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浮遊帯域溶融法およびこれを用いた装置 UPDATE

国内特許コード P160013409
整理番号 (S2015-0484-N0)
掲載日 2016年10月25日
出願番号 特願2016-013330
公開番号 特開2016-147800
出願日 平成28年1月27日(2016.1.27)
公開日 平成28年8月18日(2016.8.18)
優先権データ
  • 特願2015-014941 (2015.1.29) JP
発明者
  • 綿打 敏司
  • エムディー ムクタール ホサイン
  • 長尾 雅則
  • 田中 功
出願人
  • 国立大学法人山梨大学
発明の名称 浮遊帯域溶融法およびこれを用いた装置 UPDATE
発明の概要 【課題】赤外線集中加熱浮遊帯域溶融(IR-FZ)法で単結晶を製造するときに溶融帯を安定化させるための原料棒の適切な配置方法の提供。
【解決手段】単結晶を育成する浮遊帯域溶融(FZ)法において、間隙をもって複数の原料棒を配置し、間隙を維持したまま溶融帯を生成するFZ融法であり、間隙を変えることにより、溶融帯を安定化することができる。このため、上下に移動可能なサスペンション機能を付したシャフトに複数の原料棒を固定し、原料棒間に間隙をもって配置可能な保持機構を有する原料棒設置装置を備えるFZ法装置。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


シリコン、サファイア、ガリウム砒素(砒化ガリウム)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、四ホウ酸リチウムなどの市場規模の大きな単結晶材料の多くは、原料のすべてを一旦溶融し、その一部から結晶化させるチョクラルスキー(Cz)法やブリッジマン法といった手法で生産されている。これらの手法の特長は、高品質で大口径の結晶を量産できることにある。その一方、欠点としては、結晶育成に坩堝が必須であることや偏析制御が困難であることなどがある。



坩堝における問題としては、シリコンの結晶育成に用いる石英坩堝では、使い捨てである点、サファイアやニオブ酸リチウムの結晶育成に用いられることのあるイリジウムや白金といった貴金属坩堝は非常に高額である点がある。貴金属坩堝の場合、使用に伴って形状変形が進行したりするため、定期的な改鋳が必要となる。これらの要因が一層の低コスト化を阻害する大きな要因である。



偏析に関する問題としては、偏析制御が困難であるために量産は偏析制御が不要な結晶材料が中心となっている点である。シリコンの場合、p型シリコンでは偏析係数が0.8と1に近いホウ素をドーパントして利用できるため、Cz法で育成してもドーパントの偏析は問題となりにくいのに対し、n型シリコンでは偏析係数がせいぜい0.35と1に比べて小さなリンなどしかドーパントとして利用できないため、ドーパントの偏析が問題となる。そのため、結晶育成過程での固化率を制限せざるを得ず、n型シリコンは、長尺化が難しく、p型シリコンに比べて低コストの量産が困難である。近年注目を集める単結晶シリコン太陽電池では、基板にn型シリコンを用いるタイプの変換効率がp型シリコンを用いるものに比べて高いことから、n型シリコンの低コスト化が効果的な状況にある。一方、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムといった単結晶では、リチウムとニオブあるいはリチウムとタンタルの組成比が1:1の定比組成に近い結晶ほど表面弾性波素子としての性能が高いことが知られているが、実際に量産されているのは、Cz法で育成可能なニオブやタンタルが過剰の一致溶融組成の結晶である。



こうした点を踏まえると現在工業化されている結晶材料は、適切な坩堝が利用可能な一致溶融組成に近い物質の結晶に限られているといえる。融液の反応性が高いために適切な坩堝のない物質や極端な偏析を生じる物質の結晶はたとえ優れた特性を有していたとしても工業的に利用することは現状では困難である。



赤外線集中加熱浮遊帯域溶融(IR-FZ)法は、坩堝材の消耗やドーパントの偏析といったCz法やブリッジマン法の欠点を補いうる手法の一つとして開発されたもので、高周波加熱浮遊帯域溶融(rf-FZ)法と同様に坩堝不要の帯域溶融法である(例えば特許文献1)。坩堝不要であることから融液の反応性が高くても結晶育成が可能である。さらに、帯域溶融法であることから、ドーパントの偏析係数が1に比べて極端に大きくても小さくても適切な組成の溶融帯を用いることで均一組成の長尺結晶を原理的に育成可能という特長を有している。しかし、大口径の単結晶育成が困難であったために工業的に用いられることは皆無に近く、研究用に多様な化合物単結晶の少量育成に用いられるにすぎなかった。



このIR-FZ法でも育成結晶径を改善する試みが行われている。例えば、特許文献2では回転楕円鏡をその長径方向に移動できる装置を用いてシリコンの育成で原料径に合わせて適切な位置に回転楕円鏡を移動させることでシリコン結晶を大型化できた。

産業上の利用分野


この発明は、たとえば赤外線集中加熱浮遊帯域溶融法で単結晶を製造するときの、原料棒の配置方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
単結晶を育成する浮遊帯域溶融法において
鉛直方向に吊り下げられた複数の原料棒を、該原料棒間に間隙をもって配置し、
間隙を維持したまま溶融帯を生成する浮遊帯域溶融法

【請求項2】
単結晶を育成する浮遊帯域溶融装置において
鉛直方向に吊り下げられた複数の原料棒を、該原料棒間に間隙をもって配置可能な保持機構を備え、
間隙を維持したまま溶融帯を生成する浮遊帯域溶融装置

【請求項3】
上下に移動可能なサスペンション機能を付したシャフトに複数の原料棒を固定し、前記原料棒間に前記間隙をもって配置可能な保持機構を有する原料棒設置装置を備える請求項2に記載の浮遊帯域溶融装置

【請求項4】
上下に移動可能なサスペンション機能を付したシャフトを複数備え、
前記シャフト各々に原料棒が設置され、
前記原料棒の各々が前記間隙をもつように前記シャフトを保持する原料棒設置装置を備える請求項2に記載の浮遊帯域溶融装置

【請求項5】
前記シャフトの各々が個々に回転する回転機能を備えた請求項4に記載の浮遊帯域溶融装置

【請求項6】
加熱光源を備える請求項4または5の1つに記載の浮遊帯域溶融装置

【請求項7】
前記加熱光源を少なくとも2個備え、前記原料棒の回転軸に対する前記加熱光源の一方の照射角度と、前記加熱光源の他方の照射角度とが互いに異なる請求項4から6のいずれか1つに記載の浮遊帯域溶融装置。

国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2016013330thum.jpg
出願権利状態 公開
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