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機能性デバイス及び機能性デバイスの製造方法 新技術説明会

国内特許コード P160013432
整理番号 (AF19P004)
掲載日 2016年11月2日
出願番号 特願2014-538632
登録番号 特許第5933736号
出願日 平成25年9月27日(2013.9.27)
登録日 平成28年5月13日(2016.5.13)
国際出願番号 JP2013076271
国際公開番号 WO2014051054
国際出願日 平成25年9月27日(2013.9.27)
国際公開日 平成26年4月3日(2014.4.3)
優先権データ
  • 特願2012-216267 (2012.9.28) JP
発明者
  • 北森 武彦
  • 馬渡 和真
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 機能性デバイス及び機能性デバイスの製造方法 新技術説明会
発明の概要 この機能性デバイス(及び機能性デバイスの製造方法)は、一面に溝が形成された第1の基板と、第1の基板と互いの一面同士を接合して一体に設けられ、第1の基板の溝とともに流路を形成する第2の基板と、流路の内面の一部に修飾して配設され、流路内に供給した対象物質を捕捉する捕捉体、対象物質に電気的または化学的な作用を与える電極、触媒のうち少なくとも一つの修飾物とを備えてなり、シリカとフッ素が結合して第1の基板と第2の基板の一面同士の接合部が形成されていることを特徴とする。
従来技術、競合技術の概要


従来、マイクロスケールの微細空間は、混合・反応時間の短縮化、試料・試薬量の大幅な低減、小型デバイス化などを実現するものとして、診断・分析などの分野での利用が期待されている(例えば、特許文献1参照)。例えば、数センチメートル角のガラス基板(マイクロチップ)上に、深さが数百μm以下の溝からなるマイクロチャネル(マイクロ流路)を形成して、別の基板と接合することでこのマイクロチャネルに液体を漏れ無く流すことを可能にする。また、チャネル内面に生体物質や触媒、電極などの機能性材料を部分的に修飾することで、所望の機能を付与してさまざまな化学システムを集積化することが提案され、実用化されている。このマイクロチャネルを構成する基板材料としては、高い強度、耐溶剤性、検出のための光学的透明性を有するガラス材料が望まれる。しかし、後述するようにガラスは基板同士の接合に高温条件(石英ガラスでは1000℃以上)を必要とするため、機能を付与するために修飾した生体物質や触媒、電極が熱損傷にとどまらずすべて焼失してしまう。そのため、従来一方の基板には接合しやすいエラストマーなど別の基板が用いられて、ガラス基板のみでチャネルを構成することが困難であった。



また、近年、ナノスケールの微細空間は、マイクロスケールの微細空間と比べて溶液物性がユニークな性質を示すことから、ガラス基板上に、数十~数百nmのナノチャネル(ナノ流路、拡張ナノ流路)を形成し、このナノチャネルのユニークな化学・物理的特性を利用して革新的な機能性デバイスを実現することが大きな注目を集めている。例えば、大きさが数十μmの細胞一個の中のタンパク質などを、それよりも圧倒的に小さな空間である拡張ナノ空間で分析することで、これまでの多数細胞の平均では分からなかった各細胞固有の機能解析が可能となり、癌診断などを初期に発生した癌細胞一個で行うことなどが期待される。また、少数分子をとり扱い易い極微細空間であることを利用して分子一個で測定でき、超高感度な分析ツールになることも期待される。このようなナノスケールの微細空間を構成する基板材料は、マイクロチャネルの場合と同様にガラスが望まれるが、前述のように接合温度が高いため、生体物質や触媒、電極などの修飾はこれまで困難であった。また、ナノスケールのチャネルは極めて小さいため、マイクロチャネルで用いられてきたエラストマーのようなソフトな材料は変形によりチャネルが容易に閉塞するため用いることができない。



前述のように、このようなマイクロスケールやナノスケールの微細空間(微細流路1)を備えてなる機能性デバイスAを製造する際には、図10に示すように、ガラス基板2上に形成したマイクロ/ナノチャネル1内に、例えば、DNAや生体試料などのマイクロ/ナノスケールの対象物質を操作、捕捉、分析などするための捕捉体(抗体、生体分子など)3や、対象物質を電気的、化学的に操作などするための電極4、触媒5など(修飾物)をパターニングすることが必要になる。



