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長期記憶誘導剤

国内特許コード P160013401
整理番号 (S2015-0761-N0)
掲載日 2016年10月25日
出願番号 特願2016-042875
公開番号 特開2016-166197
出願日 平成28年3月4日(2016.3.4)
公開日 平成28年9月15日(2016.9.15)
優先権データ
  • 特願2015-043360 (2015.3.5) JP
発明者
  • 服部 淳彦
  • 松本 幸久
  • 影近 弘之
  • 増野 弘幸
  • 千葉 篤彦
  • 岩下 洸
出願人
  • 国立大学法人 東京医科歯科大学
  • 学校法人上智学院
発明の名称 長期記憶誘導剤
発明の概要 【課題】長期記憶誘導剤の提供。
【解決手段】式Iで示される化合物、その薬学的に許容される塩、又はこれらの溶媒和物を含む、長期記憶誘導剤。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


学習や記憶は、動物が環境に適応するために必要な脳の基本機能である。学習・記憶の神経機構の解明は神経行動学・神経生理学分野における重要課題の一つであり、これまでに様々な動物種を用いた研究が進められている。中でも昆虫は、神経細胞の数が比較的少なく神経系の構造も単純である割に高度な学習能力を有するため、学習・記憶の研究には非常に有用な材料である。



本発明者はフタホシコオロギ(Gryllus bimaculatus)(以下、「コオロギ」と呼ぶ)を材料とし、水を報酬刺激とした嗅覚連合学習の系を用いて、学習・記憶の分子メカニズムの研究を行っている。渇水状態のコオロギの成虫に、ある匂い(例えばペパーミント)を嗅がせながら水を与える嗅覚報酬連合条件付けを1回だけ行ったところ、匂いと報酬の連合学習が成立してその匂いをより好むようになる。ただしこの記憶は数時間で消失する短期記憶である。しかし、間隔をあけた3回以上の連合条件付けを行うと、一生忘れない長期記憶が形成される。コオロギの長期記憶は、他の動物種の長期記憶と同様にタンパク質合成に依存する記憶である。またコオロギの長期記憶の形成に重要な役割を示す生体分子は、一酸化窒素(NO)、cGMP, cAMP, PKAなど、多数同定されており、それらの多くはマウスやラットの長期記憶形成過程でも同様に重要であることが示されている。ただしこれらの物質は訓練後の投与では記憶の促進効果が認められていない。訓練前だけでなく訓練後の投与でも記憶の増強作用がある物質の探索は学習障害等の治療に有用であると思われる。



近年本発明者は、平均寿命を超えた加齢コオロギでは、短期記憶は正常に形成されるが、長期記憶の形成が著しく低下していることを発見した(加齢性記憶障害)。加齢性記憶障害はラットやマウスなどのげっ歯類だけでなく、ショウジョウバエや線虫などの無脊椎動物でも知られている。加齢性記憶障害の原因には諸説あるが、加齢とともに増える活性酸素が細胞を構成するタンパク質やDNAなどにダメージを与えるという「活性酸素説」が幅広く支持されている。抗酸化物質として知られているメラトニンは、加齢性記憶障害に効果があるとされている。例えばマウス、ショウジョウバエ、コオロギを実験動物に用いた本発明者の先行研究で、メラトニンをエサや水に混ぜて長期間与えてやると加齢性記憶障害が予防できた(文献名:特許第4993900号)。しかしながら、その加齢性記憶障害のメカニズムはまだわかっていない。

産業上の利用分野


本発明は、長期記憶誘導剤、特にメラトニンの代謝産物およびその誘導体を含む長期記憶誘導剤等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
次式I:
【化1】


(式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1-6アルキル基、置換若しくは非置換のC2-6アルケニル基、置換若しくは非置換のC2-6アルキニル基、置換若しくは非置換のC1-6アルコキシ基、置換若しくは非置換のC3-8シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6-10アリール基、置換若しくは非置換のC2-21アシル基、置換若しくは非置換のヘテロアリールカルボニル基、置換若しくは非置換のC2-7アルコキシカルボニル基、ホルミル基、カルボキシル基又は水酸基を表す。)
で示される化合物、その薬学的に許容される塩、又はこれらの溶媒和物を含む、長期記憶誘導剤。

