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細胞内アセチル化のイメージング試薬

国内特許コード P160013439
整理番号 (E112P01)
掲載日 2016年11月2日
出願番号 特願2014-540880
出願日 平成25年10月10日(2013.10.10)
国際出願番号 JP2013077542
国際公開番号 WO2014057999
国際出願日 平成25年10月10日(2013.10.10)
国際公開日 平成26年4月17日(2014.4.17)
優先権データ
  • 特願2012-225841 (2012.10.11) JP
発明者
  • 金井 求
  • 小松 広和
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 細胞内アセチル化のイメージング試薬
発明の概要 細胞内で進行するアセチル化反応、例えばミトコンドリア内においてアセチルCoAの作用により進行するアセチル化反応を高感度かつ効率的にイメージングするための試薬であって、アセチル化前には実質的に無蛍光であり、かつアセチル化された後には強い蛍光を発するローダミン誘導体と、アシル化触媒及び/又はアシル化反応促進剤との組み合わせを含む試薬。
従来技術、競合技術の概要


従来、カルシウムイオンなどのイオン種、一酸化窒素、又は活性酸素種などの測定対象物と反応して生体内に存在する測定対象物をイメージングすることができる蛍光プローブが種々提案され実用化されている(例えばカルシウムイオン検出用の蛍光プローブとしてFluo-4などが汎用されている)。これらの蛍光プローブは測定対象物の非存在下においては実質的に無蛍光性又は弱蛍光性であり、測定対象物を特異的に捕捉し、あるいは測定対象物と特異的に反応することにより強い蛍光を発することを特徴としている。また、生体内に存在するペプチダーゼと反応して加水分解を受けることにより強い蛍光を発する蛍光プローブも提案されており、がんの診断にも応用されている(国際公開WO 2011/87000)。



蛍光プローブを構成する蛍光発色団としては、例えば、フルオレセイン骨格やローダミン骨格、又はインダセン骨格(特開平10-338695号公報及び特開平11-5796号公報などを参照のこと)などの母核構造が利用されている。ローダミンはフルオレセインと同様に古くから知られる蛍光色素であり、水中で高い蛍光量子収率を持つことから、蛍光性の標識剤として広く生物学の領域で利用されている。ローダミン骨格を持つ蛍光プローブとしては、例えば、一酸化窒素検出用蛍光プローブ(国際公開WO1999/001447)や次亜塩素酸検出用蛍光プローブ(国際公開WO2007/100061)などが提案されている。



一方、細胞内における重要なアセチル化反応の一例としてヒストンのアセチル化反応を典型的な例として挙げることができるが、このアセチル化ではミトコンドリア内でトリカルボン酸サイクルにおいて産生されるアセチルCoAが触媒的アシル化剤として使用されている。ミトコンドリアは細胞代謝のエネルギー源としてのATPを産生する細胞内小器官であり、電子伝達系システムを有することから、様々の酸化還元色素で染色することができることが知られている。特に正電荷を帯びた低分子の有機色素は迅速に細胞膜を通過してミトコンドリア膜を染色できることが知られており、このような色素の染色強度がミトコンドリア膜電位に依存することを利用して細胞内のミトコンドリアの機能評価に使用されている。このように正電荷を帯びた有機色素として例えばローダミン123を挙げることができるが、ローダミン123は細胞膜を容易に透過してミトコンドリアに蓄積され、ミトコンドリアの膜電位(ATP生成能を反映する)に依存して吸収及び励起発光スペクトルが変化する。従って、ローダミン123によりミトコンドリアでのATP産生量を推定することができるとされている(Biochim. Biophys. Acta, 850, 436-448, 1986)。



しかしながら、従来、細胞内で進行するアセチル化反応、特にエネルギー産生に関与しているミトコンドリア内で産生されているアセチルCoAによるアセチル化反応を高感度かつ効率的にイメージングする技術は開発されておらず、この技術の開発が切望されている。なお、生体内や細胞内において蛍光プローブを人工的な触媒又は反応促進剤と組み合わせて生体内や細胞内で進行する各種の反応、例えば細胞内アセチル化反応をイメージングした例は知られていない。

産業上の利用分野


本発明は細胞内で進行するアセチル化を高精度かつ簡便にイメージングすることができる試薬に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
細胞内のアセチル化反応を可視化するための試薬であって、アセチル化前には実質的に無蛍光であり、かつアセチル化された後には強い蛍光を発するローダミン誘導体と、アシル化触媒及び/又はアシル化反応促進剤との組み合わせを含む試薬。

【請求項2】
細胞内のアセチル化反応がアセチルCoAにより進行するアセチル化反応で請求項1に記載の試薬。

【請求項3】
細胞内のアセチルCoAを測定するための試薬であって、アセチル化前には実質的に無蛍光であり、かつアセチル化された後には強い蛍光を発するローダミン誘導体と、アシル化触媒及び/又はアシル化反応促進剤との組み合わせを含む試薬。

【請求項4】
ローダミン誘導体が以下の一般式(I):
【化1】


(式中、R1は水素原子又はC1-6アルキル基を示し;R2は水素原子、C1-6アルキル基、又はカルボキシル基を示し;R3及びR5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又はC1-6アルキル基を示し;R4及びR6はそれぞれ独立に水素原子又はC1-6アルキル基を示し;R7及びR8はそれぞれ独立にC1-6アルキル基を示すが、R7が示すアルキル基とR3が示すアルキル基とが結合して5ないし7員環を形成していてもよく、及び/又はR8が示すアルキル基とR4が示すアルキル基とが結合して5ないし7員環を形成していてもよく;R9及びR10はそれぞれ独立にC1-6アルキル基を示すが、R9が示すアルキル基とR5が示すアルキル基とが結合して5ないし7員環を形成していてもよく、及び/又はR10が示すアルキル基とR6が示すアルキル基とが結合して5ないし7員環を形成していてもよく;X-は対イオンを示し;Yは酸素原子又はM(R11)(R12)(Mはケイ素原子、ゲルマニウム原子、又はスズ原子を示し;R11及びR12はそれぞれ独立にC1-6アルキル基を示す)を示す) で表されるローダミン誘導体である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の試薬。

【請求項5】
R1が水素原子又はC1-6アルキル基であり;R2が水素原子、C1-6アルキル基、又はカルボキシル基であり;R3及びR5が水素原子であり;R4及びR6が水素原子であり;R7及びR8がそれぞれ独立にC1-6アルキル基であり;R9及びR10がそれぞれ独立にC1-6アルキル基であり;X-は対イオンであり;Yが酸素原子である請求項4に記載の試薬。

【請求項6】
R1が水素原子であり;R2が水素原子であり;R3、R4、R5、及びR6が水素原子であり;R7、R8、R9、及びR10がメチル基であり;X-は対イオンであり;Yが酸素原子である請求項4に記載の試薬。

【請求項7】
アシル化触媒又はアシル化反応促進剤がジアルキルアミノピリジン類、環状3級有機アミン類、及びホスフィン類からなる群から選ばれるアシル化触媒又はアシル化反応促進剤である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の試薬。

【請求項8】
アシル化触媒又はアシル化反応促進剤がジメチルアミノピリジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、又はトリブチルホスフィンである請求項6に記載の試薬。

【請求項9】
細胞内のアセチル化反応を可視化する方法であって、アセチル化前には実質的に無蛍光であり、かつアセチル化された後には強い蛍光を発するローダミン誘導体とアシル化触媒及び/又はアシル化反応促進剤との組み合わせを細胞内に導入する工程、及びアセチル化された該ローダミン誘導体の蛍光を測定する工程を含む方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 金井触媒分子生命 領域
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