そして、フォトリソグラフィー、コンタクトプリンティング、インクジェット法などを用い、一方のガラス基板2に形成されたマイクロ/ナノチャネル1の内面に捕捉体3などをパターニングし、この一方のガラス基板2に他方のガラス基板6を重ね合わせ、マイクロ/ナノチャネル1を形成する。その後、接合することによって、内面に捕捉体3などをパターニングしたマイクロ/ナノチャネル1を備えてなる機能性デバイスAを製造する。これにより、例えば、一対のガラス基板2、6を接合して形成された閉流路のマイクロ/ナノチャネル1に、例えば、対象物質の目的分子を含む試料溶液を流通させると、目的分子を捕捉体3で捕捉することができ、この機能性デバイスAを用いることで目的分子を単一分子で分析することが可能になると期待される。

産業上の利用分野


本発明は、機能性デバイス及び機能性デバイスの製造方法に関する。
本願は、2012年9月28日に出願された日本国特願2012-216267号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一面に溝が形成された第1の基板と、
前記第1の基板と互いの一面同士を接合して一体に設けられ、前記第1の基板の溝とともに流路を形成する第2の基板と、
前記流路の内面の一部に修飾して配設され、前記流路内に供給した対象物質を捕捉する捕捉体、前記対象物質に電気的または化学的な作用を与える電極、触媒のうち少なくとも一つの修飾物とを備えてなり、
前記第1の基板と前記第2の基板はそれぞれ、ガラス基板あるいはシリコン基板であり
記第1の基板と前記第2の基板の一面同士の接合部が、少なくとも一方の基板のシリカがフッ素と結合したF-Si結合を含み、
前記第1の基板と前記第2の基板の一面同士の接合部のフッ素濃度が0.6at.%以上であることを特徴とする機能性デバイス。

【請求項2】
請求項1に記載の機能性デバイスにおいて、
前記第1の基板と前記第2の基板の少なくとも一方の基板は、接合前の前記一面にSiO層を備えた基板であることを特徴とする機能性デバイス。

【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の機能性デバイスにおいて、
前記流路がマイクロあるいはナノスケールの微細流路であることを特徴とする機能性デバイス。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の機能性デバイスにおいて、
前記接合部の接合強度が0.5J/m以上であることを特徴とする機能性デバイス。

【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の機能性デバイスにおいて、
前記修飾物がシランカップリング剤からなる捕捉体であることを特徴とする機能性デバイス。

【請求項6】
第1の基板の一面に溝を形成する工程と、
前記第1の基板と第2の基板とを接合したときに前記溝と前記第2の基板の一面とによって形成される流路の内面に対応する位置に、捕捉体、電極、触媒のうち少なくとも一つの修飾物を配置する工程と、
前記第1の基板の一面と前記第2の基板の一面の少なくとも一方に酸素プラズマ照射とフッ素供給を行い、その一面の親水性を調整する工程と、
修飾配置した前記修飾物が熱損傷することのない温度を保持しながら前記第1の基板と前記第2の基板の前記一面同士を接合する工程とを備え、
前記第1の基板と前記第2の基板がそれぞれ、ガラス基板あるいはシリコン基板であることを特徴とする機能性デバイスの製造方法。

【請求項7】
請求項6に記載の機能性デバイスの製造方法において、
前記流路がマイクロあるいはナノスケールの微細流路であることを特徴とする機能性デバイスの製造方法。

【請求項8】
請求項6または7のいずれかに記載の機能性デバイスの製造方法において、
接合前の前記第1の基板の一面と前記第2の基板の一面の少なくともいずれか一方の水の接触角が10度から50度であることを特徴とする機能性デバイスの製造方法。

【請求項9】
請求項6~8のいずれか一項に記載の機能性デバイスの製造方法において、
前記温度が25~100℃であることを特徴とする機能性デバイスの製造方法。

【請求項10】
請求項6~9のいずれか一項に記載の機能性デバイスの製造方法において、
前記修飾物がシランカップリング剤からなる捕捉体であることを特徴とする機能性デバイスの製造方法。

【請求項11】
請求項6~10のいずれか一項に記載の機能性デバイスの製造方法において、
前記修飾物を修飾して配置する工程において、パターニングの際に行う洗浄工程として、フォトマスクを通じて真空紫外線光を照射するようにしたことを特徴とする機能性デバイスの製造方法。

【請求項12】
請求項6~11のいずれか一項に記載の機能性デバイスの製造方法において、
前記修飾物を修飾して配置する工程において、パターニングの際に行う洗浄工程として、フォトマスクを通じてプラズマを照射するようにしたことを特徴とする機能性デバイスの製造方法。

【請求項13】
請求項1~のいずれか一項に記載の機能性デバイスを用いた対象物質の検出方法であって、
前記流路に対象物質を含む試料溶液を注入する工程と、
前記流路内の前記修飾物に捕捉された対象物質を検出する工程と、を有することを特徴とする対象物質の検出方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014538632thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST プロセスインテグレーションによる機能発現ナノシステムの創製 領域
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