 偏光双安定面発光レーザ(30)において、活性領域の下側の反射鏡としてSOI基板の表面SiO2層に形成した2次元格子構造体(37)を含む偏光無依存HCGを用い、上側の反射鏡としてエアブリッジ構造の2次元格子構造体38を含む偏光無依存HCGを用いる。このHCGは従来のDBRに比べて格段に薄いので、面発光レーザの薄形化が可能である。また、表面SiO2層には光導波路(24x、24y)を形成し、面発光レーザ30の共振器と光結合することで、共振器に閉じ込めた光をその偏光状態に応じて光導波路(24x、24y)の一方に選択的に出力することができる。それによって、隣接する面発光レーザ(30)への情報の転送も容易になり、面発光レーザ(30)の上方空間に配置する光学素子を減らしてデバイスとしての薄形化・小形化も図ることができる。
産業上の利用分野


本発明は、光の共振方向が基板面に対して垂直である垂直共振器面発光レーザ(VCSEL=Vertical Cavity Surface Emitting LASER)と、該レーザに用いられる反射鏡とに関する。本明細書では、慣用に従って垂直共振器面発光レーザを単に面発光レーザ又はVCSELと呼ぶこととする。



近年、インターネット等のネットワークを通して伝送されるデータ量の増加は著しく、現在使用されているシステムよりも大幅に高速である光ファイバ通信システムの開発が急務となっている。こうした次世代の光ファイバ通信システムにおいては、現在、電気的に行われているIP(Internet Protocol)パケットのルーティング等の処理や制御を、光信号のままで行うことが想定されている。こうした電気信号を介さないフォトニックパケットネットワークが実現されれば、単に通信や伝送の高速化・大容量化が図れるのみならず、大幅な低消費電力化や装置の小型化が可能となると見込まれる。



フォトニックパケットネットワークを実現する上で、不可欠で且つ基本的なデバイスが、全光型の光スイッチ、光バッファメモリ、光フリップフロップなどである。光バッファメモリとしては様々な構成のものが提案されているが、その一つとして、特許文献1、非特許文献1、2などに記載された、偏光状態を切替え可能である偏光双安定面発光レーザを用いた光バッファメモリがある。また、それら文献には、個別の偏光双安定面発光レーザ、光アイソレータ、光ゲート、及び偏光子などにより構成された全光型シフトレジスタや、多数の偏光双安定面発光レーザを2次元アレイ状に集積化し、空間的に並列に光を入出力するようにした全光型シフトレジスタなども開示されている。さらにまた、特許文献2には、2次元アレイ状に配置された偏光双安定面発光レーザの出力光が隣接する別の偏光双安定面発光レーザに垂直に入力されるように光路を形成するべく光学素子の空間的配置等が工夫された、全光型シフトレジスタが開示されている。



いずれにしても、光バッファメモリや全光型シフトレジスタなどのデバイスにおける基本的な構成要素は、偏光双安定面発光レーザである。一般に、面発光レーザは、半導体基板上に形成された活性層と、該活性層を挟み込むようにその下部及び上部にそれぞれ設けられた反射鏡とから構成される、基板に垂直な方向の共振器、を備える。面発光レーザにおいて、或る方向に振動している偏光を発している共振器に対して該偏光と振動方向が直交する偏光を入力すると、発振している偏光の振動方向が入力光と同じ方向に切り替わり、入力光がなくなっても発振している偏光状態は維持される、という偏光双安定性を示す場合がある。偏光双安定面発光レーザは、この偏光双安定性を有した面発光レーザである。



面発光レーザにおいて高効率のレーザ発振を生じさせるためには、反射鏡が目的とする波長帯域に対し高い反射率を有している必要がある。そこで、従来の面発光レーザでは一般に、反射鏡として半導体多層膜による分布ブラッグ反射鏡(DBR=Distributed Bragg Reflector)が利用されている。例えば、非特許文献1のFig.8に開示されている偏光双安定面発光レーザにおいても、反射鏡として、InAlAs/InAlGaAsによるDBRが使用されている。



しかしながら、DBRは半導体薄膜を多数積層させて形成したものであるため、充分に高い反射率を達成しようとすると或る程度厚くなることが避けられない。一般に面発光レーザでは活性層はかなり薄いため、DBRの厚さが面発光レーザの薄形化の制約要因となることが多い。即ち、従来のDBRを反射鏡として使用すると、偏光双安定面発光レーザを薄形化することは難しく、該レーザを利用した光バッファメモリ等のデバイスの小形化も難しいという問題がある。