【請求項2】
が水素原子、置換若しくは非置換のC1-6アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選択される請求項1に記載の長期記憶誘導剤。

【請求項3】
及びRの少なくとも一方が置換若しくは非置換のC2-21アシル基又は置換若しくは非置換のヘテロアリールカルボニル基である請求項1又は2に記載の長期記憶誘導剤。

【請求項4】
及びRは、ともに水素原子であるか、あるいは少なくとも一方がホルミル基である、請求項1~3のいずれか一項に記載の長期記憶誘導剤。

【請求項5】
式Iで示される化合物が、下記化合物1~16:
【化2】


のいずれかである請求項1に記載の長期記憶誘導剤。

【請求項6】
次式I:
【化3】


(式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1-6アルキル基、置換若しくは非置換のC2-6アルケニル基、置換若しくは非置換のC2-6アルキニル基、置換若しくは非置換のC1-6アルコキシ基、置換若しくは非置換のC3-8シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6-10アリール基、置換若しくは非置換のC2-21アシル基、置換若しくは非置換のヘテロアリールカルボニル基、置換若しくは非置換のC2-7アルコキシカルボニル基、ホルミル基、カルボキシル基又は水酸基を表す。)
で示される化合物、その薬学的に許容される塩、又はこれらの溶媒和物を含む、記憶障害治療用医薬組成物。

【請求項7】
が水素原子、置換又は非置換のC1-6アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選択される請求項6に記載の医薬組成物。

【請求項8】
及びRの少なくとも一方が置換若しくは非置換のC2-21アシル基又は置換若しくは非置換のヘテロアリールカルボニル基である請求項6又は7に記載の医薬
組成物。

【請求項9】
及びRは、ともに水素原子であるか、あるいは少なくとも一方がホルミル基である、請求項6~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。

【請求項10】
式Iで示される化合物が、下記化合物1~16:
【化4】


のいずれかである請求項6に記載の医薬組成物。

【請求項11】
次式I:
【化5】


(式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1-6アルキル基、置換若しくは非置換のC2-6アルケニル基、置換若しくは非置換のC2-6アルキニル基、置換若しくは非置換のC1-6アルコキシ基、置換若しくは非置換のC3-8シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6-10アリール基、置換若しくは非置換のC2-21アシル基、置換若しくは非置換のヘテロアリールカルボニル基、置換若しくは非置換のC2-7アルコキシカルボニル基、ホルミル基、カルボキシル基又は水酸基を表す。)
で示される化合物、その薬学的に許容される塩、又はこれらの溶媒和物を含む、機能性食品。

【請求項12】
が水素原子、置換若しくは非置換のC1-6アルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選択される請求項11に記載の機能性食品。

【請求項13】
及びRの少なくとも一方が置換若しくは非置換のC2-21アシル基又は置換若しくは非置換のヘテロアリールカルボニル基である請求項11又は12に記載の機能性食品。

【請求項14】
及びRは、ともに水素原子であるか、あるいは少なくとも一方がホルミル基である、請求項11~14のいずれか一項に記載の機能性食品。

【請求項15】
式Iで示される化合物が、下記化合物1~16:
【化6】


のいずれかである請求項11に記載の機能性食品。

【請求項16】
次式I:
【化7】


(式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のC1-6アルキル基、置換若しくは非置換のC2-6アルケニル基、置換若しくは非置換のC2-6アルキニル基、置換若しくは非置換のC1-6アルコキシ基、置換若しくは非置換のC3-8シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC6-10アリール基、置換若しくは非置換のC2-21アシル基、置換若しくは非置換のヘテロアリールカルボニル基、置換若しくは非置換のC2-7アルコキシカルボニル基、ホルミル基、カルボキシル基又は水酸基を表す。)
で示される化合物、その薬学的に許容される塩、又はこれらの溶媒和物;
ただし、以下の化合物を除く:
N-[3-(2-アミノ-5-メトキシフェニル)-3-オキソプロピル]-アセトアミド;
N-[3-(2-ホルミルアミノ-5-メトキシフェニル)-3-オキソプロピル]アセトアミド;
3-[(2-アミノフェニル)カルボニル]-2-アミノプロピオン酸;
3-アミノ-1-(2-アミノフェニル)-1-プロパノン。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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