また、従来の偏光双安定面発光レーザでは、双方向に偏光を切り替えるための光制御信号を共振器からの光の出力方向と同軸で入射する必要があり、全光型シフトレジスタなどのデバイスにおいては、偏光双安定面発光レーザが形成された半導体基板の上方空間に多数の光学素子を精度良く配置する必要があった。そのため、偏光双安定面発光レーザ自体を薄形化・小形化することができたとしても、全光型シフトレジスタ等のデバイスが大形化することは避けられない。さらにまた、このように多数の光学素子を空間的に配置した構成は、機械的振動に対する信頼性の点でも問題がある。



ところで、近年、面発光レーザ用の反射鏡として、サブ波長オーダの厚さでありながら広い波長帯域に亘って高い反射率を実現できる高屈折率差サブ波長グレーティング(HCG=High-index Contrast subwavelength Grating)が注目され、盛んに研究されている。例えば非特許文献3には、半導体基板上に形成された低屈折率層の上に高屈折率物質によるストライプ状構造体が形成されてなるHCGが開示されている。非特許文献3には、こうした構造のHCGによれば、ストライプ状構造体の延伸方向に直交する方向(つまり幅方向)に振動する偏光に対して高い反射率を実現できることが記載されている。また、非特許文献4には、上述したようなストライプ状構造を有するHCGを活性層の下側の下部反射鏡として用いた面発光レーザが開示されている。



しかしながら、非特許文献3に記載されたHCGは一つの直線偏光に対してのみ高い反射率が達成されるものであり、異なる方向の複数の直線偏光を扱う必要がある偏光双安定面発光レーザには適用することができない。また同様に、非特許文献4に記載の面発光レーザは、単に一つの直線偏光を有するレーザ光を出射するものであり、異なる方向の複数の直線偏光に対応したものではない。

特許請求の範囲 【請求項1】
半導体基板と、該半導体基板上に形成された下部反射鏡、該下部反射鏡の上に配置された光を発生する活性層、及び該活性層の上に形成された上部反射鏡、からなる共振器と、を具備する面発光レーザ装置であって、
少なくとも前記下部反射鏡として、第1屈折率を有し平面状に広がる領域を占める低屈折率層と、前記半導体基板上に形成されている一つの半導体層に形成されるとともに、前記低屈折率層の一方の面に接するように配置され、前記第1屈折率よりも大きい第2屈折率を有する材料からなり、該低屈折率層に直交する軸に対して90°の回転対称性を有する井桁状の2次元格子構造体と、を有し、前記軸の方向に沿って入射される任意の偏光を有する光に対し、目的とする波長帯域に亘り反射率が所定以上であるように、前記第1屈折率、前記第2屈折率、前記低屈折率層の厚さ、前記2次元格子構造体の厚さ、該2次元格子構造体の格子のピッチ、及び格子幅を含むパラメータが調整されてなる高屈折率差グレーティング構造による反射鏡が用いられ、
前記2次元格子構造体が形成されている前記半導体層に光を導くための光導波路が、該2次元格子構造体が交点に位置するように井桁状に配設され、
該2次元格子構造体を含む共振器から、互いに異なる振動方向の偏光をそれぞれ異なる方向へと延伸する前記光導波路へと送出可能としたことを特徴とする光導波路結合型の面発光レーザ装置

【請求項2】
請求項に記載の面発光レーザ装置であって、
前記上部反射鏡としても前記高屈折率差グレーティング構造による反射鏡が用いられ、該反射鏡に含まれる2次元格子構造体と活性層との間に位置する低屈折率層が空気層であるエアブリッジ構造を有してなることを特徴とする面発光レーザ装置。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の面発光レーザ装置であって、
前記共振器に閉じ込められた光の偏光を切り替えるための光制御信号を、前記上部反射鏡の外側から前記軸の方向に沿って入射するようにしたことを特徴とする面発光レーザ装置。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の面発光レーザ装置が2次元アレイ状に配置され、各面発光レーザ装置に含まれる2次元格子構造体が交点に位置するように光導波路が井桁状に配設されてなる面発光レーザユニットであって、
前記光導波路にあって直線状に延伸する光導波路上に配置された複数の面発光レーザ装置を光結合し注入同期させることで、その複数の面発光レーザ装置で発振する特定偏光の波長を揃えて高出力レーザを取り出すようにしたことを特徴とする面発光レーザユニット。

【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の面発光レーザ装置が2次元アレイ状に配置され、各面発光レーザ装置に含まれる2次元格子構造体が交点に位置するように光導波路が井桁状に配設されてなる面発光レーザユニットであって、
共振器に閉じ込められた光の偏光を切り替えるために各面発光レーザ装置に入射される光制御信号により、前記光導波路にあって直線状に延伸する光導波路上に配置された複数の面発光レーザ装置のうちの一部の面発光レーザ装置で発振している偏光を切り替えることで、該光導波路上で強く結合する面発光レーザ装置の数を変化させて、取り出される光の出力を変化させるようにしたことを特徴とする面発光レーザユニット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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